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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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465部分:第三十七話 呂布、張飛から貰うのことその十一


第三十七話 呂布、張飛から貰うのことその十一

「袁紹さんも袁術さんもお互いに対抗意識はあってもね」
「劣等感は抱かないんですか」
「そう、劣等感はもっと複雑で深刻なものなのよ」
 神楽は今度は劉備に話していた。
「特に曹操さんや袁紹さんみたいな人にとってはね」
「袁紹は妾腹で」
「曹操殿は宦官の家の娘か」
 張飛と関羽がまた述べた。
「それが二人には」
「深刻なのだな」
「そういうことよ。若し完璧な相手が出たら」
 そうした相手が出たならばと。神楽は話していく。
「二人がどうなるかね」
「そういえば何か」
 劉備がきょとんとしたような顔で話す。
「都に何か凄い人が出て来たらしいけれど」
「司馬慰さんですね」
「あの人ですね」
 孔明と鳳統が言った。
「名門司馬家の嫡女の方で」
「物凄い切れ者だとか」
「凄い人なんだ」
 劉備にとってはこの程度で終わる存在だった。しかしである。
 神楽はその司馬慰のことを聞いてだ。顔を曇らせて言った。
「まずいわね。そうした人こそなのよ」
「問題なんですか?」
「曹操さんや袁紹さんにとってはね」
 そうだというのである。
「厄介なのね」
「そうなんですか」
「何もなかったらいいけれど」
 神楽は期待する言葉を出した。
「本当にね」
「そうね。この国自体に不吉なものを感じるし」
「それがよからぬことにならなければいいのですが」
 ミナと月はあるものを見ていた。
「それが本当に」
「そうならなければ」
「あの、それでなんですけれど」
 劉備はその二人に顔を向けて尋ねた。
「御二人は今何を見ておられるんですか?」
「ええと。動物の」
「おもちゃを」
「あっ、これですね」
 見ればだった。十二匹の動物達の小さな置物である。それぞれ紐が着いていてだ。それを見るとであった。彼等は話すのだった。
「十二匹ですか」
「干支ね」
「それですね」
 ミナと月がここでまた話す。
「鼠に牛に」
「他の生き物も」
「ええと、鼠は」
 劉備がその鼠の置物を見ながら言う。
「子沢山の効用があるんですね」
「お守りの意味もあるのね」
 神楽が話す。
「この置物は」
「あっ、この犬の置物いいのだ」
 張飛がその置物を見てすぐに手に取った。
「可愛いのだ」
「むっ、その置物は」
 関羽はその置物を見て話した。
「似てるな」
「そうなのだ」
 張飛も関羽の言葉で気付いた。
「赤兎に似ているのだ」
「というよりかそっくりだな」
「全くなのだ」
「むっ、赤兎なのです!?」
 陳宮もそれを聞いて二人の方に顔を向けた。
 
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