守護者に俺はなる!!!
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爺さんの名
その日の夜、俺達の事を気に入った爺さんと一緒に宴会をしている。
ナミ「お爺ちゃんまるで大海賊ね」
「ング…ング…プハ~!ナミちゃん、このワイが海賊やて?」
ナミ「でなきゃ、こんな上等なグラスを持ってる筈ないもの」
ロビン「確かにお宝クラスね」
ビビ「そうね、王宮でも中々見た事ないわ」
俺達が今使ってるグラスは、爺さんの持ち物だ。それはどれも高価な物だ。
ユウ「爺さん、本当に何者だ?ただの人がこんな物持ってる筈はねぇ」
「…しゃあないな。教えたるわ」
そして爺さんは話し出す。
「ワイはグランドラインをまたにかけた大海賊…」
ナミ「やっぱり!」
「を相手にした金貸しやった」
ルフィ「金貸し?」
「ああ、金貸しのゼニーや。海賊やない」
ナミ「違うの!?」
ナミは期待していた事と違いガッカリする。しかし金貸しか…
レモーネ「でも、海賊相手にお金を貸すなんて」
サンジ「いい度胸してるじゃね~か爺さん」
ルフィ「何で?」
ウソップ「そりゃそうだろ。普通海賊が金を借りてちゃんと返すと思うか?」
ユウ「それになルフィ、金を借りる時に返すのが遅くなったら利子が発生する。海賊が利子まで付いて返すと思うか?ちゃんと返すなら、そもそも海賊になんかなってないさ」
俺はルフィに説明する。ホント、こいつに理解させるのはしんどい…
ゼニー「その通りや。どいつもこいつも借金なんか踏み倒して当たり前。約束は守らんし、裏切りなんか朝飯前っちゅうクソ海賊ばっかりやった」
ビビ「お爺さんの海賊嫌いは本当なんですね」
ゼニー「こっちかて黙って引き下がっとったら商売あがったりやがな!毎度借金の取り立ては、海賊共との戦いやった…命懸けのな」
ゾロ「それって、海賊より強くねぇと出来ねぇ商売じゃねぇのか?」
確かにゾロの言う通りだ。だが、島にいる間に思ったが、ゼニーの爺さんが強いとは到底思えない。
ルフィ「ヤギのおっさん、強かったのか?」
ゼニー「自慢やないけど弱かった。せやけど夢があったからな」
ルフィ「夢?」
爺さんの夢…か。
ゼニー「弱いワイにも夢があったから必死に戦こうた。いや、戦う事ができたんや」
ウソップ「爺さんの夢って?」
ゼニー「ガキの頃からワイは海賊になりたかった。本物の海賊、海賊王にな。その為に始めた金貸し家業や」
なるほど。って事は、あの船は夢の続きを叶える為に造ってたって事か。
ゼニー「始めは、海の近くで船を造る予定やったが、山から材木を下すのは到底無理やった。せやけど、どうしても諦めきれずに山の中で造ったんや。そろばんでも勘定できんくらいごっつい夢を!ごっつい冒険を!しかし、途中目が覚めた…気が付いたら、このグランドラインに乗り出すには、ワイはもう歳をとりすぎ取ったんや…」
悲しそうに言う爺さん。
ルフィ「何で諦めるんだ?」
しかし、人の夢を決して笑う事のないウチの船長が言う。
ルフィ「歳なんて関係ねぇよ。なりてぇ時に海賊になりゃいいんだよ」
その言葉に爺さんは何かを思ったようだ。
ウソップ「おいおいルフィ!爺さんが本気にしちまったらどうするんだよ!!」
ルフィ「サンジ、おかわり」
サンジ「ホラよ」
おかわりの魚の切り身を貰うルフィ。
ルフィ「だったら下しゃいいじゃねぇか!」
ウソップ「簡単に言うなよお前!?」
ゼニー「そうか、間に合うか」
ユウ「ああ、今からでも十分間に合うさ」
俺が会話に加わる。
ユウ「俺が知ってる有名な海賊団の船長も、爺さんと同じかそれより上の年齢だ。それに、この大きな海は来る者を拒まない。夢が海賊なら、爺さんの海賊船で…この広い海で死ぬのもいいんじゃないか?」
ゼニー「そっか…おおきに」
そして宴は終わり、ルフィ達は眠っていた。俺は少し便所に行ってて帰ってきたら、爺さんがいなかった。ロビンの姿もない。
ユウ「…あそこか?」
俺は山の上にある爺さんの船に向かう。すると、爺さんとロビンが話していた。
ゼニー「けどワイは…ワイの夢はここで永遠に眠るんや」
ユウ「なんでだ?」
「「!?」」
俺の言葉に2人は驚く。
ゼニー「なんや、ナミちゃんの兄ちゃんか」
ロビン「ユウ」
ユウ「邪魔するよ」
俺は爺さんの横に座る。
ユウ「一杯貰っていいか?」
ゼニー「ああ」
爺さんに酒を注がれ飲む。
ユウ「プハ~ッ!…爺さん、さっきも言ったが、夢に早いも遅いもないんだよ」
ゼニー「……」
ユウ「夢は誰にだってある。俺やあいつら…それに、そこにいるロビンにもな。ルフィは海賊王、ゾロは世界一の剣豪、ナミは自分だけの世界地図を作る事、ウソップは勇敢な海の戦士、サンジはオールブルー、チョッパーは何でも治せる医者になる事、レモーネは助けてくれた俺に尽くす事、ビビは世界を見て立派な王女になる事、ロビンは、真の歴史の本文を知る事だ」
ゼニー「そっか。兄ちゃんの夢はなんや?」
爺さんは俺の夢について聞いてきた。
ユウ「俺の夢は…皆の夢が叶うのを見届けて、故郷に残してる家族と大切な連中と死ぬまで一緒にいることだな」
俺は空にある満月を見ながら、ベルメールさんやノジコの事を思い出す。そして俺は爺さんに許可を貰い、この場所で眠らせてもらった。翌朝、ヤギ達が騒がしく鳴いており目を覚ます。
ゼニー「どないした!」
俺も海の方を見ると、海軍の軍艦が一隻こちらに向かっていた。
ユウ「海軍だと!?」
ゼニー「なんやて!?」
ロビン「でもおかしいわ。たった一隻だなんて」
ロビンに言われ、俺も可笑しいと思う。とにかく行ってみるか。浜辺に到着すると、既にナミ達と1人の海兵が話をしている。ナミに話を聞くと、話しかけてる男はミンチー軍曹だそうだ。
ウソップ「そういえば爺さんはどこ行った?」
ミンチー「そうか。ゼニーはこちらで手厚く保護しようじゃないか」
ナミ「ゼニー?」
ミンチーの言葉に、ナミが反応する。
ユウ「どうした?」
ナミ「あの海兵、地図に載ってない島だから調査に来たって言ったけど、初めて来たのになんでお爺ちゃんの名前を知ってるのかしら」
確かにその通りだ。初めて来たなら、爺さんの名前なんか知ってる筈ないしな。って事は、あいつの狙いは…
サンジ「出航すんのか?」
俺達は一度集まり話し合う。
ミンチー「霧の向こうはいい天気だよ。波は穏やかだし、我々は決して手を出さない。さぁ行きたまえ」
ルフィ「俺は行きたい時に行く!決めるのはお前じゃない!!俺が海軍なら、一隻でも必死で戦うぞ!!」
ナミ「それに変よね?どうしてお爺ちゃんの名前をゼニーだって知ってた訳?私達一言も言ってないのに」
ミンチー「そ、それは…」
ナミに図星を言われ、あいつ焦ってるな。それに、本当に軍艦が一隻だけとは限らないしな。
ナミ「やっぱりお宝持ってたんだお爺ちゃん♪」
嬉しそうに言うな。
チョッパー「…ん?火薬の臭いだ」
ゾロ「あの野郎の大砲か?」
ユウ「違うな。どうせ霧の中で他の軍艦は待機してるんだろうさ」
確定だな。あいつが嘘をついてるのはよ。
ウソップ「ルル、ルフィ~」
すると食料を取りに行ってたウソップが、海兵に捕まって連れられてきた。
ミンチー「よくやったぞ伍長」
「武器を捨てろ!さもないと…」
ユウ「さもないとどうするんだ?」
伍長「なっ!?」
俺は一瞬で海兵達の後ろに行き、気絶させた。
ウソップ「た、助かった~!!」
ミンチー「こ、コノヤロー!!」
ミンチーは俺の事を睨んでる。なんだ?
ユウ「上からガタガタ言うだけなら、とっととかかってこい」
すると、山の上にあった船が下りて来る。
ミンチー「なんだと!?山の上から船だと!!」
ゼニー「ゼニー海賊団、出撃やぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
そして船は海に着水した。
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