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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第五章 Over World
  合流!!異世界の戦士たち



シンクが持つ、ビスコッティに伝わる二刀一対の宝剣の内の一本パラディオンは所有者の意志にこたえて形状を変化させる万能武器だ。

今はそれをサーフボード型のトルネイダーへと変え、エクレールと共に魔獣の後を追っていた。



「追いつけるか!?」

「追い付いて見せるッ!!!」


トルネイダーは飛行する乗り物ではない。
ムササビのように滑空して空を行くものだ。
一回の飛距離は長いが、中継するようにどこかでジャンプし直す必要がある。

今は魔獣の力か、足場が宙に点々と浮いているので当面心配はないが、恐らく足場がなくなり、届かないこともあるかもしれない。

だから精一杯スピードをだし、魔獣の背に追いつこうとしているのだが


「遠い!!」

「お、おい、もうかなりのスピードだぞ!!大丈夫なのか!?」


すでに魔獣は数百メートル先を街に向かって進んでいる。
動き自体はゆっくりだが、一歩の歩幅がデカいのでスピードは速い。

それに追いつくには、並大抵のスピードではだめだ。


その為、シンクは滑空以上に自らの輝力を推進力に回してしている。
トルネイダーから吹き出すブースターのような炎はそれによるものだ。


だが、輝力はフロニャ力を体内で練り上げて生成する力だ。
万全ならともかく、フロニャ力の落ちた今では魔獣に追いつくので精いっぱいである。


「それでもこれだけのスピードが出るのか・・・・怖くないか?」

エクレールがシンクに聞く。

怖くないか?というのは、何もこのスピードにではない。
フロニャ力が落ちているという事は、何の拍子で怪我をし、死んでしまうかわからない、ということだ。

シンク・イズミは運動神経や棒術に長けることはあっても、やはりまだ中学一年生だ。
命をかけるような戦いなどしたことがないし、此処での戦いもそうである。


地球人である彼は、この世界の人間とは違いダメージを負ってもネコダマやイヌダマにはならないが、フロニャ力の恩恵は受けることができていた。



だが、ここから先の戦場は違う。

この場はまだフロニャ力があるが、魔獣の背の上ともなるとそうもいくまい。



殴られれば口を斬る。
刃が当たれば肉が裂ける。

魔獣の幾本にも分かれた尾が当たれば、一瞬にして肉体はバラバラにされ、この大地に落下するのだろう。

そうでなくとも、魔獣の周囲にはキツネ型の人魂、とでもいうようなものが浮遊しており、それによる攻撃だってバカにできない。



そんな死の要因だらけの場所に、いまから突撃するのは怖くないのか、と。



「怖いさ」



その返答に、シンクは一切のウソ偽りを言わなかった。
見栄を張ってもしょうがない。


怖いものは怖い。
今だって、不安でいっぱいだ。


でも―――――



「でも、みんなの期待に応えられない方が、誰かの悲しいかをも見ることの方が、何千倍も何万倍も、何億倍も辛い!!だから!!」



シンクの瞳が、トルネイダー滑空のための足場を探し、その場所を線で結んでいく。


「だから絶対に、姫様も助けて見せる!!」



バウッッ!!!



最後の足場を飛ぶ。
そこからさきには岩場などない。

だというのに


「ギリギリ・・・届かない!!!」



今の勢いと、角度からして魔獣には届かない。
それがわかってしまった。


「ッ!!こうなったら・・・・!!」



それを悟るやいなや、エクレールがトルネイダーから飛び降りようとする。
そこから輝力を用いた紋章砲(砲撃魔法のようなもの)を打ち出し、トルネイダーを打ち上げようというのだ。


だが




「よく言った、主人公!!!一昔前なら世界ごと喰らいたくなるところだ!!!」

ドギャォウ!!!


真っ黒な波動砲がトルネイダーの底辺を押し上げ、その勢いでそのまま彼らを魔獣の背にまで送り届けた。

いきなりの衝撃に落ちそうになる二人だが、それでも何とか着地してトルネイダーを長棒へと変える。



一体今の砲撃はなんだったというのか。
それを確認しようと後ろを振り向くと、そこに一人の男がスタッ、と着地してきた。


「よ」

「だ、誰だ!!!」


いきなり現れた男に、エクレールが二刀の短刀を構える。

まあそうだろう。この魔獣の背にスタッとさも簡単そうにやってきたこの男が、魔獣と関係ないとも言い切れないのだから。


「まずは自己紹介だ。俺は「EARTH」副局長、蒔風ショウだ。君はわからんだろうが、そっちのシンク・イズミはわかるよな?」

「なに?」

「え!?あ、あの「EARTH」ですか!?って言うか僕の名前!?」

「知ってるって。オレらはお前が送られた召喚儀式を追ってきたんだから」


驚愕するシンクについて行けないエクレールだが、シンクからの簡単な説明に、一応の納得をすることとなる。






「なるほど。つまりあなたは勇者の世界を護る戦士だということでいいのか?」

「そうなんだよエクレ!!少し前にも前世界を震撼させた赤銅事件っているのがあってね!!それで「EARTH」の人たちが必死になって戦って――――しかもこの人はその副局長だよ!?世界のヒーローだよ!?僕なんかよりもスッごくすごくて」

「あー、じゃあ今度遊びに来るか?闘いの記録とかも余すことなくあるぞ」

「ホントですか!?うわー、やったやったよエクレ!!」

「わ、わかったわかったから勇者!!そんなにゆぅすぅるぅなぁ~~~!!!」



ガクガクとエクレールの肩を掴んで揺するシンク。
その勢いにエクレールもショウも押されてしまうが、一旦落ち着けてから話を戻す。



「魔獣は今、ビスコッティの街に向かっている。このままでは街に被害が出るし、フロニャ力が効かないとあってはその被害も甚大なものになる」

「だから止めに来たんです」

「後、私たちの姫様があそこに捕えられているのも助け出さなくては」


「ではやることは決まった。まず、姫様を助け出す。そしてこの魔獣を止める、だな」

「でも止めるって・・・・」


「言ったろ?」



《サイ!ゴリラ!!ゾウ!!!》



「オレ「ら」って、さ」



《サゴーゾッ・・・・サッゴーゾッッ!!!》




「うォォォオオオオオオオオおおお!!!!」


ドゴンドゴンドゴンドゴンドゴン!!!!

ギシィ、ズンッッ!!!!



「な、なんだ今の歌は!?」

「ま、こういっておこうかね。歌は気にするな!!と」




今のショウたちからは見えない位置。



魔獣の眼前には、仮面ライダーオーズサゴーゾコンボが仁王立ちしていた。

その腕でゴリラのようにドラミングし、そこから発せられる重力波で魔獣の前足を地面に押し潰し、その進行をとどめているのだ。


オーズは鳥類系や猫系などの動物のメダルを、それぞれ三種類ずつ持っている。
それらを組み合わせ戦うのが彼のスタイルであり、同系統の三枚をそろえれば強力なコンボとなる。


このサゴーゾコンボは重量系の生物の力が込められたコアメダルでのコンボだ。

その力は、重力。
圧倒的な星の力で、目の前の敵を押しつぶす!!



「今です!!」



《FINAL ATTACK RIDE―――DI DI DI DIEND!!》

「ファントムブレイザー、シュート!!!」


ドドンッッ!!



オーズの言葉と共に、飛び上がったアギトトルネイダーからティアナとディエンドの砲撃が伸びていく。
シアンとオレンジの砲撃は魔獣の両肩に命中し、その体躯をわずかなりとも後退させていく。



「す、すごい!!」

「俺たちも行くぞ!!」


ショウが魔導八天のうち二本を手に取り、シンクとエクレールに声を掛けて疾駆していった。

迫りくるのは、宙を浮く紫の煙のようなものが刃となった物だ。
だがそれを何でもないように次々と斬り消していきショウが二人を送り出す。


「一気に斬り飛ばす!!駆け抜けろッ!!!」

「「了解っ!!」」


「魔導八天・八撃一掃!!!」


ドゴンッ!!


ショウが魔導八天の一本を手に取って振りおろし、目の前の敵を吹き飛ばす。
次に二刀で斬りつけ、さら次には三本を振り回す。

そこから八まで、数を引き上げながら演武のように斬撃を飛ばすショウ。
最終的には計36もの斬撃の飛来に、ついにミルヒオーレの閉じこめられている球体までの道が開けた。


「行くぞッ!!」


その瞬間、ショウと共にシンクが駆け出し、そのもとへと向かって足の筋肉を唸らせた。





ズゴォっ!!


「な!?」


魔獣の背からはさらに紫の障害が吹き出し、彼等の行く先を阻みにかかった。


「まずい!!」

「くっ、止ま」


「止まんな!!!」

ドンッ


その光景に足踏みしようとするふたりだが 、ショウがその背を蹴り込んで一気に押し出していった。


「うわぁっ!?」

「な、なにを――――」


「八撃一掃はまだ終わってないんだよ!!」



蹴り飛ばされて紫煙の化け物に突っ込んでいくシンクとエクレール。
蹴り飛ばしたショウは、一つに組み上げた魔導八天を振り上げて、それを力の限り振り降ろした。



「ここまでが八撃。これで――――」

ゴォッ

「最後の!!!」


ビキッッ!!!



「一掃!!!」



ドンッッッ!!!




シンクとエクレールを囲うように、螺旋状にすっ飛ばされた斬撃は、大砲のように突き進んでいってその先の紫煙を一欠片たりとも残さずに吹き飛ばした。


「なぁ!?」

「行って来い、主人公。お前ならば、こいつのことすら救い出せるだろう」



そういって、トントンと爪先で魔獣の背を叩くショウ。
そして、一歩そこから飛びのいて後退した。


するとさっきまでショウが立っていた場所に、一本の刃が突き出してきた。

その刃は鞭のようにしなり、触手のように蠢いた刃だ。
幾多もの血を吸ったような、どす黒い真紅をしたその刃は、ショウが着地したその周辺に幾つも突き出してきて、明らかに敵意をむき出しにしている。


「妖刀の類か。こいつに突き刺さって暴れさせているのは貴様だな?」


語りかけるショウだが、刃であるそれが言葉を返すことはない。
だが言葉はなくとも、その意思は感じられた。


「おっトォ!!」


ショウに向かって刃が伸び、それをバックステップで回避する。
まるでアトラクションで遊んでいるかのように、踊るようにそれを回避していくショウ。


「この背中に付着している植物や岩石からして、恐らく数百年も前からこいつを縛り付けていたのだろうが・・・・運が尽きたようだな」


ガキィ!!


「その伝説とも言えよう長き時間に、いま終止符を打ってやろう」

「たァリャァ!!!」


ドォンッッ!!

そういってにやりと笑ったショウのもとに、仮面ライダークウガ マイティフォームが飛び降りてきて、襲いくる刃を一気に蹴り砕く。
背中合わせになって、二人が構えた。


「背中、任せたぞ!!」

「任せてください!!俺、クウガですから!!!」



そうして、二人の防衛戦が始まった。

そう、妖刀を終わらせるのは、この二人ではない。




「俺たちは妖刀の気を引きつける。シンクたちの負担も減るだろ」

『わかりました』

『だったら俺たちは』



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「だったら俺たちは、この魔獣を押しとどめます!!」



オーズが三枚のメダルを取りだす。



取り出したのは、緑の三枚。
巨大な敵なら、経験がある。

こういう手合いには、これが一番だ。





to be continued
 
 

 
後書き


というわけで!!
もうわかる人は映司が何やる気なのかは一目瞭然だという。


Count the Medals!!
現在、オーズの持っているメダルは!?

鳥類系、昆虫系、猫科系、重量系、水棲系、恐竜系、爬虫類系
を、一枚ずつ。


恐竜メダルはMEGAMAXの後に拾ったってことで・・・・


蒔風
「使ってなかっただけ、って解釈してなかったか?」


でもMEGAMAXのオーズ編の後の所有メダル見ると、恐竜メダルないのよ。
しかし、スーパーヒーロー大戦では持ってた。


だったら

オーズ最終決戦のブラックホールで、恐竜メダルは七枚砕け、真木と共に三枚は吸われて消えた。
MEGAMAXではまだ手元になかったが、世界に散ってしまった三枚は再び映司を求めて、巡り合った。

映司
「これは・・・恐竜メダル!!あの時のがこんなところに!!」

世界中を巡って、コアメダルやセルメダルのデータを集めていた映司は、各地でそれを見つけ、所有した。


ということでどうでしょうか、皆さん?



蒔風
「一応つじつまは合うな。無理やり感ハンパないこじつけだけど」

巡り合った、という考えは、彼方からの翼様よりいただいた考えです。
ありがとうございます。



爬虫類系?
持ってる方がロマンじゃないか。


でもここで問題が。

ショウ
「タトバが出せないな」


そうなのよ!!
一枚ずつだとタトバが他のと同時登場できない。

でもそこはそこ。
タトバじゃなくても、凄いのあるじゃない!!

まああれもタトバだし!!
というわけで、上記とは別にもう三枚、持ってます。



ショウ、クウガは魔獣の背で妖刀の気を引いています。

アリス
「シンクさんたちはその妖刀を相手にしに行くものですからね。負担を減らしてあげるという考えですか」


で、魔獣そのものはオーズ達が止めます。
ヘタするとティアナたちが空気になりそうだ。



ショウ
「次回、WONDERFUL!!魔獣を止めろ!24のコアメダル!!」

ではまた次回 
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