ハイスクールD×D/EXTELLA
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戦闘校舎のフェニックス
New Life.
前書き
オリキャラちょっと出ます。
棟夜side
「と、言うわけで、私、リアス・グレモリーもトーヤの家で一緒に住まわせてもらうことにしたわ」
朝。俺の家のリビングでは非常に危険極まりない雰囲気で一杯です。
俺の目の前には私服姿のリアスが笑顔で話しかけてくる。まぁそれはまだいい方だろう。
問題は俺の両隣と膝の上に座ってる彼女たちだ。
アーシアは涙目で頬を膨らませ、黒歌は尻尾左右に揺らし殺気が滲み出ている。子猫も何時もは仕舞っている尻尾と猫耳を露わにし、俺のズボンを強く握っている。ってかズボンに皺が出来ちゃうからやめてほしい、冗談抜きで割とマジで。
あの騒動の後、リアスがいきなり俺の家に住むと言い出した。
本当にいきなりで話がついていけなかった。リアスが言うには「後輩との交流を深めたいのよ」っと強引に話を進めていった。ただでさえ今部屋が満杯なのにさらに一人増え、さらにリアスの荷物であろう大量の荷物を入れたおかげで空き部屋が消え去った。まぁ俺も許可しちゃったんだがな。
でも何で男の家に泊まりたがるのか理解が出来ないぜ。
リアスが住むと決まったときは黒歌が大騒ぎし、一緒に寝てやると言ったら何とか収まってくれたが、それでも今すぐにでも飛び出しそうな雰囲気をだしている。
あの後、婚約は破断となった。リアスも喜んでいたし万々歳だろう。
んで、ライザーの野郎は生涯初めて味わった敗北で寝込んでいると思ったが・・・意外にも自分を鍛えているとのことだ。
意外な行動に全員が驚愕する。そりゃ、あんな慢心の塊みたいな野郎が練習するなんざ誰も思いつかないだろうな。
んで、今日はあのパーティでの俺の勝利の祝いをするらしく全員が家に来る予定だ。
「さてと。これからトーヤのご両親にご挨拶をしたいのだけれど・・・」
「あー両親に関しては今日話すよ。全員内に来るならその方が早い」
と適当にはぐらかす。
実はみんなには両親が死んだと言っていない。理由としちゃ、ぶっちゃけ面倒くさい・・・じゃなく、ただ単に忘れていただけです。
「それじゃトーヤのご両親には後で部員全員でご挨拶しましょう。じゃぁさっそくだけど、部屋へ荷物を運んでくれないかしら」
「ああ。分った」
「トーヤさん。私も手伝います」
リアスの後に俺、アーシアと続く。
「黒歌と小猫はどうする」
「手伝いなんて御免にゃ」
「パクパクパクパクパク」
黒歌は不機嫌そうに寝っころがり、小猫は無言で食パンを頬張っている・・・手伝ってくれないのね。
「・・・あぅぅ、一夫多妻制しか希望がなさそうです・・・。・・・でもでも、主の教えに反してしますし・・・でもでもこのままじゃ、はぅぅ・・・」
そしてアーシアは最近何かぼそぼそと言うことが多くなった。
「一夫多妻がどうした?」
「何でもありません」
聞き返すと顔を背ける・・・うーん。ここ最近はなんかギクシャクしてんだよなぁ。俺が女子と話していると膨れっ面になったり、黒歌は『にゃー! 変な女の匂いがするにゃ!!』と騒ぎまくるし、小猫に至っては最近脛を蹴りあげてくる。一体何が原因なんだ?
まぁ極めつけはリアスがきてからかな? こいつらそこまで仲が悪かったっけ?
「ほらイッセー。その装飾品はこちらよ」
「ほいほい」
荷物をリアスの部屋へ運ぶと指示が飛んでくる。
「トーヤ。今日のパーティが終わったら一緒にお風呂に入りましょう・・・そうね、背中。流してあげるわ」
「はぁ!?」
いきなり何言ってんだリアスは!?
「「「ダメ『です』(にゃ)!」」」
うぉ!! アーシアの他に黒歌と小猫がいた。いつの間に!!
「トーヤとのお風呂なら私も入るにゃ! 抜け駆けは許さないわよ!」
「・・・・・・私も!・・・・・・先輩と入ります!!」
「もう! 裸のお付き合いなら私もします! トーヤさんも部長さんも、黒歌さんに小猫さんも私だけ仲間外れにしないでください!」
・・・おいおい何だこれ? 何でこんなに騒ぐ必要があるんだ?
「黒歌。アーシアに小猫。悪いけど、そういうことだから。宣戦布告ってことでいいかしら?」
「望むところよ! 絶対に負けないにゃ!!」
「私も・・・・・・引く気はありません!!」
「うぅ! 負けそうですけど、負けたくありません!」
何か4人の間に火花が散っているような・・・女ってよくわからん!
ただ一つ分るのは、俺の家がどんどん賑やかになっていくってことだ。
「いらっしゃい。騒がしい所だけどどうぞ」
「悪りぃ棟夜。いきなり押しかけて」
「お邪魔するね棟夜君」
「お邪魔いたします」
お昼前、一誠と木場、朱乃が家に揃った。
「さて。全員揃ったところでトーヤのご両親にご挨拶しましょう」
・・・知られるのは気が重いけど、まぁいいか。
「そういや。棟夜の両親って共働きなのか?」
「いや、働いてはいないさ・・・こっちに来てくれ」
全員を連れて、俺は一部屋の和室に入る。そこには祭壇と二つの遺影が置いてある。
俺は祭壇の前で静かに合掌する。
「・・・もしかして、棟夜君の両親って」
「俺がガキの頃。結婚旅行に行った先で事故に会ってさ、それ以来、中学卒業まで孤児院で過ごしてたのさ」
俺が両親の事を話すと、一気に暗い雰囲気になった。
「わ、悪い棟夜。何にも知らないで変なこと聞いて」
「別に気にしてねぇよ。いい加減に一人で暮らすのに慣れちまったしさ・・・それに今の俺にはみんながいるから平気さ・・・ホラ。今日はパーティだろ? そんな陰気な雰囲気はなしにしてさ、今日くらいは楽しくやろうぜ!」
「・・・そうね。何時までも暗くなっていてはせっかくのパーテイが台無しだもの。さ、早く戻って準備しましょう!」
リアスが言うとみんなが和室から退出していった。一人になってから俺はもう一度合掌する。
・・・親父、お袋。俺の事は心配いらねぇからさ。どうか安らかに眠ってください。
合掌と伝えたいことを伝え、俺もリビングに向かう。
リビングじゃ一誠と木場が大量のお菓子とジュースが入った袋を広げテーブルにセットし、朱乃はキッチンで何かを作っている。何を作っているかと聞いてみたが、『うふふ。出来てからのお楽しみ』と誤魔化されてしまった・・・まぁできるのを待つか。
そして数分後、テーブルには大量のお菓子にジュースが置かれている。
「それじゃ、今日一日楽しく過ごそう・・・乾杯!」
「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」
グラスを軽く打ち付けパーティが始まった。ジュースを飲みお菓子を食べたり楽しい一時を過ごす。
そんな中、一誠が聞いてきた。
「なぁ棟夜。この写真に写ってるお前の隣にいる女の子、誰だ?」
一誠が持っていたのは一つの写真立てだった。その写真には小さいころの俺とメガネをかけた小さい女の子が写りこんでいた。
「ん? ああ。この子は幼馴染の柴崎だよ」
一応俺のことはみんなには話してはいない。面倒ごとを避けるためだ・・・とはいってもいずれはバレるんだよねぇ。
写真に写っている小さい姿は俺がいろんな術式で姿かたちを変えた仮の姿だ。
・・・それに、柴崎も人にはいえない秘密を持ってるしさ。
「へぇ。中良かったのか?」
「まぁ悪くはない。むしろ良好だったと思う」
「もしかしてトーヤさん。その人が好きだったりしますか?」
「「「!!」」」
唐突のアーシアの質問に、リアスと黒歌、小猫の気が少しざわついた。
「いや・・・好きってよりは妹って感じだな。柴崎のやつ結構ドジっ子で運動音痴。そのせいで男子にイジメられ、からかわれたせいで男性恐怖症になっちゃってさ、最初に会ったときは頬を引っかかれたもんだぜ」
しかも爪が長かったから傷跡が消えるまで数週間かかったのも懐かしい思い出だ。
「んで、近所に住んでた俺が兄貴役を担ってしょっちゅう助けてた・・・まぁ中学の1年次に家の都合で引っ越しちまったけどさ」
でも今思えば可愛かったよな。
「まぁ俺の話はここまででいいだろう。ホラ、楽しもうぜ」
ここで話を打ち切り再びパーティを再開する。
パーティ中ゲームをしたり笑いが絶えなかった。終了前、朱乃がキッチンで作っていたケーキをおいしくいただき、無事に終えた。
???side
夜。4年前まで住んでた町に、私は戻って来た。町並みも景色もどこも変わっていなかった。
「・・・おっし。これで全ての作業が終わったな」
玄関からタオルで汗を拭いてるお父さんがリビングに入ってきた。
「お疲れ様、お父さん。はいお水」
「おう。サンキュ綾・・・にしてもここは変わらねぁな」
「もう、2.3年じゃ町並みは早々変わらないよ」
「分かっちゃいるさね。そしてだな綾、お前に朗報だぞ?」
? お父さんがニヤニヤしながら私に言ってきた。何だろう?
「お前の好きな男、お前の入る駒王学園にいるらしいぞ」
「ふぇ!? えぇぇぇぇぇッ!!」
意外な答えに私は顔が赤くなるのを感じた!!
「良かったな綾」
「あううう//// でも私神咲君のこと好きだなんて!!」
「ん? 俺、神咲なんて言ったっけな?」
!? そこまで言って私は顔を真っ赤にして顔を伏せた! 騙された!!
「ハハハハ! 何恥ずかしがってんだよ? 好きな男がいる位いいじゃねぇか! エッチなら幾つになってもできるが、好きなやつと一緒にいて手つないでドキドキできるのは若者の特権だぜ? 青春を謳歌しなきゃな! んでもアイツ結構モテるからなぁ~。もしかしたら彼女できてたりしてな? なんてな!」
「もう! お父さんのバカ!!」
私は恥ずかしさのあまりお父さんにビンタした!
-バッチィィン!!-
「グフッ!?」
変な声を上げて壁にぶつかってそのまま倒れこむ。
倒れこんだお父さんを放っておいて、火照った顔を冷まそうと、私は自分の部屋に向かう。
窓を開けた私はベランダに出て空を眺める。雲ひとつなく星が綺麗に見える。
「ハァ・・・棟夜君」
名前を呟くと、ドキドキしてきてまた顔が熱くなった。
・・・イジメられっ子で、運動音痴な私を助けてくれた男の子。最初は他の男の子一緒に私をイジメるんじゃないかって思ってた。でも違った。棟夜君だけは私に優しくしてくれた。初めてだった。男の子にやさしくされたのは。
あの時もそうだった・・・。
『返して~! それ綾の~!!』
『やだよー! 返してほしけりゃ自分で取り返しにこいよ!!』
『ノロマ! メガネブス!』
『バーカバーカ!!』
お母さんが作ってくれた大切なお人形と、お父さんが誕生日に買ってくれたハンカチを取られたときは泣きそうだった。
何で私がこうなるんだろう?・・・何でイジメられなきゃいきないの? 何でよぅ・・・。
何もかも嫌になって泣きそうだったときだった。
『イッテェ!』
『いきなり何すn『オラ!』イタァ!?』
『ンギャ!!』
不意に聞こえてきた声。顔を上げると一人の男の子が私の物をとった男の子をやっつけてた。
『男がよってたかって女の子をイジメてんじゃぇね!! ぶっとばすぞ!』
『『『ヒィッ! ゴメンなさぁぁぁい!!』』』
大声を上げると、3人は泣きながら謝って帰っていった。棟夜君は3人が逃げ帰るのを見た後、私に小走りで駆け寄ってきてくれて、笑顔で手を伸ばしてくれた。
『大丈夫? もうイジメてた奴らはいないよ』
初めて私に優しくしてくれた男の子。でも、当時の私は男の子が怖くて声を返すこともできなかった。助けてくれたのに・・・私はお礼も言えないで。
『イヤーーーーーッ!!』
つい爪を出して引っかいちゃった。
『イデーーーーー!?』
痛がってる間に私は人形とハンカチを持って逃げ帰るように家に帰った。帰った後私はすごく怖かった。もし引っかいちゃったせいでイジメられたらどうしようって。
次の日。偶然近所に住んでた棟夜君とバッタリ会っちゃった。
何を言われるのか怖かった私は先に『ごめんなさい!』って謝った。それに対して棟夜君は・・・。
『いいよ! これくらいの傷たいしたことないよ! それより早く学校に行こうぜ!!』
笑顔で気にしてないといって、私の手を握ってくれた。優しく握ってくれる棟夜君の手は暖かかった。
それからだった。棟夜君と一緒にいて、毎日が楽しかった。楽しいと同時に、私はいつの間にか棟夜君を見てると、何でかドキドキするようになってた。
小学校の時は分からなかったけど、中学に上がってからようやく分かった。
「私・・・棟夜君のことが好きなんだ」
ほら。またドキドキして、隠してた耳が出ちゃった。
・・・でも正直不安もある。お父さんが言ったように、もし恋人でもいたらっておもうと・・・。
そこまで考えて、私は頭を左右に振った。不安を吹き飛ばすかのように。
「フゥ。早く会いたいなぁ」
星空を見ながら、私は棟夜君に会えるのが楽しみだった。
棟夜side
「ん?」
不意に名前を呼ばれた気がして、俺は窓のほうを見る・・・気のせいか?
「どうしたのトーヤ?」
「いや何でもない。それより黒歌、マジで寝るのか?」
「今日一緒に寝てやるって言ったのはトーヤにゃ♪」
現在、俺のベッドの上には黒歌が寝そべっている。しかも今朝着てた着物ではなく、見えそうで見えない際どい着物だ。
リアスが来たとき大騒ぎした黒歌を宥めるように言ったのだが、コイツは嬉々として寝そべっている。
「それはそうだが・・・」
あの時はああいうしかなかったんだよ! と言える勇気もなくこの現状だ。
「早く一緒に寝るなトーヤ!!」
誘う様に言ってくる黒歌。こうなった以上、ガンとして動かん。ただでさえ風呂で一悶着あって疲労があるってのに。
「ハァ・・・分かった。寝るか」
「にゃ♪」
明日の朝騒がしいなぁと思いながらベッドに寝転がろうとしたときだった。
-ガチャン!-
「「ちょっと待ってください!!」」
突然部屋の扉が開き、アーシアと小猫いた。水玉模様の寝巻き姿のアーシアに可愛いらしいネコの刺繍された寝巻き姿の小猫・・・ってどちらも不機嫌なのですが。
「黒歌さんだけずるいですぅ! わ、私もトーヤさんと一緒にねますぅぅ!!」
「黒歌姉さま!!・・・・・・抜け駆けは・・・・・・禁止です!!」
言うなり二人はベッドに突撃してきた。
「にゃー! 今日はトーヤが一緒に寝てくれるって言ってくれたの!! 二人は自分の部屋に戻るにゃ!!」
・・・またこれだ。3人は俺を無視して騒ぎ始めた。
ちなみにリアスは『今日は私の部屋で寝るわ。今夜は大変な夜になりそうだから』と言い自室に入ってった。
「だから今日は!!」
「・・・・・・私が先輩と!!」
「私も寝たいですぅ!!」
・・・早く寝させてくれーーーーーーーー!!
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