守護者に俺はなる!!!
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船の正体
俺が寝てる間に色々あったみたいだ。聞けば、チョッパー曰くあの爺さんは後3日しかもたないそうだ。寿命みたいだな。それと、山の中にあった海賊船を見に行ったらしい。だが、特に変わった事はなかったそうだ。後、俺の修行だが…ま~厳しい事。あのまま何回寝たまま死ぬかと思ったね。で、今は朝になりサンジは豪華な朝食を作った。爺さんも目が覚め起きて来た。
「な、なんや~!!これは!?」
ルフィ「サンジは名コックだからうめぇぞ~」
チョッパー「島ヤギ達に、果物がある場所や魚が釣れるポイントを教えて貰ったんだ」
『メェ~』
残念な事に、俺達の船は食糧どころか水すらないからな。この島を知り尽くしてるヤギ達に食料の場所を聞いたんだよ。
ナミ「さぁ、早く早く」
ナミが爺さんを座らせる。
「ナミちゃん、言うとくがワイには払える金は一銭もあらへんで」
ビビ「その事は心配しないで下さい」
そして座らせる。
「ん~…怪しい、めちゃ怪しい!ことわざにもあるさかいな、『急に親切になった海賊にはきぃつけ~』って」
皿に乗ってる魚を箸で摘み、怪しい所がないか調べている。
「毒でも入っとんのとちゃうか?」
ユウ「安心しろ。毒で殺すくらいなら、爺さんはとっくの昔に死んでるよ」
ウソップ「お年寄りに親切にするのは当然の事じゃねぇか」
ルフィ「食わねぇんだったら俺が貰うぞ?」
そう言うと、ルフィは手を伸ばし魚を掴む。それを爺さんが待ったをかける。
「待った!食う!食うがな…って」
爺さんは伸びた手を見てビビる。
「ハグッ!?」
そのショックで再び心臓が止まりそうになる。
チョッパー「爺さん!?大丈夫か!!」
ナミ「脅かすな!!」
ルフィ「ゴメン」
ナミに殴られ謝るルフィ。
ユウ「悪いな爺さん、驚かせて。ルフィは悪魔の実を食ったんだよ」
食事をしながら爺さんに説明する。
「そうか。あんたも悪魔の実を食ったんかいな」
ユウ「因みに、俺やロビン、レモーネも能力者だ」
「さよか。モグモグ…旨い!こんな旨いメシ久し振りやで♪」
嬉しそうにサンジの料理を食べる爺さん。
ナミ「お爺ちゃん、私達に出来る事があったら何でも言ってちょうだいね」
ウソップ「グスッ…思い残す事ねぇようにな」
涙を流しそうになりながら言うウソップ。
ナミ「余計な事言うな!!」
で、案の定ナミに殴られたのだった。
サンジ「こんなメシでよかったら、いつでも作ってやるぜ」
「そうか、ありがとさん!いや~ホンマに旨いで」
そして美味しそうに食べだした。そして爺さんは料理を全部平らげたのだった。
ゾロ「……」
ユウ「ゾロ」
俺はゾロに話しかける。
ユウ「チョッパーの診断結果が本当であれ嘘であれ、数日はいてやろうぜ」
ゾロ「…そうだな」
俺の言葉に納得するゾロだった。で、食事が終わり爺さんから船を造ってほしいと言われ、山の上になった船に向かい作業を行った。
サンジ「しかし、何でわざわざ山の上に船なんて造ったんだ爺さん?」
「あ~そりゃ船やない」
ルフィ「これ船じゃねぇのか?」
ウソップ「あのな!これが船じゃなかったらなんだってんだよ!」
「そりゃワイの…棺桶や」
『棺桶?』
まさかの答えにビックリした。
レモーネ「なんでこの船が棺桶なの?」
「ま…ワイの墓っちゅうことや」
ルフィ「そうか…ヤギのおっさんの墓か」
「「拝むな!縁起でもねぇ!!」」
本人の前で手を合わせるルフィに、俺とウソップが注意する。
サンジ「まだ早ぇだろうが」
チョッパー「準備よすぎるよ…」
爺さんの言葉に、各自が動揺する。
「何ビックリしとんねん。こんな島暮らしや、自分の墓を自分で造ってもおかしないやろ?いつかワイも死ぬんやさかいな」
そう言いながら目を閉じる爺さん。言いたい事は分かるけどな。
ルフィ「ま~、墓なら山ん中でもおかしくねぇな」
サンジ「でも、どうして墓が海賊船なんだ?」
サンジが全員が思ってた事を聞く。すると爺さんは前のめりになる。
ナミ「!?」
ビビ「お爺さん!?」
「「「じ、爺さん!!?」」」
全員が爺さんの側に駆け寄る。だが近づくと…
ユウ「心配すんな。寝てるだけだ」
『ふぅ…』
ホントに紛らわしいな。船造りもいいところで切り上げ、爺さんの家に戻った。で、そんな生活が四日続いた。今日も俺とルフィ、ゾロ、ウソップは食糧の調達、ナミ達は爺さんの相手だ。ヤギ達にポイントを聞いたから今日も大量だ。
ルフィ「いや~、今日も大量だな♪」
ユウ「そうだな」
俺達は採って来た食材をサンジに渡す。
ウソップ「爺さん、他に食いたい物やしてほしい事があれば遠慮せずに言いな」
「いや、もう充分じてもろた。もういつ死んでもええ。極楽や…極楽や」
そう言うと、爺さんは満足そうな顔をする。
ルフィ「そんな事言うなよ!」
サンジ「例え短くとも」
ウソップ「前向きに生きろよ!」
三人は泣きながら爺さんに言う。だが、お前ら気づいてるか?もうチョッパーが下した三日はとっくに過ぎてる事を。
ユウ「お前ら、まだ気づかないのか?」
「「「??」」」
俺は未だに気づいていない連中に呆れる。
ユウ「はぁ…ビビにレモーネ、お前達も来い」
「「??」」
2人は俺に呼ばれこっち来る。そして爺さんに聞こえない様に話し始める。
ユウ「まず、チョッパーの診断で爺さんの命は後三日って言ったよな」
サンジ「ああ、後三日だ」
ルフィ「三日だぞ!」
ウソップ「あっという間の命じゃねぇかよ」
ユウ「そうだ。なら、俺達はいつこの島に来た?」
ビビ「えっと…」
レモーネ「確か…」
俺の言葉にビビ達は上陸した日を思い返す。
ゾロ「四日前だ」
『あっ!?』
ユウ「その通りだ。当の昔に三日は過ぎてるんだよ」
『ホントだ』
ようやく理解したかアホ共…
ウソップ「なのにまるっきりピンピンしてるってのはどういうことだ?」
サンジ「っていうか、前より元気になってんじゃねぇか?」
「ほれ!チェックメイト!!」
ナミ「ああ!まただ~!!」
ホントに寿命なのか気になるけどな。すると、チョッパーがこっちにやって来た。
サンジ「あの様子なら、後三十年は大丈夫そうだな。お前見間違えたな」
チョッパー「いや…そんな筈は」
ユウ「ま、見間違えたにしろ爺さんは今は元気なんだ。いいじゃねぇか。おそらく、寂しかったんだろうさ」
俺はナミと楽しそうにチェスをする爺さんを見る。イキイキしてるな。
ゾロ「ナミ、出航するぜ」
ナミ「もう少し…待ってくれる」
真剣な顔で答えるナミ。
ウソップ「いつまで遊んでんだよ。チェス!なんてとっととやめちまえよ」
ナミ「それがやめられないのよ。負け続けで、お爺ちゃんに船をかたに取られちゃって…」
「二ィ!」
爺さんは俺達に向かってピースする。
『何ぃぃぃぃぃぃ!!!?』
ユウ「ナミ、お前…」
ウソップ「海賊が船取られてどうすんだよっ!!」
ナミ「絶対取り返すから待ってて!」
泣きながらナミは俺達に言う。
「チェックメイト!」
ナミ「ひえ~!!!」
『もう止めろ!!』
ゾロ達はナミを止める。
チョッパー「地震だ~!!」
チョッパーが机の下に入り揺らすが、チェス盤を持ち上げてる爺さんに意味ない。
「船を取り返したかったら、その分この島で働いてもらうしかないで。ねがいましては…せめて10年は働いてもらわんとな。儲かりまっか~?」
嬉しそうに俺達にそう言う爺さん。取り敢えず俺達はナミに話をする。
『ナミ(さん)~!』
ナミ「ゴメン…上手く行けばお爺ちゃんから宝の有りかを聞き出せると思って~」
ウソップ「まだそんな事言ってんのかよ」
勝手な事をしたもんだ。こりゃ説教だな。
ユウ「ナミ」
ナミ「お兄ちゃ…ん」
俺の顔を見て、顔を青ざめるナミ。
ユウ「そこに正座だ」
ナミ「はい…」
諦めたのか、観念して俺の前で正座する。
ユウ「あのな、自分の金とかならいいが、あの船の所有権はルフィとウソップだろが。それをなんでお前が勝手に賭けてんだよ」
ナミ「はい…その通りです」
ユウ「その通りですじゃないだろ?しかも賭けた理由が、爺さんから宝の有りかを聞き出したいが為って…舐めてんのか?」
ナミ「ヒッ!!」
『!!!』
俺の言葉に、ナミはビビり他の連中は離れていた。
ユウ「昔にベルメールさんと言ったよな?賭けをするなとは言わないが、他人に迷惑をかけるなって。時には引くことも大事だって。お前、俺とベルメールさんの言った事、何も聞いてなかったのか?ん?」
俺はナミの耳を引っ張る。
ユウ「お前のこの耳は飾りなのか?どうなんだ?」
ナミ「イタタタタタ!!!ユウお兄ちゃん!!ごめんなさい!!!」
ナミは泣きながら俺に謝る。こんな事をするのは、本来ベルメールさんの役割なんだがな。この場にいないし、身内の俺がしっかりと説教しないとな。因みに、ナミの普段見ない出来事に、ルフィ達は顔を青くしていた。
ユウ「謝る相手は俺じゃないだろ」
俺は引っ張ってた耳を離すと、泣きながらナミはルフィ達に謝る。
ナミ「皆…本当にごめんなさい」
ウソップ「き、気にするな!なっ!皆もそうだよな」
サンジ「あ、ああ」
ルフィ「そうだな」
ゾロ「負けちまったモンは仕方ねぇ」
ユウ「俺からも、妹の勝手な行いで迷惑をかけた」
俺も一緒に頭を下げた。
ビビ「頭を上げて下さいユウさん!」
ウソップ「そうだぜ!俺達はもう気にしてねぇからよ!!」
ゾロ「副船長が船員に頭を下げるな」
ユウ「それは違うぞゾロ」
俺は頭を上げてゾロに言う。
ユウ「俺は、ナミの兄貴としてお前達に謝ってるんだ。お前達に謝ってるのは家族としてだ」
ゾロ「…分かった」
その言葉にゾロは頷いた。聞いたら、ルフィも約束したし破るつもりはなかったみたいだ。
ロビン「チェックメイト」
「んん…これは」
いつの間にかロビンと爺さんが勝負していた。
ロビン「フフッ、船を取り返せそうね」
ユウ「どうなんだ爺さん?」
「グヌヌヌ…参った!!」
『やった~!!』
勝負はロビンの勝ちとなった。
ナミ「やっぱり頼りになるわ!」
「「「儲かりまっか~」」」
「ボチボチでんな~」
先程とは真逆な事が起きたのだった。
ユウ「悪いなロビン。ナミの…妹の不始末をよ」
ロビン「気にしないで」
ユウ「いや、本来は兄である俺が勝負するつもりだったんだが…」
他人に後始末をさせてしまって、気分はよくない。
ユウ「俺に出来る事はないか?不始末を押し付けた代わりに、俺に出来る事をさせてくれ」
ロビン「そうね…」
ロビンは何かを考え始める。
ロビン「それじゃあ、今度町に行ったら買い物に付き合ってもらおうかしら」
ユウ「そんな事でいいのか?」
ロビン「ええ、もちろん二人っきりでよ」
ああ、なるほどね。俺達は二人っきりになる事は滅多にない。今回の件でそれをしようと言う訳か。ま、仕方ない。
ユウ「分かった。約束だ」
ロビン「楽しみにしてるわ」
そして再び爺さんとの勝負に戻ったロビン。当然、ナミやビビ達から文句は出たが、今回は仕方ないと説得し諦めさせた。もちろん原因を作ったナミは2人からお説教されていたのは言うまでもない。
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