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ちびまる子ちゃんH 「さくら家の指宿旅行」の巻

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その5

 
 さくら家はこの日はまる子が行きたいと言っていた知林ヶ島に行くことにしていた。

 ひろし「お、潮が引いてるな」

 まる子「これなら歩いていけるね!」

 一家は砂州を歩いて島へ渡った。

 友蔵「この知林ヶ島はこの潮が引いているときに陸とつながる島になるからな、『縁結びの島』とも呼ばれているんじゃよ」

 まる子「縁結びか、いいねえ、あたしも将来いい男と出会えるかな~」

 お姉ちゃん「私もヒ〇キと結ばれたい~」

 お姉ちゃんは急に空想に耽った。

 ヒ〇キ「さきこ、僕は君と一緒になりたい・・・」

 お姉ちゃん「ああ~ん、さきこ感激~~~!!」

 -姉の空想に何も言えない家族一同であった。

 まる子「お、お姉ちゃん、行くよ・・・」

 家族は島を周遊をすることとなった。

 友蔵「展望台まで行ってみようかの」

 まる子「いいね、そうしよう」

 家族は展望台目指した。しばらく歩いて・・・。

 まる子「ふう、やっと着いた~、ここが展望台だね」

 友蔵「そうじゃよ、錦江湾がいっぱいに見渡せるぞい!」

 まる子「おお、見たいみたい!」

 家族は展望台から見える錦江湾眺め。

 お母さん「ここから見る錦江湾もいい景色ね」

 お姉ちゃん「あ、開聞岳も見える!!」

 まる子「錦江湾に開聞岳、まさに指宿の特産物だねえ・・・」

 -特産物ではなく名所である。

 一家が展望台から帰ろうとしたところ・・・。

 まる子「んん?募金箱があるよ」

 お姉ちゃん「『恋人や家族、友人達と絆を深める幸せな気持ちをこの募金箱に分けていただくと幸いです』だって」

 まる子「せっかくだから募金してあげようよ」

 お姉ちゃん「そうね、せっかく縁結びの島に来たんだから、皆とこれからも一緒にいたいという気持ちを示さなきゃね」

 ひろし「やめろ、金がもったいねえ。第一、この旅行にだって金使ってんだぜ。これ以上出せるかよ」

 まる子「冷たい人だねえ」

 お姉ちゃん「ホント、孤独死しても知らないよ」

 ひろし「なんとでも言え」

 お母さん「じゃあ、皆で少しずつ募金しようか」

 家族はそれぞれ募金を行った。お母さん、友蔵、おばあちゃんは100円、まる子とお姉ちゃんは10円、ひろしは全く出さなかった。

 まる子「島を歩き回ってお腹すいたね」

 お姉ちゃん「そうね、戻るか」

 友蔵「それでは池田湖の方まで行ってそうめん流しを楽しもうではないか」

 まる子「そうめん流し!?」

 お母さん「いいわね、それ」

 お姉ちゃん「楽しみになってきちゃった」

 まる子「あたしも!」

 こうして一家は島を出て池田湖へと向かうことにした。

 その途中・・・。

 おばあちゃん「じーさん、あんたよく知っとるねえ。さすが雑誌をよく読んだんだね」

 友蔵「え、なんでわかるんじゃい!?」

 おばあちゃん「だって旅行雑誌に指宿の特集が載っていたじゃないか。それで指宿に行きたくなったんじゃろ?」

 友蔵「はは、バレたか・・・」

 おばあちゃん「でもじーさん、あたしもこの旅行は結構楽しんどるよ。決めてくれてありがとな」

 友蔵「ばーさん・・・」

 一家はタクシーを拾い、池田湖へ到着した。さくら家はそうめん流しを楽しみ、食べていた。

 まる子「んん~、美味しいねえ。流しそうめんは竹筒で流すだけじゃなくて、回しても美味しいねえ」

 友蔵「まる子や、鹿児島では『流しそうめん』ではなく、『そうめん流し』と呼んでいるんじゃよ。竹筒で流すのを『流しそうめん』と言うんじゃが、『そうめん流し』はそうめんを回すところが違うんじゃ」

 まる子「へえ~」

 そうめん流しを楽しんだ家族は池田湖を眺めていた。

 お姉ちゃん「池田湖は綺麗ねー」

 お母さん「天然記念物の大うなぎもここに住んでいるのね」

 まる子「うなぎか・・・、小杉だったら食べようとして泳いで捕まえようとするかもね」

 お姉ちゃん「あ、あんたね・・・、いくら小杉でもそれはないと思うよ・・・」

 友蔵「ここにはネス湖のネッシーにちなんでイッシーという謎の生物がいるという噂があるんじゃ」

 まる子「本当!?おーい、イッシー!!」

 友蔵「イッシー!!」

 ひろし「バカだな、声で読んだって出てくるわけねえだろ」

 まる子「わかんないよ!?いないと決まったわけでもないし!イッシー!!」

 友蔵「イッシー!!出てこーい!!」

 おばあちゃん「じーさん、いい年してみっともないよ」

 まる子と友蔵は必死で叫んだがイッシーが出てくることはなかった。

 池田湖を眺め終わったその後、さくら家はお土産を買うことにした。

 ひろし「おう、指宿焼酎の利右エ門だとよ!こりゃ買わなきゃ損するぜ!」

 まる子「あたしゃこのうなぎパイにしよう。クラスのみんなへのお土産にするんだ」

 おねえちゃん「私はこの薩摩芋タルトにしようっと」

 お母さん「2人ともいいお土産選ぶわね。お母さんは知覧の農場で収穫されたお茶を買おうかしら」

 友蔵「おーい、みんなー」

 まる子「おじいちゃん、何買ったの!?」

 友蔵「黒毛和牛じゃ!お母さん、帰ったらこの黒毛和牛ですき焼きにしてくれんかの}

 まる子「おじいちゃん・・・、夏にすき焼きなんて暑くて食べられないよ・・・」

 お姉ちゃん「焼き肉とか、牛丼とかなら何とかなると思うけど・・・」

 友蔵は空回りした感があって落ち込んでしまった。

 お母さん「いえ、いえ、おじいちゃん、ありがとうございます。こんな高級なお肉、滅多に食べられないから楽しみよね!!」

 まる子・お姉ちゃん「うん!」

 まる子「おじいちゃん、ありがと」

 友蔵「まる子・・・」

 まる子「ん、おばあちゃんはお湯呑みとお茶碗だね」

 おばあちゃん「ああ、この湯呑みと茶碗はね、鹿児島で作られた薩摩焼のものなんじゃよ。薩摩焼には2種類あってね、この湯呑みは白薩摩だから白くて、茶碗は黒薩摩だから黒いんじゃよ」
 
 まる子「へ~、高価そうだね」

 買い物を楽しんだ家族は旅館へと戻るのであった。その夜・・・。

 お母さん「あんたたち、明日は出発早いからね、寝坊したら帰りの列車に乗れなくなるから気を付けるのよ」

 ひろし「おう、とくにまる子は寝坊しやすいからな」

 まる子「はいはい、気を付けますよ・・・」

 こうして家族は翌日、泊まっていた旅館を後にすることとなった。

 白川「この度は当旅館をご利用いただきましてありがとうございました。また、指宿においでください」

 さくら家一同「ありがとうございました!」

 こうしてさくら家は清水へと帰るのであった。


 

 
 

 
 
  
 

 
後書き
 お姉ちゃんの好きなアイドルは実在の人物であるために利用規約に引っかかる可能性があるため伏字にしました。

 ついでにこの小説を書いて作者も指宿に行きたくなりました・・・。 
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