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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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536部分:第四十二話 于禁、事実を知るのことその十二


第四十二話 于禁、事実を知るのことその十二

「さっきの名前は」
「あっ、真名です」
 それだと答える楽進だった。そうしてそのうえで湯に入る。それから皆で話すのだった。
「李典と于禁の」
「ちょっと、そこで言うのはうっかりやで」
「そうなの」
 ここでその李典と于禁も出て来た。二人も湯舟の中にいるのだった。
「真名は自分で言わんとな」
「駄目なの」
「うっ、済まない」
 楽進は俯いた顔で二人に謝る。
「つい言ってしまった」
「まあ皆にはここでうちが自分から言ったしな」
「いいの」
「何だ、もう言ったのか」
「お風呂の中でさらに仲良くなってな」
「それでなの」
 さらに話す二人だった。そうしてであった。
 今度は関羽が湯舟の中に入って来た。その見事な裸身が露わになっている。そしてその自慢の黒髪を馬超のそれと同じく上で束ねている。
 その彼女がだ。楽進に対して言うのだった。
「楽進殿」
「はい、何でしょうか」
「貴殿はどうも私に似ているのかもな」
「関羽殿にですか」
「硬いところがあるな」
 言うのはこのことだった。
「どうもな」
「そうだな。硬いな」
 趙雲がその通りだと言ってきた。
「二人共な」
「もう少し柔らかくいくのだ」
 これは張飛の言葉だ。
「鈴々なんか滅茶苦茶柔らかいのだ」
「そやそや。人生真面目だけやあかんで」
「もっと楽しく活きるの」
「あんた達はまた気楽過ぎないか?」
 馬超がその三人に突っ込みを入れた。
「もうちょっと真面目になった方がな」
「そか?うちもやる時はやるで」
「そのつもりなの」
 一応はこう返す李典と于禁だった。
「ちゃんとな。戦いは手を抜かんし」
「私きめたの。必死に頑張るの」
「そうあって欲しいが」
 楽進は心配する顔でその二人を見ていた。
「しかし私は硬いか」
「時々酒を飲むのもいい」
 趙雲は酒を勧めるのだった。
「それでゆっくりとするのもな」
「いいのですね」
「酒は百薬の長だ」
 こうまで言う。
「飲めば飲む程いい」
「うちもお酒大好きやで」
「お茶と同じ位好きなの」
 この二人もだった。
「どんどん飲まなな」
「飲むとなればとことんなの」
「それはいいことなのだ」
 張飛はそれはいいこととした。しかしだった。
 ふと李典の胸を見てだ。眉を顰めさせて言うのだった。
「真桜の胸は酷いのだ」
「んっ?これか?」
「どうやったらそんなに大きくなるのだ」
「まあ山羊のお乳とかキャベツ飲んだり食うてたらな」
「大きくなったのだ?」
「そや」
 その通りだというのである。
 
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