生徒会”執行部”と”捜査部” ~舞い散る桜STKとの出会い~
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13.昼下がりの校舎裏にて
話し合い? 捜査会議? が終わり皆自分たちの教室へ戻って行く、春も教室へ戻ろうと部室を出ようとしたところを
「風月、ちょっといいか」
古賀先輩に呼び止められた。これで午後の授業はサボり決定だ。
【で】
古賀先輩に連れて来られたのは校舎裏。授業中なので春たち以外誰もいない。
春の先を歩いていた古賀先輩は歩くのを止め、春の方を振り向く。
「授業サボらせて悪い」
「大丈夫れす」
どうせ自分がサボって誰も気にしないし…とぽつり呟く。
「風月。さっきの事件の事で訊きたいことがある」
「さっきの事件?」
事件とはなんの事件のことだろう? 河野先生の事件? それとも…?
「女子校で起きた刃物振り回し事件のことだ」
「っ!!?」
頭の中が…スゥーと真っ白になっていく…。
何も考えられない…。
何も聞こえない…。
古賀先輩に何か色々聞かれ/言われたような気がするけど覚えていない。
気が付くと私は…
「どうなんだっ!? お前はアノ事件について何か知っているんじゃねーのか!!」
壁際に追い込まれ古賀先輩は壁を拳で殴りつけている状況だった。…これが本当の壁ドン?
古賀先輩はすごく焦っているような怒ってもいるような、苦しそうな顔をしてる。
「なんとか言え!」
ドンッとまた強く壁を殴る。…あ、血が出てる。何度も強くコンクリートの壁を殴ったせいで古賀先輩の手は青あざができあっちこっち傷だらけの血だらけ、手当しないと…。
「…先輩…手…「オレのことはどうでもいい!」
怒られてしまいました。
「答えろ! お前はっ!!?」
古賀先輩のこんな真剣な顔初めて見た。何が彼をそこまで突き動かすのだろう。
何度も何度も壁を殴りながら聞いてくる「お前は何を知っているんだと」でもその問いに春は答える事が出来ない。
知らないから?
――いや違う。
知っているからこそ言えないのだ。
誰にだって隠したい過去/秘密のひとつやふたつあるものだから
ドサァァ
「風月?」「………」
春の心を守る防衛本能が働き、春は気を失いその場に倒れ込んだ。倒れ込む春を受け止めた古賀先輩が何度も体を揺すってみたが全く起きる気配がない。
目の前で突然倒れた春。もしかすると春には持病的なものがあり体の中で大変な事起きているのかもしれないと、春の体を抱きかかえ(お姫様抱っこ状態)近辺で唯一医者兼保険医の鳴上先生の元へ駆け出す。
【で】
「……ん、ここは…」
春が目を覚ますと見慣れな……くはない洋館の天井だ。越して来た新しい寮、あの古びた洋館にある自分の部屋の天井だこれは。
自分がふかふかしたものの上に寝ていることに気が付いた。ここは自分の部屋イコール自室のベットか。
体がダルくて重たい。どうして自室で寝ているのだろう? 自分の身になにがあった…?
ガチャ
ノックもなしにドアが開けられる。驚いて思わず布団をかぶる。布団の隙間からドアの方を見つめ入って来た人物は
「起きたか風月?」
古賀先輩だった。両手には小さな土鍋を持って。
「…はいれす。先輩は…?」
起き上がろうとすると「ああいいから、無理に起きなくても」と言われたけど、別に無理はしていないのでそのまま起き上がった。
「おかゆ食べれるか?」
コクンと小さく頷く。古賀先輩は蓮華で少量、おかゆをすくい「ふぅーふぅー」と息を吹きかけたあと
「あーん」
春の口元へ差し出す。
「じ、自分で食べれまふ…「駄目だ。ほらあーん」…あむ」
抵抗も無駄、古賀先輩にあーんしてもらちゃった///
「もぐもぐ…おいしぃ…「だろ? ほらもっと食え、あーん」
食べ終わるとすぐに次のが口の中に放り込まれる。
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