~仮面被りし幾重の使い魔~
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『誕生』前の出来事
正直、私は転生モノが大嫌いだ。
アンチ・転生だ。
とまあ、これはさておき。
やあ、久しぶりだね?
ああ、そうか。君と会うのはこれが『初めて』だったかな?
君は知らないだろうけど、『今の君』が此処に来る前にもまた、君はここで私と話したわけだ。
・・・なんでさっきから、君は黙り込んでるんだい?
ああ、そうか。
君は声を失ったんだっけ。君を殺した加害者によって、喉をナイフで突き刺されて、他に数箇所刺されて死んでしまったんだよね・・・・。
難儀な人生を味合わせてしまって、すまないね。
こっちとしても、君にその人生を味合わせるつもりはなかったんだが、因果律の調子が悪くてね。
まあ、待てよ。
・・・ナイフ構えるなって、私は先端恐怖症なんだぜ?
おい、嬉しそうな顔するな。そのまま、突っ込んで走ってくるな!・・・おいっ!危ないって!
いくらなんでも、それはないだろう!
お前、滅茶苦茶嬉しそうだな!ホント、お前には笑顔が似合うわ。
露骨に嫌そうな顔するなって。
野郎に言われたからって、そこまで落ち込むなよ・・・。
なにか良い特典つけてやるから。
あ?特典もわかんねえのかよ?
転生の特典だ。
ああ、そうか。
お前、喋れないんだったなー。
特典無しで転生させてやろうか?
・・・悪い悪い。いくらなんでも、言い過ぎたな。
お、紙とペンはあるんだな?
まあ、とりあえず、希望を書いてみやがれ。
数分後――――――――
おお、書けたらしいな?
なになに・・・
『俺を転生させたければ、次の条件を飲みやがれ!
その一、俺に斬魄刀を使わせろ!
その二、虚化を使わせろ!
その三、スゲエ炎の技を使わせろ!』
・・・よし、転生に必要な特典はゼロだな。
つか、BLEACH好きすぎるだろ。
私も好きだけど。
・・・ん?なんだ、最後のこれ。
ったく、それでいいのかよ。
お前、最後のこれ。
『なんだよ。いいだろ?それくらい』
文字書く速さ上達してるとか・・・・
誰得だよ。
コイツ得か。
呆れてしまうが、仕方ないな。
特典をくれてやるといったのは私だし。
馬鹿な奴だな。
そんな物を『ゼロの使い魔』の世界に持って行こうとは。
『え?マジで!?』
食らいつくな。
というか、此処での記憶と前世の記憶は全部消去させてもらおう。
お前も覚えていたくないだろう?
その最悪の記憶を。
『だけど、こればっかりは頼む。』
言ってみろ。
何をだ。
『斬魄刀と虚化。もちろん、東仙要みたいに虚化したら、それと連動して斬魄刀の解号とか名前が変わるようにして欲しい。それと、盾瞬六花な能力な。強度は勿論、最高硬度で。あ、あの世界では魔力か。形はヘアピン以外ならOKあと、斬魄刀の属性は火属性な。出来ることなら』
それについては抜かりがないようになってるぜ?
つか、紙の数どうなってんだよ・・・・。
増えすぎだ。
コイツ、既にチート持ってるだろ・・・。
気づいてないだけで。
お前の転生先なんだがな。
ちょうど、火属性にぴったりなんだわ。
『どういうことだよ?』
お前の転生先は『ゼロの使い魔』の『微熱のキュルケ』の使い魔として転生するんだよ。
いや、召喚されるのか。
『キュルケか・・・。うん!好みだし、OK!』
にしても、本当に打つの早くなりやがったな・・・。
あ、書くのがか。
さて。
お前は此処での記憶、会話を忘れ、次の世界で生き延びろ。
いや、リア充ライフを満喫しろ。
おっと、間違い。
幸せになりやがれ。
『ういす!』
ぱちん、と指を鳴らすとアイツは『ゲート』の方に飛ばされたと思う。
ということで、私はアイツを『ゼロの使い魔』の世界に召喚させることにした。
記憶は全て消したし、アイツに与えたのは特典と言う名のチートばかり。
|斬魄刀《ざんぱくとう》についてだけど、能力は自分で引き出して貰わないとな。
あ、今思い出した。
この場合の『ゼロの使い魔』、平賀才人が来ない並行世界だった。
てへぺろ☆
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