奇妙な暗殺教室
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テストの時間後編
中間テスト
全校生徒が本校舎で受ける決まりになっている。つまり、E組は完全アウェーの中での戦いになり、当然ながら我らが3年E組の生徒たちは難関な問題に手を焼いていた。
《コン!コン!》「ヴッ!ウゥヴン、ヴン!!ゲホッゲホン‼︎」
更に本校舎の先生の地味な嫌がらせが生徒達の集中力を切らそうとする。そんな嫌がらせに丈一郎は、五月蝿せぇ……ゴミ箱に入れてやろうか?とシンプルな殺意を向ける。
「E組だから、てカンニングするんじゃないぞぉ。俺ら本校舎の先生がしっかり見張ってるからな」
前言撤回…やっぱり(社会的に)殺す。
そして丈一郎がそう思ったのがキッカケなのか数日後、この教師が裏で行なっていた横領がバレて理事長が表に出さない様に始末され2度と学校に来る事は無かった。…丈一郎がこの事に関与しているかどうかの真相を我々が知る余地もなく、全ての真相は闇の中である。
場所は変わって隔離校舎
「本気なの?クラス全員50位以内に入らなければ出ていくって」
ビッチ先生はナイフを投げつつ問いかけるが、殺せんせーに避けられてしまう。
「ヌルフフフフフ、本気です。ですが、私の生徒たちはピンチの時にもちゃんと我が身を守ってくれる。私が授けているのはそういう武器です」
殺せんせーはそう答えると、テストに挑む生徒達を見守るように本校舎の方向に眼を向けた。
「……成る程今回の問題も中々の強敵らしいな」
試験を解いていくと問題がワニ型の空飛ぶ怪物やら恐竜を彷彿とさせる巨大なトカゲまでありとあらゆる怪物達の錯覚を見る。分かってはいたけが…俺たちの学校の中間テストは他の学校と比べてレベルが相当高い。
「《ヤバイ……手がかりが見当たらない。このままじゃ、この問題に…殺られる。》と普通の奴なら考えるだろう……」
他の生徒達は手がかりすら掴めずパニックに陥っているのに対して丈一郎はまるで近所の歩道を散歩するかの様にゆったりと戦局を見回す丈一郎にワニ型の空飛ぶワニ型の怪物が遅いかかる。だが、
「まぁ…俺の敵じゃあ無いな……オラァッ!」
地を這う虫けらを踏み潰すかのようになんの躊躇いもなく怪物の頭蓋を己の拳で叩き潰す
「アギャァァァァァァァ……ァ……ァ」
怪物はバタバタと暴れ死ぬ間際の断末魔の叫び声をあげる。だが、やがて暴れる姿が弱々しいものになり
「ァ……ァ………」
絶命していった。
「さて、この調子でサクッと殺る…ん?」
「ガルルルルルルル……」
ふとそこを見ると…同胞を殺された怒り…或は自分達の縄張りを脅かす敵を殺す為なのかそれは定かでは無いが数は50ほどの異形の姿の怪物達が臨戦態勢で丈一郎に威嚇する。
「ふっ…上等だ。どっからでもかかって来な…」
だが、丈一郎はそんな怪物達に恐怖する事なく不敵な笑みを浮かべる。
「「「ガァァ……グガァァァァァアアアアアアアアアアアッ!」」」」
そんな笑みに怪物達の怒りはいともたやすく沸点に到達し丈一郎を一刻も早く殺すために強大な爪や歯を携え殺しにかかる。
「ただよぉ…テメーら皆殺しって事で文句はねぇよなぁああッ!」
丈一郎はそう叫びながら間髪入れずに怪物達の群を己の拳1つで叩き潰しにかかる。その最中渚は隣で問題という名の怪物達に一歩の引かずに殴り殺す丈一郎を見る。
(凄い………皆んなが手がかりすら見つけられないのにジョジョはもうあんなに仕留めてる。怪物達が凄いペースで地面にめり込んだり、両手足がへし折られていてかなり酷い事になってるけど……でも、一体どうしたら僕はこの問題の手がかりを掴めるんだろう…)
その時、渚の頭に殺せんせーの言葉がよぎる。
『大丈夫、あれは未知の怪物ではありません。あのヒレからよく見てみましょう』
でも、殺せんせーこれは僕が見た事ない…アレ?…これってただのヒレなんじゃ……
『ね?よく見るとただのヒレです。問題一つ一つをく観察して…それを一つに組み合わせれば…ほら、何てことない問題になりました』
凄い……あんなに怖そうなワニの怪物が、ただの小魚になった。
『さぁ、君の手で調理してやりましょう。』
この問題なら………解ける!
丈一郎の様に派手さは無いが渚は確実に問題急所を突いて1つ1つ丁寧に問題を捌く
(殺せんせーがマッハで教えてくれたおかげでE組の生徒たちは問題文の重要な部分、解き方のコツが手に取るように分かる)
余りにも順調すぎて今までとは違う自分が解いているようにも思いえる程彼らは次の問題も、次の問題順調に解いていく。
(へぇ、渚の奴やればできるんじゃあないか…他の連中も気づくのが遅かったせいか中々の苦しんだ様だが…一先ずは安心ってとこ……ん?)
この時丈一郎はテスト前日から感じていた不穏な胸騒ぎの正体に気づくと共にある1人の男の姿が頭によぎる。
(おいおいおい…嘘だろ?)
丈一郎は今この時だけは今目の前にある現実が嘘であってほしい…夢なら覚めろと願った。しかし、これは現実であり覆しようのないものだった。
(待て待て待て……俺達を蹴落とす為に普通そこまでするのか!?たかが中学生の中間試験だぞ!?それなのにここまでやるってぇのは普通の神経じゃあねぇぞ!)
丈一郎は頭の中ではあり得ないと思いつつもその男ならやりかねない…いや、寧ろ奴自身の理念を突き通す為なら躊躇うことなくやるという確信があった。
(野郎…随分とナメたことしてくれてんじゃあないか…こんな事してくれて…タダで済むと思ってんじゃあねーぞ…ゴラァッ!)
ここに来て丈一郎の怒りのボルテージがブチ切れた。唯一の救いは今は中間試験の途中であっていつもの様に不良達に絡まれた訳ではない事が唯一の救いであった。そうでなければ確実にこの怒りを鎮める為にこの場が死屍累々の地獄絵図になっていただろう。
(あれ?…なんでか知らないけどジョジョが不機嫌になってる…いや、むしろ怒ってない?)
そして周りでテストを受けている連中も丈一郎の異変に気がつき始める。だが、
「……え?」
彼らは後ろから見えない問題に殴り殺されてしまった。
答案返却の日
烏間は、教室から本校舎の教員に抗議の電話をしていた、理由はテスト直前での出題範囲の大幅な変更の事だった。
潮田 渚 合計点数315点 全校生徒186人中 105位
磯貝 悠馬 367点 186人中 68位
「先生の責任です。この学校のシステムを甘く見てました。君たちに顔向け出来ません」
殺せんせーはさっきから生徒達に顔を合わせようとしない。だが、今回の一件は相当悔しかった様で、クラスの連中も声をかけることが出来ずにいた。
《ヒュッ‼︎》
「にゅや!!」
突然、殺せんせーにナイフが投げられる。見てなかった為反応が少し遅れたが、当たることは無かった。投げたのは、毎度お馴染みE組屈指のトラブルメーカーのカルマだった。
「いいの〜?顔を向けなかったら俺のナイフ避けれないけど」
「か、カルマくん‼︎先生は今落ち込んで…」
《ヒュッ》
「……?」
そう言いカルマは5枚の紙…つまり今回のテストの結果を殺せんせーの前に差し出した。
赤羽 業
国語 98点
数学 100点
社会 99点
理科 98点
英語 99点
合計 494点 学年4位
「俺の進度に合わせて、あんたが余計な所まで教えてくれたからだよ。それに、ムカつくけど俺より上の順位の奴もいるし」
「当然だ……テメーとは積み上げて来た物の質が違う……故に、この結果は必然だ。」
東城 丈一郎
国語 98点
数学 100点
社会 99点
理科 100点
英語 100点
合計 497点 学年2位
「ひゃ…100点を3つも⁉︎」
「しかも、国語と社会もほぼ満点に近い…」
「まぁ…揉め事を起こさないように家で予習をしていたのが良い方向に転んだ。だけだ…あとはカルマと同じだ。」
もう少しだけって言いながらテストの範囲から15ページも進んだ辺りから高速テスト勉強じゃあなくて高速予習講座の間違いじゃあねーか……なんて思ったが、結果良い方向に転んで良かったよ。
「でも、俺は校舎に戻るつもりは無いよ。暗殺やってた方がずっと楽しいからねジョジョ?」
「楽しい楽しくないは俺にとってはどうで良い。ただ、俺はこの教室にいる方が都合が良いからあんたが居ようがいまいが最初から出る気は無い」
「相変わらずジョジョは素直じゃあないね〜…んで、そっちはどうすんの?50位取れて無いからと言って逃げ出すつもり?それってさぁ、殺されんのが怖くて逃げたいんじゃないの?」
ピク……とせんせーの顔に血管が浮く。
やれやれ…こいつの茶化しはこういう時は役に立つのにどうしてその頭を回転の速さをもっと他の事に活かせないのかねぇ……まぁしばらくは無理な話か
「なーんだ、殺せんせービビってたんだ」
「それなら言ってくれれば良いのに」
「ねー、怖いから逃げたい、て」
「にゅああああああああ 逃げませんよ!!期末テストでリベンジしてやりますよ!!」
中間テスト……今思えばあれが俺たちが最初にぶち当たった大きな壁だった。殆どの連中は満足な結果は得られなかった。だが、彼らは初めて心の中で自分がE組である事に胸を張った。
後書き
殺せんせーがE組に残る事が確定し。賑やかなムードの中、丈一郎は上位50人のリストを見る。
「…………」
浅野 学秀 500点・・・1位
「野郎…次は負けねぇ……」
理事長に会った時から湧き上がる怒りにも似た闘争心をグッと抑え、丈一郎はリストをゴミ箱へと投げ捨てた。
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