生徒会”執行部”と”捜査部” ~舞い散る桜STKとの出会い~
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14.遠い昔の思い出
前書き
***←回想シーン突入区切り
***←回想シーン時代/時間区切り
「もぐもぐ…おいしぃ…「だろ? ほらもっと食え、あーん」
食べ終わるとすぐに次のが口の中に放り込まれる。
「……」
「もぐもぐ……?」
古賀先輩が無言で春を見つめる。普段から顔が怖い、怒っているような/相手を睨みつけているような、顔のため何を考えて/思って見つめてくるのか全然全くわからない。
「…先輩」
「…んぁ? ああ。おかわりか?」
ううんと春は首を横に振る。
「どうして私に優しくするんれすか。……なんで私」
「覚えてないのか」
「……?」
キョトンと首を傾げる春に古賀先輩は昼間何があったのかを教えてくれた。
校舎裏で突然倒れた春は古賀先輩に抱きかかえられて、保健室向かい保険医の鳴上先生に診てもらったところ貧血で倒れただけだったらしい、なので「自室で安静にして栄養のあるものを食べさせてあげなさい」と言われたそうだ。
栄養のあるもの=卵粥
「…なるほど…れす。ありがとう…ございますれす」
「…いや」
なんだか古賀先輩の歯切れが悪い。まだなにかあるのだろうか?
「…先輩?」
「その…昼間は悪かった!」
突然立ち上がったかと思ったら、古賀先輩は床に頭を擦り付け土下座しだした。
「どうしたのれすか? …先輩?」
「ちょっと強引すぎたすまん! 絢香のことになると、周りが見えなくなるところがあって…マジすまん!」
「ぇ…絢香…?」
古賀先輩は何度も土下座繰り返すしているが、そんなことよりも目の前で土下座している人よりも”絢香”という人物の方が春は気になる。
「…絢香さんって古賀先輩の…なんれす?」
「絢香…はオレの妹だが…それが?」
「ッ!!!?」
忘れていた/忘れようとしていた記憶がフラッシュバックする。
***
「春、わたち達はずぅーと友達なのですからね! 裏切っちゃやなのですよ?」
「絢香だって裏切らないでよ?」
「あはは、わたちが一番の親友を裏切る訳ないじきゃないですかー」
「じゃあ約束しよ!」「約束しよう!」
「「ゆーびきりげんまん……」」
***
「ねぇ…どうして…」
「どうして裏切ったなのですって? そんなの決まってるじゃないなのですか
わたちは初めてアナタと出会った時からずぅーとアナタ事が
大っ嫌いだったなのですよ!! ウザイなのですよ!」
『アハハ』『キヒヒ』
「やめ…て…」
「さぁ…思う存分やっちゃって下さいなのです。顔メインでお願いするのですよ、わたち春の笑顔がイーーーチバン嫌いなので」
『リョーカイ』『おらっ』
ボカッボコッ
――それから毎日地獄の様な日々が続いた
***
「風月…? おいっ風月!」「ッ!!?」
ぼーとしていた、意識を遠いかなた昔に持っていかれていたような気がする。…よく覚えてないけど。
「大丈夫か青ざめた顔してたが……」
「だ、大丈夫れす。少しぼーとしてただけれす…から」
「貧血で倒れて起きたばかりだからまだ意識がはっきりしてないのかもな。
これ食べたらゆっくり寝てろ」
と言いながらおかゆをすくった蓮華を春の口元へ差し出す、それをぱくり…美味しい。
「もぐもぐ…このおかゆは…」
「オレは作ったんだ」
まさかの古賀先輩の手料理!?
「すごくおいしいれす」
「ありがと。美味そうに食ってくれるだけで嬉しいよ」
ニカッと笑う古賀先輩…あぁやっぱりこの笑顔が一番好きだなぁ…と改めて思う春。
おかゆを全部食べ終わっても、古賀先輩は春が眠りにつくまで傍に居て手を握っていてくれた。
そういえば昔もこんなことがあったな…と昔の楽しい思い出に浸りながら、春は深い眠りへと落ちていった。
***
「だめだろ、たいちょーかんりはだいじなんだぞ」
風邪をひいて学校を休んだその日、ジュン兄が私のお見舞いをしにお家まで来てくれたの。
「ごめんなさい」
「…おきててだいじょうぶなのか?」
「うん。おねつはもうほとんどひい…「ばか、ほとんどってことはまだあるんだろ!」うう…」
ジュン兄はこわいからきらいだけどちゅき。おでこをくっつけておねつをはかる。
「やっぱり…まだあるじゃないか」
「うー」「ちょっとまってろ」
ばたんっ。ジュン兄がお部屋から出て行った、すぅと一人になってなんだか泣きたく寂しくなってきた…。
「ジュン兄…「おまたせ!」
泣き出そうになったそのとき、ジュン兄が帰って来てくれた! お手てにはお茶とスプーンを持って。
「なに…それ?」
「おかゆ。オレが作ったんだぜ」
「わぁジュン兄の手作り?」
ジュン兄はわたしの一つ上のお兄さん。なんでも出来るカッコイイお兄さん。
「ふぅーふぅー。ほらあーん」「あーむ」
もぐもぐ…と食べてみるとすっごくおいちい。もっと食べたいと口を開ける。
「そんないそいでたべなくても、おかゆはにげないぞ」
「あーむ」
もぐもぐ…うんおいちい。あ…眠くなってきた…かも。
「ふぁ…」
「ねる?」
「…うん」
横になるとジュン兄がお布団をかけてくれる。
「ジュン兄…手…「はいはい」
ジュン兄に手を握ってもらうとすごく安心する。怖いお化けや悪夢をジュン兄が全部やっつけてくれそうで。
「おやすみ…ジュン兄」「おやすみ風坊」
***
春が寝つき古賀先輩が帰った後、風月家玄関にて
「ふぅちゃんにプリント届けにきました」
「ありがとさっちゃん。でもごめんね、春寝てるのよ」
「そうなんですか…」
「えぇ…プリントありがとね。気をつけて帰るのよー!」
「はーい」
春の知らない会話
春が忘れてしまった会話
被害者と加害者は紙一重
***
続く
後書き
愛ちゃんに会いに行く回を前々回に書くと言ったのに蓋を開けたら、春のコガジュンの甘々思い出話回?になってしもうた><
自分が甘が苦手なのであまりなってないかも……ですがorz
前回と今回で新キャラ登場! ほぼ名前だけだけどw
近辺で唯一の医者兼保険医 鳴上先生
コガジュンの妹で春の元大親友 古賀 絢香(こが じゅんか) 「~なのですよ」と喋るのと一人称が「わたち」なのが特徴的。
小学生の春が風邪で学校を休んだ日にプリントを届けてくれた子 さっちゃん(あだ名 本名不明)
絢香はキーキャラで、鳴上先生はちょこちょこ出す予定、さっちゃんは既にサブキャラとして登場済み…誰だろね?w
次回こそは愛ちゃんの元へゴーゴーカレーする予定!(二回目w)お楽しみ~☆
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