Re:童話姫たちの殺し合いゲーム
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お菓子な森(3)
『魔女! 魔女っ! 魔女!!』
少女は両手で持ったナイフを一心不乱に振り回す。
「アハハハッ♪ そんなのではボクはコロセませんよ?
サァもっとアソビましょう♪」
楽しそうに
踊るように
赤ずきんはナイフを避ける
「あの人ナイフを持っていますよ!」
「そうだな」
「危ないですよ! 助けに行かないと」
「そうだな」
「ツギハギさん、なんでそんな落ち着いているんですか?
赤ずきんが殺されるかもしれないんですよ」
ガクガクと震え、杖を握り締めるピノキオ
「助けたいのなら、お前がいけばいい」
「ええ!? 僕がですか!?」
「俺の仕事は魂を回収すること。
闘うことでも赤ずきんの遊びを邪魔することでもない」
「それはそうかもしれませんが…
赤ずきんが死んだら、使徒である僕も死んでしまうんですよ?
そんなの困ります!」
別にお前が困ろうと 俺は困らない
「ドコを狙っているんです? ボクはココですよ」
赤ずきんは少女を挑発する
『許さない…よくも…兄さまを
ヘンゼル兄さまを殺したな…魔女!
魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女』
あの虚ろな瞳の少女がうつす者は 赤ずきん? それとも憎き魔女?
いや――
そのどちらでもない あれがすつすモノは――
「ピノキオ」
「はい。なんですかツギハギさん」
ピノキオを 赤ずきんを助けた所で俺になんのメリットもない
ただー
『魔女!』
「アハハハッ♪」
少しだけ あの少女のことを哀れに思ったのかもしれない
「赤ずきんを助けたいのなら
自分が助かりたいのなら
"鳥籠”を探してこい」
「鳥籠……ですか?」
「赤ずきんの野郎が蹴り飛ばしたアノ鳥籠だ。 間違えるな」
「ええーーー」
露骨に嫌そうな顔をするピノキオ
鳥籠の中身の事を思い出しての顔だろう
でも今 必要なのはその中身の方だ
「赤ずきんが死んでも
自分が死んでも
いいのなら好きにしろ」
「死ぬのは嫌です!!
すぐに探して来ますから、どうか! 殺さないでください!!」
ピノキオはまるで猛獣から逃げるかのように、走り出した
「…俺は干渉しない」
必要以上にお前達に関わったりしない
俺は 俺の 仕事をするだけだ――
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