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Re:童話姫たちの殺し合いゲーム

作者:猫丸
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お菓子な森-終-





『許さない…よくも…兄さま……兄さま……』










「アハハハッ♪ もっと もっとアソビましょう♪」










「………」










無我夢中でナイフを振り回す少女










その刃を向ける先は 赤ずきんなのか 憎き魔女なのか










「ツギハギさん! 見つけて来ました!! ハァ…ハァ…」









息を切らせながら、ピノキオが走って戻って来た その腕の中には人間の頭が入れられた鳥籠が抱えられている












『兄さま……?』










想像していたよりも早い反応だ











「ヒッ こっちを見てますよ、あの人!」











「お前がその鳥籠を持っているからな」











「ど、どうすればいいのですか!?





 このままじゃ、僕があの人に殺されますよ!」









そんなの俺の知ったことではないが……











お菓子の家 迷いの森 双子











「お菓子の家の中にある パン焼きがまに投げ入れろ」










「パン焼きがまですね? わかりました!」









ピノキオはお菓子の家へ一直線に走る










「あ……待って…兄さま






 どこへ行かれるの兄さま…」








虚ろな瞳の少女はそれを追いかける











「ドコへ行くのですか? もっとボクとアソボウ?」










赤ずきんは少女の腕を掴み 明後日の方向へ曲げる











腕の骨がギシギシ軋む音がする ポキッと骨が折れた音がする











虚ろな瞳の少女にはそれは見えていない










見えていないから 痛みもない











「パン焼きがま…パン焼きがま……あ、これだ」








ピノキオがパン焼きがまに鳥籠を放り込む









『兄さま!』










引き付けられるように、少女もパン焼きがまに頭を突っ込む










「赤ずきん。今だ」









「え? よくわかんないけど~え~~~い♪」










赤ずきんに少女の背を押させ パン焼きがまの扉を閉め 栓抜きをした










『うぎゃぁぁぁーー!』









パン焼きがまの中からドンドンッという音










まるで魔女のような断末魔が響いた











「火を放つぞ」










「え、この家にもですか…?」











童話ではこれで魔女は死ぬ だがなにか悪い予感する












「…念のためだ」










ジュッ ボオオォォォ










赤ずきんの持っていたマッチで家に火を放つ











お菓子で出来た家は物凄い速さで燃えて行く 











辺りには











焼けるパンの香ばしい匂い









焼けたお菓子のいい匂い










焼け焦げた人間の臭い










…が充満させ 黒煙の火柱をあげ 天高くまで燃えている










「ゴウゴウゴー モエロ~モエロ~♪」










「うっぷ、生肉の焦げた臭い……うぅ」











あの黒煙











「髑髏マークだったらよかったのに…」











「へ? 髑髏の黒煙ですか?」











「いや。なんでもない」










「???」











何故 そんなことを言ったのか自分でもよくわからない











童話での死 とはなんだ―?











何故 俺は少女は童話の登場人物だと知っていた―?













何故―?











                          ―To be continued-













 
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