ちびまる子ちゃんH 「さくら家の指宿旅行」の巻
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その4
そのころひろしは一人で浴場にいた。
ひろし(ええ湯だなあ、やっぱり俺も入ればよかったかなあ・・・。いやいや、砂をかけられるのはごめんだ)
その時友蔵がやって来た。
友蔵「おう、ひろし。砂むし風呂は楽しかったぞい。お前も入ればよかったのに」
ひろし「いいんだよ、俺は元々行く気なかったんだからよ」
ひろしは開き直ってしまった。
一家は温泉を終えた後、喫茶コーナーで昼食の時間にしていた。昼食は湯たまらん丼を食べることにしていた。
まる子「これが湯たまらん丼か~、どれ・・・、ん~、この温泉たまごとご飯におかずと味が上手く合わさっているねえ、美味しい・・・」
友蔵「んん、なかなかの味じゃ、まる子、来てよかったのう」
まる子「ありがとう、おじいちゃん」
友蔵は孫に感謝されることに非常に嬉しく感じていた。
お母さん「それじゃあ、次は龍宮神社に行ってみようかしらね」
まる子「賛成~!」
昼食を食べ終わったさくら家は龍宮神社に行くのであった。
友蔵「この龍宮神社はの、海幸彦と山幸彦の神話に出てくる豊玉姫を祀っているんじゃよ」
まる子「おじいちゃん、よく知ってるね~」
友蔵「えっへん、わしはここについては物知りだからのう」
-雑誌を読んで覚えただけである。
まる子「んで、ウミサチヒコとかヤマサチヒコとかトヨタマヒメとかってどんな人なの?」
友蔵「う・・・」
おばあちゃん「まる子や、海幸彦は海で釣りをするのが得意な人で山幸彦は山で狩りをするのが得意な人で二人は兄弟なんじゃよ。ある日二人はお互い反対のことをやろうとしたら山幸彦はお兄さんの釣り針を失くしてしまってのう、探してこいと言われてどう見つけようか困っていたんじゃよ。そしたら塩椎神という神様に出会ってわたつみの宮という宮殿に連れて行ってもらえるのじゃ。そしたらそこで豊玉姫という人と出会ってそこで楽しく暮らし、ついには結婚するんじゃよ。3年たった後、釣り針が見つかったので山幸彦は帰ることになって、そのとき豊玉姫は『もしお兄さんが意地悪をしたらこの潮満玉を海につけておぼれさせるのです。そして許しを請うたら潮乾玉で海を沈めなさい』といったんじゃ。帰って海幸彦に釣り針を返そうとすると海幸彦は信じてもらえず意地悪をふるうんじゃ。山幸彦は豊玉姫が言った通りのことをして海幸彦にもう意地悪はしないと約束させる、という話じゃよ」
まる子「いいねえ、あたしも山幸彦のようなことをして意地悪なお姉ちゃんを懲らしめてやりたいよ・・・」
お姉ちゃん「何ですって・・・!!」
まる子「い、いや、そ、その・・・」
-逆に自分が姉に懲らしめられるまる子であった。
友蔵「せっかくここまで来たんじゃ。次は長崎鼻に行ってみようかの」
さくら家は長崎鼻へ向かうこととした。その道中・・・。
まる子「ん?これは何々・・・。浦島太郎の像だって!ここは浦島太郎も祀っているのかな?」
友蔵「そうじゃ、長崎鼻は浦島太郎が竜宮城へと旅立った岬という言い伝えがあるんじゃ」
まる子「おお~、こりゃその長崎鼻に行かないと損するねえ!」
こうして一家は長崎鼻についた。
お母さん「う~ん、いい風吹いてるわね」
お姉ちゃん「ここが薩摩半島の最南端か、ん?向こうにあるのは島?」
お母さん「あれは屋久島や三島ね。晴れる日には島影も見えるのね」
まる子「島も見えるっていい眺めだね~。浦島太郎はここから竜宮城に行ったのか。いいところに住んでたもんだね~」
-言い伝えと現実を混同しているまる子であった。
旅館に戻った一家はその夜・・・。
ひろし「あ~、今日も鹿児島のビールは上手い!」
お母さん「お父さん、あんまり飲みすぎないで下さいよ」
まる子「まったく、お父さんはビールしか楽しみがないのかな」
お姉ちゃん「そういえば一人だけ砂むし温泉に入らなかったもんね」
友蔵「元から行きたくなかったというとったしのう」
お姉ちゃん「最低ね・・・」
まる子「うん・・・」
-ビールに溺れる父親の姿を軽蔑した目で見るまる子とお姉ちゃんであった。
ひろし「おかわり持ってこーい!!」
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