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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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485部分:第三十九話 幽霊、袁術を驚かせるのこと四


第三十九話 幽霊、袁術を驚かせるのこと四

「ゴズウにメズウ、それにジョーカーね」
「そういう御主は神楽家の」
「双子のか」
「ええ、そうよ」
 その通りだとだ。そのゴズウとメズウに返す神楽だった。
「私は神楽ちずるよ」
「御主もこの世界に来ていたのか」
「そうだったのか」
「そうよ。貴方達もだったのね」
「いや、困ってるんだよ」
 今度はジョーカーが二人に話す。
「僕達どうしてここにいるんだろってね」
「それはお互い様よ。ただね」
「うん、ただ?」
「僕達悪気はないんだよ」
 ジョーカーはこのことも話すのだった。
「それを今から言っていいかな」
「ええ、御願いするわ」
 神楽が応えてだった。そのうえでだった。
「それじゃあね」
「お知り合いなんですか?」
 劉備がここでその神楽に尋ねた。
「神楽さんとこの人達って」
「ええ、そうなの」
 神楽は微笑んで劉備のその問いに答えたのだった。
「実はね」
「そうだったんですか」
「少しだけだけれど」
 こう前置きもした神楽だった。
「知り合いなのは確かよ」
「何か怪しい人達だけれど」
 馬岱は三人の格好を見て言った。
「大丈夫なのかしら」
「確かに表の世界にはいないわ」
 神楽もそれははっきりと答えた。
「けれど根は悪くはないから」
「そうなんですか」
「特に警戒する必要はないわ」
 こうも言う神楽だった。
「それは安心して」
「わかりました」
 神楽のその言葉に頷く馬岱だった。そのうえでだった。
 一行はその道観の中に入った。そうして三人と子供達の話を聞くのだった。
「この子達は可哀想なんだよ」
「そうだ」
「その通りだ」
 ジョーカーの言葉にゴズウとメズウが頷く。見ればもう一人いた。
「ええと?」
「そっちの人は?」
「またお面付けてるけれど」
 劉備達はそのもう一人の仮面の緑の男も見て話す。
「ゴズウさんとメズウさんの御兄弟ですか?」
「若しかして」
「その通りだ」
「よくわかったな」
 二人からの言葉だった。
「これはガズウ」
「俺達の弟だ」
「宜しく頼む」
 そのガズウからも言ってきた。
「俺達はここに気付いたらいたのだ」
「私達と同じね」
 また神楽が言った。
「それも」
「同じなのか」
「何もかもが同じね」
「何故ここに来たんだろうね」
 ジョーカーもそれがわからないようだった。
 
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