世界をめぐる、銀白の翼
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第五章 Over World
インターミドル・チャンピオンシップ 開幕
「ではこれより!!DSAA主催インターミドル・チャンピオンシップ、ミッドチルダ中央地区予選大会をォォォおおお!!!」
グワッ!!
「開ッッ催!!いたしまぁァァアアアす!!」
わぁぁあぁぁあああああああああ!!!!
大きな競技場に、司会者の男の声が響き渡る。
競技場の形は円形。
その中に、さらに幾つもの闘技場がある。
マイクを握る男がいるのは、その円形の観客席のから真ん中の方に少しだけ飛び出したボックスの中だ。
ボックスとはいえ、升のようになっているだけで天井も何もないが。
そこからの一望は選手、客席すべてを見渡すことができ、この熱気を一番に感じられる場所だ。
その司会者の言葉に釣られるようにして歓声が沸き、さらにいくつかの花火まで打ち上げられた。
キラキラと光る紙吹雪のなか、紹介されて入場していく選手たち。
とはいえ、紹介するのは前大会で好成績を収めた主な選手なので、ヴィヴィオ達は呼ばれないが。
そして、それを眺めるのは
「来年はヴィヴィオも呼ばれるよね?」
「そうなるといいね!!」
「ミウラどこやミウラ!!おーい!!ミウラ―!!しっかりせぇよー!!」
「ちょ、はやて落ちる!!落ちるって!!」
「こらヴィータ私のレヴァンティンをロープがわりにするな!!というか手が切れるぞ!?」
「はぁ、他人のふり他人のふりっと・・・・・」
なのはやフェイトのヴィヴィオ保護者コンビに、はやてたち八神家メンバーだ。
ザフィーラとシャマルはセコンドとしてミウラについているのでここにはいない。
ミウラ・リナルディ
ザフィーラが主として行っている、近所の子供たち向けの「八神道場」に通っている少女だ。
はやてからは我が子のようにかわいがられていて、当然ヴィヴィオとも友達である。
そんな彼女を見つけようとはやてが乗りだし、そのせいでヴィータが前の座席とはやてに潰され落ちそうになっている。
「落ちる落ちる!!」ははやてのことではない。自分のことだ。
なのは、フェイトが並んで座り、その後ろにはやて、ヴィータ、シグナムの三人が座っている形だった。
だったのだが、はやて(とヴィータ)が前に出てきてしまい、なのはと入れ替わりになってしまっている。
ちなみにフェイトの隣にはショウが座っている。
しかし、関係者と思われたくないのか他人を装って助けようとしない。
「は、はやて落ち着いて!?双眼鏡貸してあげるから!!」
「あはは・・・はやてちゃんは相変わらずだなぁ・・・・」
「ヴィータ!!レヴァンティンを・・・い、いや、離すな!やっぱり離すんじゃないぞ!?このままでは落ちる!!うまく刃のないところを・・・」
「はやてーーー!!あたし落ちるっての!?ショウも見てねーで助けやがれ!!」
「誰ですかあなた」
「こ・い・つ~~~!!!」
そんなこんなで選手入場が終わり、大会の意義をがDSAAの方から述べられた(モニターだが)
そして、マイクが司会者に返される。
『さあ!!主催者からのあいさつも終わりですが、もう少し待ってくださいね。あと一人だけ挨拶がありますので!!めんどくさいけど!!』
「おいあの司会者めんどくさいとか言いおったで」
「テンション高いからしょうがないんじゃないかな?舜君もあんな感じだし」
「舜は翼刀のセコンドだっけか?ヒデェチートじゃねーか」
『では!!最後に「EARTH」局長蒔風舜さんから一言いだたきましょう!!』
『やっほー!!みんなァ!人生楽しんでるかーーーーい!?』
「なにやってんの舜君!?」
「あ、聞いてなかったのか?これもあいつの仕事だよ」
急に登場してきた蒔風に、なのはがえぇー!?と突っ込むが、ショウがサラリと返す。
『多分みんなもうウズウズして待ちきれないだろうから簡潔に言う!というか、このままだと俺のテンションが暴走してこの場を砲撃で蹴散らすかもしれない!!』
「やめて!!」
『ちなみに!!今度上映される映画「魔法少女リリカルなのは~世界をめぐる銀白の翼~」をよろしくゥ!!あ、これこれ!!このポスター!!はいモニターにドーン!!』
「あ、なのはの顔がどアップに」
「やめてーーーーー!!!」
『何年前の話かな?まあ俺となのはの間じゃ10年くらい時間間隔ずれてるけどね!!ちなみに写真のなのはは小学生時代の物だ!!』
「~~~~~~!!!!」
「な、なのは!!レイジングハート振り回さないで!!ビットヒュンヒュンしないで!!」
『おっと話が逸れ・・・っておいそこのお前ェ!!勝手に写メんな!!シャッター音出ない仕様だからバレないとでも思ったのかゴラァ!!』
「か、勝手すぎる・・・・」
『警備員!!あいつとッ捕まえろ!!ぜってー逃がすなよ。後ろの席の女性のスカート盗撮してやがったからな!!』
「と思ったらホントに犯罪だった!?」
『ふう・・・・何しゃべったか忘れたが、これだけは言っとく・・・・・全員悔い残さないよう全力で暴れまくりやがれぇえええ!!!!』
ウォぁアアアアアアアああああああああああ!!!!
蒔風の言葉にさらにドッ!!と歓声と雄叫びが盛り上がった。
そしてマイク台から飛び降り、出場者の中の翼刀と唯子の隣に立つ。
ちなみに翼刀は恥ずかしいのか、顔を両手で覆って隠している。
唯子は全力で周りに手を振ってるが。
「翼刀君って実はあがり症?」
「というかあの状況で舜が隣に来たら誰だってああなるだろーな」
「それがさっきお前らの横にいた俺の気持ちだよ」
「「「ごめんなさい」」」
『では各選手は振り分けられたブロックごとに分かれて、スタッフの指示に従ってください。以上!!開会式進行役のトウキ・タケヒトでした!!』
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「な、なんてことすんの舜君ーーー!!」
「わり、あたっ!?悪かったって!!でも盛り上がったんだし」
「それとこれとは別でしょー!?」
ヴィヴィオや翼刀のもとにやってきたなのはたち。
控室ではポカポカと蒔風を叩くなのはがいた。
一方、他のメンバーや選手は和気あいあいと話を弾ませている。
「じゃあまず一回戦やって、そこを勝ち残れば?」
「うん!わたしはミウラさんと三回戦で」
「私と・・・・えっと、コロナちゃんだっけ?が二回戦だよね!!」
どうやらトーナメントが発表されたようで、二回戦でいきなり身内メンバーがぶつかることになってしまったようだ。
コロナも「EARTH」の地下闘技場にお邪魔させてもらったことがあり、唯子のことは(一応ながらも)知っている
皆口々に「がんばって!!」「くじけるなよ!!」と激励をと罰して彼女を鼓舞していた。
「大丈夫です!!確かに私じゃ勝てないかもしれません。けど、それでも次の試合に支障が出るくらいにはボコボコにしちゃいます!!!翼刀さん、おねがいしますね!!」
「お、手は抜かないよぉ。ドーンといくからね!!全力でかかってきなさい!!」
ガッ!と自らの腕に手を当て、唯子がコロナとが仲良く笑い合っている。
しかし、その後ろで
「アインハルトさん、どうしたんです?」
「あ・・・あの・・・・・」
トーナメント表を手に、アインハルトが振るえていた。
その紙を受け取って、彼女の名を探すヴィヴィオ。
後ろからノーヴェとはやても覗き込み、その名を見つけて、対戦相手を見ると・・・・・
「鉄翼刀」と書いてあった。
「「「ブワッ」」」
「オワタ・・・・OTL」
「なーに諦めてんだ。まだ早いぞ、アインハルトよ」
苦笑いしてしまっているアインハルトだが、彼女を励ますように蒔風の手がポン、と頭に乗ってきた。
「翼刀は今大会でヴァルクヴェインの申請をしてないからな。純粋に肉体勝負だ。確かに負けてしまうかもしれないが、多くのことを学ぶことができるだろう」
「蒔風さん・・・・・」
「コロナを見てみろよ。今は負けるかもしれないことより、戦えることを喜ぶ方が先じゃないかい?」
ニカッと笑い、蒔風が励ますように背中を押した。
その勢いに二散歩押され、アインハルトもグッ、と拳を握って翼刀に向かう。
「翼刀さん」
「ん?」
「至らないかもしれませんが、よろしくお願いいたします!!」
「お、おう」
「あ、あと」
「あと?」
「倒してしまうつもりなので、覚悟してくださいね」
「・・・・・へぇ。いいじゃん。のった!!」
心構えも各自十分。
ヴィヴィオ達は一回戦を無事勝ち抜いた。
さあ、今度は自分の番だ。
『では次の勝負は!!チームナカジマ所属、覇王流カイザーアーツ、アインハルト・ストラトス選手!!そして、「EARTH」所属、鉄流動静動武術、鉄翼刀選手です!!』
to be continued
後書き
一回戦でいきなりぶつかるアインハルトと翼刀。
クジ運が悪いというかなんというか・・・・・
蒔風
「バカ言うな。アインハルトだって勝つ見込みはある」
ショウ
「確かに翼刀は強い。だがアインハルトはここぞというところでの爆発力があるからな。流れに乗ればあるいは・・・・」
翼刀
「まあ、負けそうになったら・・・・・ステージごと吹き飛ばすッッ!!」
二人
((スッパァンッッ!!))
翼刀
「あっだぁ!?」
オープニング暴走蒔風は書いてて楽しかった。
お前なのは大好きだろ。
そして司会もノリノリだ。
一体何者なんだ・・・トウキ・タケヒト・・・・・
あ、別に伏線じゃないですよ?完全に彼は物語に絡みませんし。
アインハルト
「次回、翼刀さんとの試合。全力で行かせていただきます!!」
ではまた次回
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