| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五章 Over World
  事情と宴と始まりの情報



会見放送はその日の内に行われた。

レオンミシェリの謝罪から始まったそれは、大まかに言えば以下のようなことらしい。



彼女には星読みの力、即ち近い未来を見ることができる力がある。
その結果、ミルヒオーレが死ぬ未来を見、それを変えようとしていたらしいのだ。

こうして乗り越えた以上、その危機はなくなったとみていい。


しかし、私情で戦を行ってしまったことは確か。

そのことを彼女は謝罪。
今後、皆が思いっきり楽しめる戦を用意することを約束し、この会見はひとまずの終わりを見せた。




------------------------------------------------------------



「レオ閣下、大丈夫かなぁ?」

「私を護ろうとしてくださったんですね・・・・やっぱり、レオ様はレオ様でした」



会見の後、レオンミシェリはガレットに帰った。
諸々の後始末に、さらには頭首ガウルに譲るべく身辺整理も行わなければならないらしく、何かと忙しい様だ。

仕事が片付き次第、こちらにも顔を出すとのことなので、そう長い別れではないはずだ。



というかそれよりも



「こっちの方が賑やかすぎて凄いよね・・・・」

「みなさん元気ですねぇ」

ガチャリ


言いながら、宴会場の扉を開ける、シンクとミルヒオーレ。


宴会場と言ってもテーブルとイスが並んだものではなく、皆床に腰をおろし、食事はちゃぶ台のようなテーブルの上に置かれていた。


その様子は、静かだった廊下と宴会場が同じ場内であることを忘れさせるほどの物だ。


ガウルの持つ宝剣に興味津々の海東。
オーズのベルトをいじり、映司に次々と亜種形態に変身してもらってるリコッタ・マリエール。

周囲にある物を組み上げ、ドラムにしてストンプを披露する五代に、それを見て大興奮するジェノワーズとユキカゼ。


その様子を静かに眺めるエクレールにティアナとルネッサ。

なかなかににぎやかでいい空気である。



ちなみにリコッタ・マリエールはビスコッティ共和国王立学術研究院主席にして、砲術士として活躍するシンクたちの友人。
ユキカゼ・パネトーネはビスコッティ隠密部隊の筆頭。
ジェノワーズとはガウル親衛隊の三人の総称である。




「お!!きたきた!!」

「見てたよ~、会見。大変だったみたいだね?」


入ってきたシンクたちを見て、口々に歓迎する一同。
中にはミルヒオーレの抱える狐の容姿をした、土地神の子供を見て撫ではじめる者も。



「で?その子が?」

「はい。妖刀に取り憑かれていた子です」

「皆さんのおかげで、助け出すことが出来ました!!」

「「ありがとうございます!!」」

「きゅい」


シンクとミルヒオーレ、さらには妖狐も一緒に頭を下げ、一同に礼をする。
それにつれられ、他のフロニャルドの面々が頭を下げた。


「あなたたちがいなかったら、今ごろビスコッティは、世界がどうなっていたかわからないからな」

「拙者も、妖刀の始末を手伝ってもらったが故、五代さんには感謝してるでござるよ~」

「俺からも礼を言うぜ。ホントあんたたちがいなかったら大変なことになってたからな」



三人からも頭を下げられ、オロオロし始めてしまう映司に五代。

約一名は「もっと感謝したまえ」オーラを出しているが、ティアナがそれを華麗にスルーしてそんなことないと謙遜した。


「私たちは何もしてないですよ。殆ど映司さんに出番取られちゃって」

「ですね。オーズの力は仮面ライダーの名に恥じないものでした」


「いやぁ、そんなことないですって!!それにしても五代さん、妖刀の始末って?」

「ああ、魔獣が消えた後に妖刀だけ飛んで行ったからね。気になって追いかけたらさ、そいつまだ生きてたんだよ!!」

「げ」


そう

あの妖刀、実はシンクとミルヒオーレによって魔獣から引き剥がされ飛んでいき、地面に突き刺さってもまだ健在だったのだ。
それどころか意思を持っているかのようにうねうねと蠢きだし、新たな持ち手を探し始めるのだからしぶといことこの上ない。


それを追って駆けたクウガは、そこでユキカゼとその上司、ビスコッティ騎士団自由騎士及び隠密部隊頭首ブリオッシュ・ダルキアンと出会い、共闘したというわけだ。


「いやぁ、最初こそ魔物の類かと思ったんでござるが、お館様が察せられまして」

「うん、あの人凄かった。俺を見て「一緒にやりますかな?」って言ってくんだもん」

「ダルキアン卿・・・さすがです」

「あれ?でもその当の本人は?」

「疲れて寝てしまってるでござる。それにしても色がたくさん変わって驚いたでござるよ!!」



ユキカゼの話が始まり、またその場が賑わっていく。


だが、ここでシンクが足りない一人に気が付いた。




「あれ?副局長さんは?」

「? 誰ですか?」

「あぁ、姫様はまだ会ってないよね。僕とエクレを助けてくれた人なんだけど・・・・・」



そう、この部屋にショウはいない。
一体どこで何をしているのかとシンクが聞くと、海東が笑いをこらし始め、映司が申し訳ないように頭を掻いた。


「いや、そのぉ」

「ぷっくく・・・・ショウはね、魔獣の上で戦ってたから・・・・・」



―――・・・・~~~~タドタドタドタドタッッ!!!

バンッッ!!


「やっと生き返ったわ!!オイコラ火野ォ!!何サラしてくれとんねんグラァ!!」


と、そこに、噂をすれば何とやら。
ショウが部屋の扉を勢いよく開いて飛び込んできた。


風呂上りなのか、髪はまだ湿っていて、服も今は知りながら着替えたかのように乱れている。

というか羽織ってるワイシャツの中のTシャツは前後逆だ。
ちなみにワイシャツも裏表逆である。



「なにがあったんですか!?」

「知らないねぇ」

「知らないです」

「知りません」

「いつの間にか見失ってた」

「えっと・・・ごめんなさい」


「お前らシレッと知らんとか言うな!!謝ってくれるのは火野だけか!!」


「「「だって悪いのその人じゃん」」」


「ショウさん!!ここには敵しかいないんですか!?」

「あー、そんなもんだがお前も現状俺の敵だからな?」

「え」

「え?」



一気に荒ぶる一同。
テンションの高さにフロニャルドメンバーは置いてけぼりだ。

このままでは皆、何が何だかわからないので・・・・・





説明しよう!!!

オーズシャウタコンボが水を吹っ掛け、プトティラが凍らせた、あの瞬間!!!




クウガ、ショウ共々水を浴び、そろそろかというところで。

「行くぞ!!超変身!!!」

タイタン⇒ライジングマイティ
変身で水分が弾け飛ぶ。


「お!!ライジング!!じゃあ一気に・・・え?」

ブシュウ!!←白い冷気

クウガ、ショウを見失う。
とりあえず脱出。


「やば!?このままじゃ凍結」

ピキィ!!


ショウは凍る。


ショウは凍る。



大事なことなので二回言いました。



地上に着地したクウガ。
その後、飛んでった妖刀を追う。


氷の瓦礫の中に、ショウ、置いて行かれる。


BGM:Brave Song


チーン
合掌


そんなわけである。



蒔風ショウの全身が凍結するタイムは、僅か0.05秒に過ぎない。
ではその凍結シーンをもう一度見てみよう!!



「凍・結!!うッ!?」

ブシュウ!!

ビキィ!!

「・・・・・・・」


というわけで以上、説明終わり。





「ブッ!!あっはっはっはっはっは!!!」

「笑うなそこォ!!マジお前ら俺に対して容赦なさすぎないか!?」

「というか・・・プフッ!!だ、誰が運んできたんですか?」

「俺も凍ってて知らん」

「あ、俺です。偶然見つけたんですよ。俺のせいですし」


「・・・・・火野映司」

「はい?」

「すまん、ありがとう。やっぱお前味方だわ」

「ショウさん!!」

「映司ッッ!!」

ガシィッッ!!


ショウと映司に、男の友情が結ばれた!!
テーレッテテー!!




「で?これからどうするんだ?」

「これからですか?」

「そう。元はと言えば、俺たちシンクを追ってここに来たんだし」

「あ、そうですよね・・・・」



宴会も終わりに近づき、壁に寄り掛かって立ち話を始めるショウとシンク。

つまり、元の世界への帰還の話だ。


「本来だと儀式・勇者召喚で招かれたものは16日以内なら帰還することができる。その際、この世界での記憶を失ってしまうことになる」

「えぇ!?」

「まあ回避方法はあるから問題ないけど・・・」



そう、この地に伝わる勇者召喚は、本来ならそう言うものだ。
最も、ショウの言うとおり回避方法がないわけではない。


三名以上の者に勇者から贈り物(元の世界での勇者の持ち物がふさわしい)を送る。
その三名とは別に、召喚主(この場合はミルヒオーレ)に、贈り物と再来の約束状を渡す。


この事柄で、元の世界に戻っても勇者は記憶を取り戻すことができる。
再召喚まで数か月置かねばならないが、またフロニャルドに来ることもできるのだ。


しかし


「ま、オレらがいるからそんな心配はいらないし、そもそも自由に行き来だってできるだろ。世界はつながったんだし」

「「「ホントですか!?」」」


その言葉に、シンクだけでなくミルヒオーレにリコッタまでもが飛びついて歓喜した。
その重さにショウはバランスを崩し、床に倒れ込んでしまった。


「ドゥフォ!?」という声と肺の中の空気を吐き出して倒れるショウ。

何やってんだかと呆れながら、食器洗ってくださいと催促するティアナは鬼だと思う。


「あ、でもレオ閣下が考えてる戦には参加したいなぁ」

「ん?お詫びに、ってやつか?」

「はい」

「ふーむ」


それを聞き、顎に手を当て考え込むショウ。

そうしてから数秒して、そうだ、と顔を上げて提案してきた。


「じゃあでっかくやるか?」

「え?」



------------------------------------------------------------




『コラショウお前!!勝手なこと決めてんじゃねぇ!!』

「大丈夫だろ。「EARTH」暇だし」

『そういう問題じゃない!!』



宴会から夜が明けた翌日。



ショウは蒔風に向かって通信を繋げ、事の次第を説明した。
すなわち


『「EARTH」対ビスコッティ・ガレット連合の戦!?何考えてんだお前!!』

「だってそっちの方が手っ取り早いだろ。楽しそうだし」


そう、折角大きな戦にするなら、この際「EARTH」も協力して騒ごうぜ!!ということらしい。


それに今回最大世界とこのフロニャルドもつながるのだ。
それを記念した何がしかがあってもいいだろう、というのがショウの考え。


『楽しそうってお前・・・・』


だが蒔風は渋々とした顔だ。
ちなみにモニターに映る蒔風の顔は幼くなっている。

外見は小学三年生くらい。

おそらくは時空管理局の映画撮影の合間なのだろう。
シャマルの協力で、変身魔法をかけてもらっているのだ。



「あーもー、うるさい。本心は?」

『いいぞもっとやれ』

「だろーな」

『ま、そうはいってもこっちは今映画撮影で忙しいぞ?いろいろと用意もあるだろうし』



確かに、現状では「EARTH」のメンバーも揃えにくい。


季節の変わり目ということもあり、クラウドは宅配業に忙しいし、理樹や一刀、観鈴は学校の試験もある。
蒔風は映画で忙しいとなると、メンバーが揃えられるのはまだまだ先の話になる。


「そんなこともあろうかと!!こっちもほうの話は付けてあるさ」


グッ、と拳を握るショウ。

実は彼、すでにレオンミシェリやミルヒオーレには話を通してあるのだ。
だが異世界からの、しかも勇者シンクと同じ世界の、さらにはあの魔獣を食い止めた人たちとなれば、それ相応の歓迎をしたいとのことだ。


その為、諸々の準備期間が必要とあり、戦は三か月後に開催する予定らしい。


『ん、それくらいなら映画も終わるな。こっちは二ヶ月の予定だし』

「だろ?ちゃーんと考えてるって」

『ホントかよ・・・』


若干呆れがちな蒔風だが、話の内容は大体わかった。
そうなるとここ数か月のスケジュールはミッチミチだ。


「じゃ、オレらはそろそろ帰るわ」

『あいよ。気を付けてな』

プツン




そこで、通信を切ってみんなの所に戻るショウ。


振り返ると、最大世界に帰還するメンバーがそろっていた。
最初のメンバーに五代と映司、シンクを含めた7人だ。


三か月後であるならば、シンクも一度帰ることにしたらしい。
手紙や電話は出来るようにするらしいので、まだ話ができるね、と手を取り合ってはしゃぎ、再開の約束をして呆気なく彼らは元の世界に帰っていく。




------------------------------------------------------------




「ん~~~~!!疲れたなァ!!」

「お疲れ様です」


シンクのことも考え、こっちの世界の座標は最初に転送された学校の校庭にしている。

そこでショウが腕を上げて身体を伸ばし、ティアナが労をねぎらった。


そこからシンクは自宅まで送ってもらって帰宅。
また後日「EARTH」に遊びに来るらしい。


そして、五代は久しぶりに蒔風に会いに行くらしい。
火野もついてくるそうだ。


というか連絡したらいつの間にか一条たちもこっちにいた。

「ここ最近世界の結合が簡単になってません?」

「あー、俺が赤銅消した時、周りの世界ごと切り取って食ったからな。そのユガミでいろんな因果が引っ張られてんだろ」


とはショウの言葉。
まあクウガの世界は一回彼らが廻った世界なので、もともと結合はしやすかったらしいが。


「映司ん所はWと繋がってたしな」

「あ、左さんたちですか?」

「そそ。風都とかもこっちにあるし、なるべくしてなった、ってことかな?」

「そっかぁ・・・じゃあ、こいつの戻し方もわかるかな?」


移動中の車の中、チャリ、とそう言いながら映司が取り出したのは、二枚に割れたタカメダル。
それこそ、彼の相棒、鳥類系グリード・アンクの意志が宿ったメダルだ。


今でこそ割れているが、彼は必ずいつか元に戻ると信じている。



「・・・・・映司、心当たりがあるんだが、聞いてみるか?」

「え?」


ハンドルを切りながら、ショウが火野に語る。
そのメダルを元に戻せるかもしれない、と。



「ホントですか!?」

「実際戻るかどうかはわからない。そもそもメダルとなにも関係ないし、ほんの少しキーワードが似ているだけだからもしかしたらひょっとしてきっとそうだといいなぁ・・・・くらいのものだが」

「それってほとんど内容なものじゃないかい?」

「そこ、突っ込みしない。さて、火野映司。行ってみるかい?その土地に」

「行きます!!」

「いい返事だ」


後部座席で意気込む映司。
まあ、実際行くのはあいさつが終わって、いろんな人と仲良くなってからだが。


「ああ大丈夫。まだ時間はあるから」

「? それで、どこです?」


ショウの言葉に疑問を感じながらも、その土地の名を聞く映司。

口が開かれ、そこから出てきた土地の名は―――――






「見滝原市。そこで、新たなる欲望がお前を待っている」






行き先は決まった。



だが、その物語のスタートはまだ少し先である。





to be continued

 
 

 
後書き

戦のその後
そして、火野映司の旅の行先決定です。


しかし、次回からオーズ編・・・・ではありません。



翼刀
「次回は!!」

唯子
「私たち!!」


蒔風
「そして俺の出番!!」

アリス
「しかし舜よ、あなたはダメです」

蒔風
「オンドゥルゥラギッダンディスカー!!!」


大体あってる。




次回はVivid主流で。
そろそろ予選大会も始まり、ヴィヴィオの戦いはこれからだ!!ってな感じ


え?打ち切りっぽい?
気のせいだ。

え?時系列がおかしい?
後からこじつけて直す。


アリス
「物書きとしてそれはどうなんですか?」

ダメだろうな、うん。
このめぐ銀はとてもすごいバランスの上に成り立ってるんだ。



唯子
「次回!!ヴィヴィオちゃんたちの奮闘!!」

翼刀
「あの大会、20歳未満なら出れるんだぜ?」

唯子
「つまり」


二人
「うっふっふ~~~~★」


蒔風
「自重しろ」


ではまた次回


 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧