生徒会”執行部”と”捜査部” ~舞い散る桜STKとの出会い~
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15.腐った赤い紐で繋がれ/結ばれた仲
次の日の朝。会長、春、古賀先輩のサボり組三人は昨日畑先輩の所で入手した被害にあった女子生徒Hこと曳鬼谷愛さんが住んでいる(元春も住んでいた)寮へと向かっている道中
ちなみに古賀先輩はれっきとしたサボり。サボりの常習者だからもう関係ないらしい。
一応生徒会である中原会長は「影武者が出てくれるからだいじょうぶなのだよん」とのことらしい。
サボり初心者の春はというと、お節介焼きの茨音さんが「私が欠席届出しておくから」と今日はお休み扱いとなった。
「あるぅーひぃー森の中でクマァさんにであぁ~たぁ~森のぉ~「うるせぇ」イテ」
森の中で楽しそうに森のくまさんを歌う会長の頭を古賀先輩が叩く、正直音程が外れまくってたので、叩きはしないまでも、何らかの方法で歌うのを止めようと思っていたのである意味助かった。
「ひどいなーもぉ」
「酷いのはおまえの歌声! つーかなんで森のくまさん歌ってんだよ?」
「えっ? だってクマが出そうな森だし…「呼ぶな、召喚もするな!」
と言われ「ちっつまんねーの」と小声で呟く会長…を冷たい眼差しで見つめる春。
「~~~」
今度は鼻歌を歌い出す会長。右手は古賀先輩の手、左手は春の手を握り横一列で歩き、スキップしながらポンぽこたぬきさん鼻歌バージョンを歌う。
「……」
諦めたのか古賀先輩はもう会長につっこまない。春もつっこまない。なので森の中は会長の独占コンサート状態。
そうだ。いい機会だし会長と古賀先輩の関係について訊いてみよう。
「あ? オレらの関係?」
「んっふっふぅー。ついにその頂までたどり着いたのだねハルゥ氏よ!」
「誰だおまえ、山の仙人か」
「今答えん!」「無視か」
「ボクとコガジュンの関係は~~~~」
「腐った紐で繋がれた縁」「腐った赤い紐で結ばれた縁」
「「…………」」
二人ともが黙る。えっと…つまりは…どういうことなの?
「ボクはコガジュンが大大大スキィィィだァァァコンチクショォォォォ!! ってことだぞぅ」
「叫ぶなうるせ、叫ぶなら山で叫べ!」
「アイシテルぜぇー的なことを?」
「あーソウダナ」
「もぉ照れちゃって~カワイクないっこのこのっ」
「照れてなんかねぇ! あと肘で脇腹をこずくな! 地味にいてぇ」
イチャつく会長と古賀先輩を見ていると……悲しいような/寂しいような、色々入り混じってよくわからない感情が湧き上がる。
自分から聞いておいてアレだけど聞くんじゃなかったと、聞きたくなかった/知りたくなかったとあとから後悔する春なのだった。
【で】
ふざけながら森を歩いていると
「ここれす」
目的地に着いた。校舎から北にずぅーーと行き熊が出そうな森を抜けた先にある、今にも崩れて崩壊していしまいそうなオンボロ寮。
改めて見て思ったけど、よくこんなボロ寮で一ヶ月間暮らせていたな…すごいぞ私! と自分を褒めたくなるボロさ。
「風月おまえ…ここに住んでたのか…」
「…自分でもよく住んでたと思いまふ」
「これこれ。まだ住んでいる学生諸君が居るんだから、そんな悲しい事イッちゃノンノンノーなのだよ?」
確かに会長のいう通りれす。今何人の人がこの寮に住んでいるのかわからないけど、少なくとも一人曳鬼谷 愛さんは住んでいる。
彼女の住む寮を悪く言うには良くない。それに一応数日前までは私もお世話になっていた寮だしね。
曳鬼谷さんの部屋は私の隣の部屋。つまり二階の端っこにある部屋ということ
コツコンッ
ドアを叩いてみる。
「………」
返事がない。もう一度ドアを叩いてみる。
コツコンッコンッ
「…………」
やっぱり返事がない。さらにもう一度ドアを叩いてみる。
コツコンッコンッドンピシャドーン!
ちなみにドア叩いているのは会長。どんな叩きかたしたらそんな変な音が出せれるのれすか…。
「だあぁぁぁぁ! うるさいっもう誰なの! さっきから!」
「…ぁ」「ニヤリ」「作戦勝ちだな」
変なノックコールで曳鬼谷さんが部屋から出て来た。やっぱり居留守だったんだ。
起きたばかりなのか頭は寝ぐせでボサボサ、服は白のジャージで奥に見える部屋は電気もつけずカーテンも閉めきってて真っ暗闇ですごく健康に悪そうな部屋…。
「……どちらさま?」
寝ているところを起こされたから? 曳鬼谷さんはずっごく不機嫌そうな顔だ。
「ハ~イ、捜査…」
バタンッ!! 会長が名のろうとしたら勢いよくドアが閉められた。
「ちょっとーまだ終わってないんですケドー」「帰って!」
ドアをドンドン叩く会長に曳鬼谷さんは「帰って」の一点張り、「仕方ないここはいったん引くか」と古賀先輩が春と会長に向けて言ったつもりが…
「…あの阿呆ど行った?」
廊下には古賀先輩と春、二人しかいなかった……。
続く
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