恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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382部分:第三十一話 張三姉妹、書に気付くのことその二
第三十一話 張三姉妹、書に気付くのことその二
「何かあるの?」
「いえ、何もないわ」
「気にしないで」
彼女の問いにはこう返すのだった。
「あそこは人が少ないから」
「だからコンサートはもっと他の場所がいいわ」
「えっ、最近話題の劉備さんがいるのに!?」
「何で皇室の人らしいじゃないの」
張角と張梁も劉備のことはもう聞いていた。
「おっぱいが凄く大きくて可愛いっていうのに」
「それに劉備さんのところに人が一杯来てるって話よ」
「皇室の方だったらおひねりも弾んでくれるのに?」
「人がいてくれてこそのあたし達なのに」
「その人が問題なのよ」
「私達にとってはね」
ぽつりと呟く二人だった。
「そう、今はまだね」
「気付かれては駄目だから」
「何かよくわからないけれど」
「そこは駄目なのね」
「そうみたいに」
しかし根は人のいい三人はだ。二人の反対を受け入れたのだった。
「じゃあ他のいい場所に?」
「その燕都よね」
「そこなのね」
「そうよ、そこよ」
「ここは牧がいなくて今一つはっきりしない場所だけれど」
バイスとマチュアも公孫賛のことは知らなかった。
「近いうちに袁本初がここも治めることになるようだけれど」
「それでも今はね」
「ふうん、そういう場所なんだ」
「ここってもう袁紹さんの治める場所って思ってたわ」
「私も」
勿論三姉妹も公孫賛のことは知らない。何処までもその存在感が残念な彼女である。
とにかくだ。彼等はその燕都に入る。そこに入るとだ。
「天和ちゃーーーーーーーーーーーん!」
「地和ちゃーーーーーーーーーーーん!」
「人和ちゃーーーーーーーーーーーん!」
三人を出迎えるファン達だった。
「待ってたよーーーーーーー!」
「ようこそこの幽州へ!」
「ほっほーーーーーーーーーーーーーう!!」
こんな叫び声もあがっていた。そうしてだ。
旅用の荷馬車から降りた三人のところにだ。三人の少女が来た。
三人は彼女達の前でそれぞれ片膝を着いてだ。名乗ってきた。
「はじめました」
「我々はです」
「貴女達の親衛隊の者です」
「あっ、そういえば最近できたのよね」
張角はその三人の言葉を受けて言った。彼女らしくゆったりとした口調だ。
「張三姉妹親衛隊よね」
「はい、まず私はです」
灰色の長い黒髪に緑の目の凛々しい顔立ちである。背は三人の中で最も高く黒装束であるが右足のところが半ズボンになっている。斧を持っている。
「程遠志といいます」
「同じく鄧茂」
「同じく下喜」
茶色の髪を後ろで束ね槍を持った赤い目の小柄な少女である。白い上着に赤いミニスカートと白のブーツである。最後の一人は分銅を持った青い髪のやや年長の女だ。青い髪は腰までありやや巻いている。目は緑であり細面に高い鼻、豊かな胸をドレスを思わせる赤い長い服で覆っている。
その三人が来てだ。言うのであった。
「これからはです」
「我等三人常にです」
「御三方を御守りします」
「えっ、本当!?」
張梁は三人のその言葉を聞いてすぐに満面の笑顔になった。
「私達の護衛をしてくれるんだ」
「はい、そうです」
「それで宜しいでしょうか」
「我等で」
「そうね」
今度は張宝が考える顔で言った。
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