ハイスクールD×D/EXTELLA
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戦闘校舎のフェニックス
不死身VS大英雄
前書き
何かもうグダグダです。
棟夜side
炎が当たる直前、俺は咄嗟に黄金の鎧を身にまとって炎を防いだ。全然熱くねぇし、火傷すら負ってない。さすが、太陽神から授かった鎧だ。
・・・まぁ神でも破壊が困難な鎧だからな。
「貴様! 何故俺の炎を喰らって生きている!?」
「答える義理はない。それじゃ」
腕を掲げると、空が雲で覆われ稲妻が走り、俺に向かい落雷が落ちてくる。雷が消え去ると、手には巨大な槍が握られている。ホントにデケェな。普通はこんなもん扱うのは難しいけど・・・俺には問題ない。
「最終局面、始めようか」
背中にある装飾が展開し、炎を纏い槍を構えライザーに突撃する。物凄いスピードで距離を詰め、腹部を貫くと同時に四肢を斬り落とす。当然復活した。
「グッ! 人間風情が調子に乗るなぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
「燃えろ!!」
激高し炎を飛ばしてくる。こちらも炎を当て相殺・・・いや。飲み込んで一回り大きくなりライザーに直撃。続けざま槍を振りかぶり雷を纏い、ライザーに直撃させ地面に叩きつける。衝撃で地面に亀裂が走り陥没する。
すぐ離れると炎が連続で飛んでくる。
俺は槍を持ち直し地面に突き刺すと、炎が噴き出て壁になり防ぐ。
と、ライザーが迫ってくる気配を感じる。不意を突こうとしたのだろうけど、甘い!
「真の英雄は目で殺す!」
オッドアイである赤い目を見開くとビームがでた! マジででたよ! 出来るかな? って感じでやったのに、自分でもビックリだわ。
ビームはそのままライザーを直撃し、上半身を完全に消し飛ばした。アレでも再生するよな? など思っていると、炎が集まり出し元に戻った。
「この俺が・・・下等な人間如きにぃぃぃ!!」
-ボワッ!-
吼えると一段と炎が大きくなりまたもや突っ込んでくる。コレ以外に芸はないのか?
ちょっとガッカリしながらも俺は槍を構え直し迎え撃つ。
拳と炎がライザーから繰り出される。俺はそれを防ぎ、躱し、捌き、隙あれば急所である頭部と心臓を狙い攻撃する・・・といった感じだ。
もし変化していなかったら、大怪我どころか冗談抜きで消し炭だな。
「ハァッ!」
炎を纏った拳を心臓めがけて殴り、一度離れる。呼吸も心拍もそこまで変化はないが・・・。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ックソ!?」
すでにライザー疲労困憊のようだ。呼吸が乱れ汗が噴き出ている。何回も再生しているから精神的にもけっこうキツイだろうにね。
これ以上は、一方的になるな。
「お兄様! フェニックスの涙をお飲みください!」
レイヴェルが飛んできて小瓶を渡そうとする。だが・・・。
「どけ!!」
「きゃっ!」
自分の妹を力任せにどかしやがった! コイツ!
俺は倒れ込むレイヴェルを咄嗟に受け止める。
「ライザー! テメェ、自分の妹に何しやがる!?」
「黙れ! 俺は誇り高き上級悪魔、ライザー・フェニックスだ!! 人間如きに負けるわけにはいかないんだよ!!」
・・・そこまでして人間に負けたくねぇのかよ。
怒りを通り越して逆に呆れてくるぜ。上級悪魔のプライドがそうさせるのか、もしくは単なる意地か。
「ちょっ! いつまで抱きしめていますの!? 早く放しなさい!!」
「ん? ああ、すまんすまん」
顔を真っ赤にし騒ぐレイヴェルを放すと、小走りで離れ真っ赤になりながらも睨んでくる。
俺、睨まれることしたか?
・・・まぁいいか。今はライザーと決着つけるのが先だ。
「ライザー。これ以上、俺はお前と戦うつもりは無い」
「な!? どういうことだ!!」
「俺とお前の力量は戦っていて分かったはずだ。戦術も魔力も全てにおいて俺がお前より勝っている。これ以上は一方的な戦いになる事くらい、お前だって分かっているだろう?」
「ッ!!」
歯ぎしりし睨んでくる。
「そこで提案だ・・・次の一撃。次の一撃にお前の全力をぶつけてこい。俺も全力で攻撃する。それでこの戦いを終わらせる。分かったら早く回復するんだな」
「ク! レイヴェル、俺に涙を寄越せ!!」
「は、はい!」
駆け寄り小瓶を差し出すと、奪い取るようにつかみ一気に飲み干す。
すると、さっきまでの疲労が消え魔力も戻っている。
ホントずりぃ品物だな。
「人間、貴様。名はなんと言う?」
「? 神咲棟夜だ」
「そうか・・・神咲棟夜!! 貴様は人間でありながらこの俺をここまで追い込んだのは褒めてやろう! 次の一撃、俺の全魔力を注ぎ込んだ最高の一撃で貴様に勝つ!!」
高らかに叫ぶライザー。直後、ライザーを中心に炎が集まり巨大なフェニックスを模る。大きい、校舎をゆうに超える大きさだ。
これならば宝具を使うのに等しい。
「神々の王の慈悲をしれ」
身体に纏っていた黄金の鎧が弾け飛ぶ。
「インドラよ、刮目しろ。絶滅とは是、この一刺」
槍を掲げると目の前に魔力が雷光と化し集約された。
そして、同時に最後の一撃を放つ!!
「フェニックス称えられた我が一族の業火! その身で受け異空間ごと燃え尽きろーーーーッ!!」
「灼きつくせ――日輪よ、死に随え≪ヴァサヴィ・シャクティ!!≫」
全てを燃やし尽くそうとする巨大なフェニックスに、紅き雷が空を駆け激突する
-ゴオォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!-
直後、巨大な爆発が起きて目の前が白く染まる。
一誠side
棟夜にライザーの炎が直撃後、炎を竜巻が形成された中から、赤い外套を着た姿じゃなく、白髪と赤と青のオッドアイに肌が少し黒くなって、黄金の鎧を纏った棟夜がいた。
『貴様! 何故俺の炎を喰らって生きている!?』
『答える義理はない。それじゃ』
棟夜が腕を上げると、空に暗雲が立ち込めて一つ大きな雷が落ちた! 大丈夫かと思った時、一瞬で雷が消えて、棟夜の手には巨大な槍が握られていた。
あんなバカデカい槍扱えんのかよ。だけど、棟夜は全く平然として槍を数回振り回す。レイヴェルが言ったように人間かどうか疑問を抱いちまう。
『最終局面、始めようか』
槍を向けそういった直後、背中にあった装飾が展開して炎を纏い突っ込んでいって、腹部を貫通し両手両足を斬りおとした! 早い!! まったく見えなかった。
瞬時に再生したライザーは炎を飛ばすけど、棟夜が打ち出した炎がライザーに直撃した。間髪開けず振りかぶった槍に雷が走り、ライザーに直撃させて地面に叩き落とした。その衝撃で地面に亀裂が走り、陥没した。
すぐ離れると今度は、マシンガンみたいに炎が打ち出され棟夜に襲い掛かる。
炎を槍で防ぐかと思ったが、槍を地面に突き刺した瞬間地面から炎が噴き出て炎を防いだ。そして隙を突こうと飛来するライザーに対し棟夜は。
『真の英雄は目で殺す!』
赤い目からビームが出やがった! 何だアリャ!? アイツ目からビームだせんのかよ!! 逆に不意をつかれたライザーは上半身が消し飛んで倒れ込む・・・目からビームって反則だろう。
数秒すると炎が形を形成して元に戻った。
『この俺が・・・下等な人間如きにぃぃぃ!!』
咆哮をあげると炎がいっそう大きくなった。俺たちとの比じゃねぇな。
ライザーは拳で殴りかかり、炎を混ぜた攻撃で圧倒するも棟夜は冷静に対処している。槍で防ぎ、躱し、捌いて的確に急所である頭や心臓を狙って攻撃している。
暫くして棟夜が拳に炎を纏わせ胸部を殴りつけ離れた。棟夜はあれだけ激しく動いていながら汗ひとつかいていない。
『ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ックソ!?』
逆にライザーは疲労困憊だ。激しく息を切らし、汗もかいている。どっちが優勢かなんて一目瞭然だ。
その時、妹のレイヴェルが飛んできてフェニックスの涙を渡す。だけど・・・。
『どけ!!』
『きゃっ!』
無理やりどかしやがった! 自分の妹に何してやがるんだ!!
『ライザー! テメェ、自分の妹に何しやがるんだ!?』
『黙れ! 俺は誇り高き上級悪魔、ライザー・フェニックスだ!! 人間如きに負けるわけにはいかないんだよ!!』
倒れ込む直前、棟夜がレイヴェルを受け止めライザーに棟夜がキレた。自分の妹よりそこまで勝ちてぇのかよ。
喚くレイヴェルを放した棟夜は、冷めた感じでライザーに言う。
『ライザー。これ以上、俺はお前と戦うつもりは無い』
『な!? どういうことだ!!』
『俺とお前の力量は戦っていて分かったはずだ。戦術も魔力も全てにおいて俺がお前より勝っている。これ以上は一方的な戦いになる事くらい、お前だって分かっているだろう?』
『ッ!!』
棟夜の言い分にライザーは憎々しげに睨み歯ぎしりする。
誰が見てもこの戦いはライザーの敗北が決まっている。攻撃が全部防がれて、逆に何回再生したかなんて数知れない。精神にも相当きているはずだ。
『そこで提案だ・・・次の一撃。次の一撃にお前の全力をぶつけてこい。俺も全力で攻撃する。それでこの戦いを終わらせる。分かったら早く回復するんだな』
『ク! レイヴェル、俺に涙を寄越せ!!』
駆け寄ってきたレイヴェルから弧文を飲み干すと、顔に出ていた疲労が消えさった。
『人間、貴様。名はなんと言う?』
『? 神咲棟夜だ』
いきなりの問いに棟夜は怪訝な表情を浮かべながらも、名前を言った。何で今更名前を聞くんだ?
『そうか・・・神咲棟夜!! 貴様は人間でありながらこの俺をここまで追い込んだのは褒めてやろう! 次の一撃、俺の全魔力を注ぎ込んだ最高の一撃で貴様に勝つ!!』
叫ぶライザー。直後、ライザーを中心に炎が集まり巨大なフェニックスを作り出した! デカい! 校舎を超える大きさだ。
『神々の王の慈悲をしれ。インドラよ、刮目しろ。絶滅とは是、この一刺』
棟夜の纏っていた鎧が弾け飛んで、槍を掲げると目の前に雷光が落ちた。スクリーン越しでも、アレが魔力の塊だってわかった。
そして同時に放った。
『フェニックス称えられた我が一族の業火! その身で受け異空間ごと燃え尽きろーーーーッ!!』
『灼きつくせ――日輪よ、死に随え≪ヴァサヴィ・シャクティ!!≫』
ライザーが放ったフェニックスと、槍を突き刺した雷光が、紅き雷が走り空中で激突した!
-ゴオォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!-
直後巨大な爆発が起きてスクリーンが光りで見えなくなった。ま、眩しい!
腕で顔を覆っていると、今度は別の音が聞こえた。
-ガシャァァァァァァァァァァァン!!-
何だ!? 音の方へ視線を向ければ、空が割れたガラスのようになっていた。そこから棟夜が放った
紅き雷が天高く昇っていく。もしかしてアイツ!!
「い、異空間の壁を突き破ったじゃと!?」
一人の悪魔が驚愕の声をあげた。マジかよ!
「! イッセー君、見えるようになったよ!!」
木場の声にスクリーンを見ると、そこにはうつ伏せに倒れたライザーと、片膝をついて息を切らしている棟夜。弾け飛んだ黄金の鎧も戻っていた。
すでに異空間内はボロボロだ。崩壊しかかっている。
「決着はついたようだね。この試合、神咲君の勝ちだ」
魔王様が宣言してくれた。
勝ったのか?・・・棟夜が、ライザーに?
「トーヤ!」
すぐさま部長が羽をだして穴の開いた場所から異空間内部へ飛んでいく。気づけば全員が向かい始めている!
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!」
俺も翼をだして、ぎこちない動きで必死に飛んでいく。
棟夜side
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・ちょー疲れた」
膝が笑いそうになるのを必死に押さえつけ、立ち上がる。
俺の目の前にはうつ伏せに倒れているライザー。ああは言ったけど、さすがに全力はどうかと思ったら、7割の力で宝具を放った。おかげで異空間はボロボロだし、おまけに壁まで破壊しちゃった。
でも宝具をくらっても再生するとは、フェニックスの再生力は凄まじいね。
意識を失っているライザーに近づくと、間にレイヴェルが入り込んできて両手を広げ立ちふさがる。
だけど、体は震え目には怯えが見える。
「フゥ・・・」
俺は息を吐いて槍の切っ先をレイヴェルへ突き出す。ま、当てないがな。
「伝言。頼まれてくれないか?」
俺がそういうと、僅かに頷いた。
「文句があるなら俺のところへ来い。何時でも相手になる・・・ってさ。頼んだよ?」
とつい癖で頭を撫でてしまった。怒られると思いすぐ離れると・・・?
何故か騒がず頬を赤く染めていた。どうしたんだ一体?
その直後、異空間内が崩壊し始めた。
レイヴェルはライザーを抱きかかえ飛び去った。俺も装飾を展開し飛び立ち、穴の開いた所から出ようとした時だった。
「「「「「「「トーヤ(君)『さん』[先輩]」」」」」」」
なんとまぁ全員飛んできやがった。
「おいおい。全員で出迎えに来なくても良かったんッ」
「トーヤ!!」
「おっと!」
急にリアスが抱き着いてきた。って言うかちょっと涙声? まさか負けるとでも思ったのか? まったく心配性だな。
「リアス・・・俺が勝ったら言うことを聞いてもらう約束、覚えてるか?」
「・・・えぇ。笑ってくれって」
顔を上げたリアスには、涙がなく綺麗な笑顔だった。やっぱ笑顔だよな。
「んじゃ、さっさと地上に帰ろぜ? っと。その前に」
「きゃ!」
俺はリアスをお姫様抱っこし、魔王様のところへ飛んでいく・・・一部背後から殺気を含んだ視線を感じるが、気にしない気にしない。
途中グレイフィアさんがいたのを見つけたのでそこへ向かうが、そこには魔王様ではなく父親がいた。
俺はリアスを下ろして、父親に向かって頭を下げる。
「リアスは返してもらう。今回の騒動、私が起こした身勝手な振る舞い、大変申し訳ございません。ですが・・・これだけは覚えていてください。また今回と同じことが起きれば、俺は何度でも助けに来ます。リアスだけじゃなく、俺の大切な仲間にしても同じです。そこだけは忘れないでください」
部長の父親は何も言わず、静かに目をつむる。
どうせなら魔王様にもお礼を言いたかったんだがな・・・今度でもいいか。
「では、俺はこの辺で失礼します。リアスは連れ帰ります」
リアスの手を取り、グレイフィアさんから頂いた魔法陣が描かれた紙を取り出す。
髪を裏側に向けた時、まばゆい光が発する。
-キュイィィィィィィッ-
魔法陣から現れたのは、巨大な翼を生やし四足歩行の生物。神話やファンタジーに出てくる生き物、グリフォンだ。
これ乗って逃げろってことか。
俺が最初にグリフォンの背に乗り、リアスの手を取って引き上げ俺の前に乗せる。
「それじゃ皆。先に帰ってるからな!」
俺がそういうと、皆が笑顔で手を振ってくれる。
-キュイィィィッ!-
軽くわき腹を蹴りつけると、グリフォンが高く一鳴きし、翼を羽ばたかせ勢いよく飛び上がった。
「フェニックス卿。今回の婚約、このような形になってしまい、大変申し訳ない。無礼承知で悪いのだが、今回の件は・・・」
「みなまで言わないでくださいグレモリー卿。純血の悪魔同士。いい縁談だったが、どうやらお互い欲が強すぎたようだ。私のところもあなたのところもすでに純血の孫がいる。それでもなお欲したのは悪魔ゆえの強欲か。それとも先の戦争で地獄を見たからか」
「・・・いえ。私もあの子に自分の欲を重ねすぎたのです」
「神咲くんといったかな。彼には礼を言いたかった。息子に足りなかったのは敗北だ。アレは一族の才能を余りにも過信しすぎた。これは息子が息子にとっていい勉強になっただろう。フェニックスは絶対ではない。これを学べただけで今回の婚約は十分でしたよ。グレモリー卿」
「フェニックス卿」
「あなたの娘さんは良い下僕を持った。これからの冥界は退屈しないでしょうな」
「そうでしょうね・・・しかし、よりにもよって私の娘が拾うとは思ってもいませんでした」
「赤い龍。忌々しいあれがこちら側に来るとは・・・実際目にするまで信じがたいものでした」
「次はやはり」
「ええ。白い龍≪バニシング・ドラゴン≫・・・赤と白が出会うのは時間の問題か」
サーゼクスside
グリフォンに乗り遠ざかるリアスと神咲君。彼には感謝しきれない。
正直この婚約には乗り気ではなかった。純血を絶やさないことは必須だけど、それでも家族としてリアスには自分が好きになった人と幸せになってもらいたいと願っている。
悪魔社会を担う魔王が私情を挟んではいけないことだが、今回に関しては彼に感謝している。
「サーゼクス様」
振り返ると、グレイフィアがいた。私は試合中、実はグレイフィアに頼んでいたことがある。
それは神咲君についてなんだが、それが終わったということか。
「結果はどうだったんだいグレイフィア」
「はい。神咲様を調べた所・・・神咲様は、先の大戦で二大天龍を倒したお方です」
・・・やはり。二大天龍を倒したのは神咲君だったのか。
試合中、私はある疑問を抱いていた。悪魔が作った異空間内を変化させ、フェニックスを圧倒できるほどの強力無比な神器。異空間の壁を破壊できる強大な力。到底一人の人間とは考えにくい。
まして二大天龍を倒した時から彼は姿かたちが一切変わっていない。彼の両親は至って普通の人間だが、あまりにも不明な点が多すぎる。
もし彼の存在が天界や堕天使に知られれば、大変なことになる。
「いかがされますか?」
「・・・今度の三すくみの会談を、駒王学園で執り行う。視察も含め、彼に直接話を聞きに行く。このことは公にはしないでくれ」
「分かりました」
頭を下げたグレフィアは退出する。
「神咲棟夜・・・君は何者なんだい」
私はグリフォンが飛行していった空を見ながら呟く。
棟夜Side
冥界の空を、俺とリアスがグリフォンの背に乗って飛行している。
時間の概念があるか分からないが、来た時と変わらず紫色だ。
ふと空を見ながらボケっとしていると、トンとリアスが身体を預けてきた。
「ありがとう。トーヤ」
「? 別に感謝しなくていいよ。これはみんなが望んでいた事なんだ。俺もリアスがあんないけ好かない野郎とくっつけられるのが我慢ならなかったしな」
ハハハと笑い頭をかく。しかし、リアスの顔は憂鬱だ。
「・・・怖くなかったの?」
怖い?
「何がだ?」
「死ぬことが。真正面から乗り込んでくるなんて正気の沙汰じゃないわ・・・本当に怖かったんだから。あなたがライザーの炎に飲み込まれた時は息をのんだわ」
「んー。まぁ死ぬのは怖いけどさ、でも俺が一番怖いのは自分より誰かを失うことなんだ。死なんて一瞬なんだから、死んだら死んだではい終わりってこと。俺はそうとらえてる・・・でも」
俺はリアスを撫でる。嫌がる素振りはなく黙っている。
「現に俺は生きてる。それでいいじゃねぇか。もう終わった事なんだしさ、前向きになろうぜ」
言いたいことを告げ、俺は再び空を仰ぐ。会話が無くなり風の音が聞こえる中。
「トーヤ」
不意に名を呼ばれた。
何だと思い顔を下げた時・・・唇に柔らかい何かが触れた。
少しして俺とリアスがキスをしているのだと理解できた。
・・・・・ハアァァァァァァァァァァァァァ!? え!? 何で!? 何故!? 何ゆえに!? 何で俺リアスとキスしてんの!?
「私のファーストキスよ。日本では、女の子を大切にするものよね?」
「え!? あ、ああ。まぁそうだけど・・ってファーストキス!!??」
俺は自分でもありえないほど絶叫した。ファーストキスって女子にしてみれば結構大事なもんじゃねぇか!!・・・・・・・ホントかどうかは知らんがな。
「黒歌や小猫、アーシアとキスはしたの?」
「するわけないだろ」
「そう、フフ。お互いにファーストキスだったのね・・・ファースト繋がりだけれども、私の処女、欲しい?」
「ゴメン」
峰打ちと同時に気を流し込んで気絶させる。
リアスって意外に積極的なのか? そんな印象抱いていなかったけど・・・。
「ってかこのことがバレたらヤバいな。主に黒歌にバレたら確実に面倒事が起きる」
などぼやきながら俺は安らかな表情でいるリアスの頭を撫でる。
ま。とりあえず一件落着!
こうして結婚騒動が終わりを告げる。
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