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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第五章 Over World
  火野 出発



仮面ライダーオーズ・火野映司が「EARTH」にやってきて、みんなと親交を深めてから三週間が経った。


流石にメンバーが多いせいだろう。
一ヶ月近くかかったが、それでもみんなと絆を築けたのは、ひとえに彼の人徳故にだろう。






「じゃあ、行ってきますね!!」

「おう!!」

「アンクさん、戻るといいですね」

「しっかりな」


そうして出発の日。

出迎えには、「EARTH」で撮影をしていた蒔風やなのは、そしてアリスや翼刀だ。

ショウはフロニャルドとの道を開き、向こうとの取り持ちを受け持っているのでこっちにはこれていない。



「何かあったらオレらに連絡しろよ?すぐに駆けつけてやるから」

「はい!!宜しくお願いします!!」


ハキハキと挨拶する映司。
その様子を見て、なのはがアリスにコソコソと聞いた。



「仮面ライダーの人にしては、本当に良いお兄さんですね?」

「?」

「だって仮面ライダーさん、って言ったら天然さんとかおバカさんとか悪がきみたいだったりウェーイだったりオジサンだったり天上天下唯我独尊だったり不幸だったちナヨナヨだったり世界の破壊者だったりハーフぼいるどだったりで癖が強いから」

「あぁ・・・・」

「五代さんもすごくいい人ですし、やっぱり旅をするのがいいのかなぁ?」

「あれは単純に人柄だと思いますけどね」



そんな話をしていると、一台のバイクが敷地内に入ってきた。
その漆黒のバイクの乗り手は、つんつん頭の青年だ。


「あ、クラウドさん。どうしたんっす?なんかありましたか?」

「・・・・・・(スッ)宅配だ」


首をかしげ、質問する翼刀。

その返答の代わりにと、蒔風に向かって、クラウドが無言で小包を取りだした。
あそ、とこちらも軽く返事を返し、蒔風がハンコを取り出してつけようとする。

だが、クラウドが掌を向けて違う違うと首を振る。



「火野映司。あんたにだ」

「え?俺?だれからだろ」



受け取り票にサインをし、火野がその場で包みを開ける。

中には茶封筒が入っており、かなり薄いものだ。
恐らく包みはこれが割れないようにするための物だろう。


出てきたのは、大きな液晶モニター。
小型テレビくらいの大きさのタブレット端末だと思えばいい。


「なにそれ?」

「あ、これは・・・・」


『(ジャンッ!!)おめでとうッッ!!火野映司君ッッ!!』


「うォぅッ!?」

「わぁっ!?」

「び、びっくりしたぁ・・・・」


と、そこにいきなり液晶が起動し、男の顔が映りだしてきた。
かなりの大声と一緒に。



「鴻上さん!!」

「誰さん?」

『はっはっは、驚かせてしまったようだね。お、そっちは「EARTH」の局長君かね?』

「あ、はぁまぁ」


『私の名は鴻上光生。鴻上ファウンデーションの会長だ。君と私の、新たな出会いだ!!すっぱらしぃ!!ハッピーバースディッ!!』


「テンション高いな」

「舜君がいまさら言う?」

「いや、まあそうだけどさ」



一体どうして包みが開かれたタイミングが分かったのだろうか。
何故きょう出発なのかわかったのだろうか。

クラウドによると時間指定だったそうだ。
しかも録画ではなくリアルタイム映像。


「な、謎だ・・・謎すぎる・・・・」


考え込んでしまった蒔風が頭を抱えるが、アリスやなのはは難しいことはスルーしていた。

考えたら負け、ということを、彼女らは蒔風から十分なほど学んでいる。
翼刀はそもそも考えていない。置いてけぼりである。



『火野君。また新たな旅の始まりのようだね?』

「ええ。新しい情報をもらったんで、行ってみることにします」

『素晴らしいッッ!!それこそが新たなる存在の誕生につながるのだよ!!では、その新たな始まりということで、私からささやかなプレゼントだ』

「プレゼントですか?」



そう聞きながら、翼刀が受け取っていた茶封筒からメダルを一枚取り出した。


「鴻上さん、これは?」

『新コアメダルの研究の過程で副産物的に生まれたメダルだよ。失敗だとわかっていても、やはりあのコアメダルは作り出さねばならない』


あのコアメダル、というのは、サメ、クジラ、オオカミウオのコアメダルだ。
実はこの三枚、40年後の未来において鴻上ファウンデーションが開発した「純粋な欲望のエネルギーのみ」のコアメダルだ。

だが紆余曲折あってそのメダルに意思が生まれ、そして結果的に、火野のもとに失われたコアメダルを届けるという運命にある。


「確かに、あったら困りますけどなかったら俺のもとにコアメダルないですしね」

『うむ。そしてコアメダルの研究は、当然オーズの研究となる。その過程でそのメダルが生まれてしまったのだ』


その一枚とは、火野に送られたこの一枚のことだ。

ふちが金色、ということはコアメダルなのだろうが、めんの部分が半透明で何も描かれていない。
いうなれば、「コアメダル・ブランク体」とも言えるものだろうか。


何の欲望もなく、どころかなんの感情も込められていない純粋に「真っ白な」メダルだ。
何に使えるというわけでもなく、全く使用用途に見当がつかないそうだ。

うーん、もらってもなぁ、とつぶやく火野。
とはいえ、何かに使えるかもしれないと、そのメダルを懐にしまう。


「ありがとうございます。貰っときますね」

『ではこの辺にしておこう。今日は里中君が休暇を取っていてね、何かと忙しいんだ。では!!』

フッ



言うだけ言って、嵐のように過ぎ去る鴻上。
残されたタブレットは「好きにしたまえっ」主義だそうで、そのまま翼刀が受け取った。



「でもそのメダルどうするんだ?」

「変身には使えなさそうだしなぁ。ま、一応持ってます」

そういって、火野が適当に歩きだし、途中にあったライドベンダーにセルメダルを入れて出発していった。





「・・・・ふう。行きましたね」

「じゃあオレらも仕事に取り掛かるか」

「俺もそろそろ大会近いし!!」

「・・・・・大会?」


各々やることに向けて戻っていく中、翼刀の言葉になのはが止まる。

彼のノリよう。そして、近日開催される大会となると、彼女には一つしか思い当らなかった。


「え?ああDSAAの開催するインターミドル・チャンピオンシップの予選に参加する予定なんですよ!!」

「えぇ~!?」


翼刀の言葉に、なのはが少なからず驚く。

確かにあの大会の年齢制限は「9~19歳」であることなので、翼刀はまだギリギリ19歳。
しかも話を聞くと唯子まで出るそうなのだ。


「ちょ、その大会ヴィヴィオ達も出るんだよ!?」

「そうらしいっすね!!手加減しませんよ!!」

「死んじゃう!!舜君どうしよう!?私たちのヴィヴィオが殺されちゃう・・・よ・・・・」


なのはが振り返り、蒔風の肩を掴む。
ちゃっかり「私たちの」と言うあたり流石だ。

だが、蒔風は何も言わない。
というか、いつの間にか首にタオルをかけ、腕を組んで翼刀の隣に回って行っている。

そしてガッ!!と翼刀の肩を掴み、宣言した。


「そして俺が!翼刀たちのセコンドだァ!!」

「う、裏切り!?舜君は愛よりも友情を取るの!?」

「だってヴィヴィオにはノーヴェいるじゃん」


「そもそも出て大丈夫なの!?」

「そこは「EARTH」支給のデバイス装備できちんと非殺傷にします」

「ヴァルクヴェインは使いませんよ。安心してください」


翼刀は「EARTH」の中でも数少ない翼人に対抗できる人間だ。
いや、翼人並みに強いのはいるにはいるのだが、翼人はその理解力と万能の翼力で、大体の相手には有利に立ち回れてしまうのだ。


「単純に強い」のではなく、「強いうえに有利な相性で挑める」のが翼人なのだ。



「みんなは?」

「知ってるよ。ヴィヴィオもアインハルトも」

「は、反応は?」

「みんな泣きながら特訓してた」

「鬼!!悪魔ー!!」



実は今こうしている間にも、地下の修練場でヴィヴィオ達は特訓している。
暇を持て余しているアーチャーやゼロノス・桜井侑斗とスパーでもしているのだろう。


とはいえ、なのはも本気で心配しているわけではない。
大会である以上大変な怪我にはならないだろうし(それでもハラハラさせられるが)、これなら蒔風と一緒にヴィヴィオを応援にも行けるという物だ。


映画の撮影も、あとは細かいシーン撮りだ。
その後はタイアップだったり、雑誌インタビューだったりなので時間もちらほらと空く。

というかこれからインタビューだ。



翼刀とアリスは地下に向かい、蒔風となのはがインタビューに向かう。


と、その蒔風に、ショウから連絡が入った。


そこにあるのは簡単な一文のみ。




《当日に被るぞ》




「・・・・そうなる、か」



パタン、と携帯をしまい、空を見上げる蒔風。

少し強い風が吹き、雲を運んできた。


日差しが、少しだけ曇る。





「まったく・・・・本当に厄介なもんが来るぞ」





そして、数日後。

インターミドル・チャンピオンシップ ミッドチルダ中央区予選大会開催日




今日から早速、第一回戦が始まる。





to be continued





小劇場


ヴィヴィオ
「ノーヴェ師匠!!どうすれば翼刀さんに勝てますか!?正直パパをフルボッコしたあの人に勝てる気がしません!!」

アインハルト
「ノーヴェさん。唯子さんと当ったらどうしましょうか?あの不動拳の間合いは、断空拳の天敵になります」

ノーヴェ
「とりあえず師匠言うな・・・私も昔、舜と戦ったことがある。その時はチンク姉たちと一緒で四対一だったが・・・・・そんな私から言っとくことがある」


二人
「ゴクリ・・・」

ノーヴェ
「・・・・・・・あ、ダメだなんも浮かばねぇ。終わったわ」

二人
「(ガクガクブルブルガクガクブルブル)」



翼刀
「何やってんだあそこ?」

唯子
「凄い振動だけど・・・・・」



ノーヴェ
「二人とも・・・生きて帰ってこいよ!!!」

アインハルト
「もっと!!もっと修行を!!生き残ることのできる程の修行を!!(懇願)」

ノーヴェ
「骨は拾ってやる!!」

ヴィヴィオ
「ヴィヴィオ、骨も残らない気がします!!」


終劇

 
 

 
後書き


なんかこの後大会でありそうな!!
そんな終わり方です!!



なのは
「何かあるの?」

蒔風
「ああ、あるな」

ショウ
「全く持って厄介なのが来る」

翼刀
「まあ俺はその時まで楽しみますよ!!」

唯子
「え?え?何があるの!?」



三人は知っているようで。


そしてこれが、「EARTH」がこの事件にかかわる発端です。



新しいメダルは完全に妄想の産物です。

劇場版限定メダルだと思ってください。
ショッカーメダルとか、イマジンメダルみたいな。



蒔風
「次回!!」

ショウ
「開催!!インターミドル・チャンピオンシップ予選!!」


そして、現れるアイツ・・・・・・
誰だろうね!!



ではまた次回

 
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