| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

60.空にそびえる鉄の城。でも、ロボットではありません。ロケットなパンチもありません。

<天空城>

朝一で天空城(笑)に帰ってくると、みんな待ちくたびれていた。
俺もかなりくたびれていた。(ダブルヘッダーはきつい)
ゴールドオーブを手に入れた事を告げると、みんな喜んでくれたが…
スノウとザイルを紹介したら、空気が変わった。
しかも、スノウの自己紹介で最悪なムードになった。
だって「リュー君の愛人(希望)です」って言うんだもん!
子供達、引いてますよ!
そりゃそうですよ。
母親を捜す旅に出ているのに愛人(希望)を連れて帰るなんて…

ティミーは男だから、いずれ分かってくれるだろう。
問題はポピーですよ!
『お父さん、不潔!』的な目で睨まれてますよ!
いや、違うんですよ!
そう言うんじゃないんですよ!
いや…そう言う事昨晩しちゃったけど、違うんですよ!

何かいい訳しないと…
「リュカはお盛んですね」
って、おい!プサン!
余計な事言うな!
お前黙ってろ!

「ふ~ん…お父さんは、お盛んなんだ。ふ~ん…」
キャー!
たすけてー!
リュリュは姉弟が出来るーって、喜んでくれたのに!
フレアさん押し倒した時も、気を使ってくれたのに!
「まぁまぁ…ポピーさん。落ち着いて」
プサ~ン…
「お父さんは男なんですよ。こう言う生き物なんですよ」
フォローになってねぇーよ!バ~カ!(泣)

ポピーとドリスにジト目で睨まれながら、プサンにゴールドオーブを手渡した。
プサンはゴールドオーブを台座にセットし、中央の操作台で瞑想を始める。
大きく天空城(笑)が揺れ、浮かび上がる感じがする。
「ふむ…これ以上高度は上がりませんか…ま、いいでしょう」
どうやらプサンが思っていた程、高くは浮かなかった様だが、これで正真正銘の天空城になったみたいだ。

てな訳で、天空城探索ツアー開催!
湖の前で待機していた仲間を拾い、城内を探索する。
どうやら天空人はしぶとい生き物の様だ。
あの状態だったのに殆どの天空人が生きている。
コックローチの様なしぶとさ。
プサンはみんなの無事な姿を見て、懐かしんでいたのだが急に、
「リュカにお願いしたい事があるのですが…」
と、真面目ぶった表情で話しかけてきた…
きっと面倒事だ!



<ボブルの塔>
スノウSIDE

何だかよく分からないけど私達は今、ボブルの塔と呼ばれるダンジョンを攻略中なの。
リュー君があのヒゲメガネに頼まれて、何かを探しに来たみたいなんだけど…何を探してんのかよく分かんな~い!
私はリュー君とイチャイチャ出来れば何だっていいんだけどね。

この塔は最上階からロープで進入する造りになっている。
めんどくさい造りね!
ロープを伝って下りる時に、リュー君の腕を放さなければならないのが頭にくる!
リュー君ってば、お子さんの前で恥ずかしいのか、
「ちょ…スノウ…離れて歩いてくれない!?動きづらい…」
だって。
も~テレちゃってぇ~!カワイイー!!
「よりによって人間だけのパーティー構成の時に…」
って、ぶつぶつ囁いてたの!
恥ずかしがり屋のリュー君!ちょーかわいー!!


いま、塔の地下の広大なダンジョンを彷徨っているの。
とてつもなく邪悪な気配が充満するダンジョン…
リュー君を見ると、さっきまでは優しい笑顔だったのに今は緊張した面持ちになっている。
でも、真顔のリュー君もステキ!

「お父さん…凄くイヤな気配がするよ…奥に…強い敵が居る!」
ティミー君が泣き言を言っている。
「うん、そうだね。お父さんはこの気配を…この敵を知っている!かなり強い敵だ!(クスッ)…でもティミーは伝説の勇者様なんだから、何時でも余裕ぶってないとダメだよ」
リュー君が優しくティミー君を諭す。
………カッコイイ………
私…邪魔しない様に少し離れてよ…


「ほ~っほっほっほ。まさか、これ程までに邪魔な存在になるとは思いませんでしたよ…リュカ!」
私達の前に、紫色のローブを纏った気色の悪い奴が現れた…この場に居るだけで気分が悪くなる!
「ゲマ!!!」
リュー君はコイツを知っている!
普段見せた事のない形相で睨んでいる!

怖い…こんな怖いリュー君もいるんだ…
「やはり…あの時、お父上と一緒に殺しておけば良かったですねぇ~」
「な!!コイツが旦那様を…パパス様を!」
サンチョちゃんが怒りに震えてる…
「それとも、デモンズタワーで、夫婦揃って殺しておくべきでしたか…」
「コイツが僕達のお母さんを!」
「許せない!!」
ティミー君とポピーちゃんが身構える。

「まぁ…いいでしょう…過去の失敗は、今是正すれば!」
「(クスッ)…出来もしない事を言うな、ボケナスが!」
こんな禍々しく強烈な邪気を発する相手に、怯んだ様子もなく貶すリュー君…
凄いし、格好いい!

「ほ~っほっほっほ…言ってくれますねぇ、リュカ!!さぁゴンズ!やってしまいなさい!」
紫の奴の後ろから、ブタとカバを混ぜて不細工にした様な奴が現れた。
「げ~はっはっは!俺様がお前らをミンチに…し…ぐ………」
しかしゴンズと呼ばれた化け物は、馬鹿笑いしながら喋っている最中に、首が切断され頭が落下する…自分の首が切り落とされた事に気付かなかった様だ。
いや…ゴンズだけではない!
私達皆、リュー君が何時斬りつけたのか分からないでいる。

そして、そのリュー君は既にゲマ向けて凄まじい剣撃を叩きつけている。
洞窟内の壁や天井を使い、非常識な角度から非常識な連撃を浴びせている。
私達が援護をする隙がない。
リュー君の怒りに任せた激しい攻撃が、ゲマを追いつめていく。
「くっ!これ程までに強くなっているとは!!」
ゲマに先程までの余裕は無くなっている。
「ビアンカを何処へやった!」
「なるほど…一撃で私を仕留めないのは、それを聞きたいからですか…」
「いや…お前を嬲りたいだけだ…」
リュー君が薄ら笑いを浮かべながら、ゲマの左腕を切り落とす。
勝負あったわね!

「ほ~っほっほっほ…いいでしょう。今回は私の負けにしてあげます。勝者の貴方に情報を差し上げましょう」
ゲマは余裕をカマして嘯き始めた。
「お探しの奥さんは…セントベレス山頂の大神殿に居ます。頑張って登ってみるのですね。ほ~っほっほっほ」
「光の教団の総本山か…」
リュー君は、そう呟くとゲマの身体を突き刺した!無表情に…
「ん!?手応えが…」
「ほ~っほっほっほ。この身体が私の本体だと思っていたのですか?おめでたいですねぇ…私の本体は魔界にあるのですよ。魔力が大きすぎて、今あるゲートでは通り抜けが出来ない。ほ~っほっほっほ。残念でしたねぇ…絶望なさい!」

ゲマに突き刺したリュー君の剣が、ゲマの身体に浸食されゲマ諸共崩れ去る…
私達の間に、酷い徒労感が漂っている。
ゲマの嫌悪感より…リュー君の本当の姿への恐怖感が…

でも…でも、私は挫けない!
そんな所も含めて、リュー君が大好きだから!
だから、悲しそうな表情で佇むリュー君に抱き付く!
優しいリュー君に戻ってもらいたいから!
奥さんが居ようが、子供が居ようが、関係ない!
リュー君の事が大好きだから!
私の心はリュー君でいっぱいだから!

スノウSIDE END



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧