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ドリトル先生と悩める画家

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第十幕その十一

「いても恐竜じゃない?」
「アシカとか鯨とか?」
「大きなお魚とかね」
「正体は色々だけれど」
「一体何かしらね」
「そこはわからないわね」
「僕は恐竜じゃないかもって思うけれど」
 それでもというのです。
「やっぱりいると思うよ」
「ネス湖にはね」
「ネッシーはいる」
「先生はいつもそう思っているね」
「うん、目撃例の中には間違いないと思えるものも多いよ」
 ネッシーのそれにはです。
「残っている写真だってね」
「違うって写真も多いけれど」
「間違いないっていう写真もだね」
「ちゃんとあるから」
「だからネッシーはいる」
「先生はそう思っているのよね」
「グーグルの写真でもあったからね」
 ネス湖にです。
「これはっていう写真が」
「そう思うと無下に否定しても」
「そうしても何もならないわね」
「いないって頭から決めても」
「何もならないわね」
「そう、あらゆる学問は否定からはじめると進まないよ」 
 それこそ一歩もというのです。
「全くね」
「そうだね、それはね」
「科学でもアニメや特撮を科学的に検証して否定してる本あるけれど」
「今の科学を絶対として否定している」
「先生はそう言ってるよね」
「今の科学技術も絶対じゃないよ」
 先生は言い切りました。
「完璧じゃないんだ」
「まだまだ何もわかっていない」
「どんどん進んでいくものだから」
「今の技術で否定しても」
「それでもだね」
「何もならないんだね」
「しかもその科学知識が間違っている場合も多いから」
 先生は穏やかですがそうした考えをはっきりと否定していました。
「そうした考えは何もならないよ」
「取るに足らないんだね」
「そうしたものだね」
「それに過ぎないんだね」
「そう、だからどんどんね」
 それこそというのです。
「夢を持って出来る、見付けるって思うことが大事なんだ」
「学問については」
「そうすべきなんだ」
「今の知識だけで駄目だの出来ないだの言うのは学問じゃないんだ」
 先生はこうも言いました。
「それじゃあ何もしない方がいいよ」
「無理だ、出来ないってしか言わないよりも」
「それよりもだね」
「出来るって思う」
「そうして進むことが」
「何よりも大事なんだよ」
 こう言うのでした。 
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