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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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59.過去に犯した過ちは、いずれ未来で償う時がくる。大小違いがあるけどね。

<妖精の国>

泣く事に集中しすぎてポワン様の胸の感触を味わう事を忘れました。
「あの…もう1回その胸で泣いていいですか?」
「顔がにやけているからダメです」
ちぇっ!

少しポワン様と大人な会話(近況報告とか今回のお礼とか)をし、帰ろうかと思った時に隣の部屋から騒がしい面子が押し寄せてきた!
「リューくーん!!」
真っ白いドレスに、スリットが深く入ったスカート。
それにマッチしていない青紫のスカーフを首に巻いた、ナイスバディの美女が抱き付いてきた!
オッパイが柔らかい!

「もー!こっちに来ているなら会いに来てくれてもいいじゃない!」
誰?
「こら、スノウ!!リュカだって忙しいのよ!アンタなんかに構っている暇ある訳無いでしょう!」
あ!
この娘は確か…
「そうだぜ。スノウ!リュカは天空城復活の為に動いてんだぜ。オイラ達に構ってられないよ」
コイツ誰?
居たっけ?
俺の目の前でギャーギャー騒ぐ三人を見ながら、必死に記憶を呼び覚ます。

え~と…こっちの女の子は…確か…!
ベラだ!
そうだよ、ベラだ!
ピンクのパンツのベラだよ!
何度かボコられたけ…

こっちの美女は…スノウ?
………あ!雪の女王スノウだ!
相変わらず良い女だ!
ご馳走になりたいね!

そのチビは誰だ?
全然思い出せん!
「な、なぁ…もしかして…オイラ達の事忘れてないか?」
「ベラとスノウは覚えているんだけど…君、誰?」
「ちょ…そりゃないだろ!壮絶なバトルを繰り広げたオイラ達だろ!」
バトルぅ?
「妖精の世界でバトった覚えは無いのだが?」
「リュカ、安心して。貴方は妖精の世界では1度も戦闘をしていないわ。このザイルが勝手に襲いかかって自爆しただけだから」
「………あぁ…そ…ザイル君て言うんだ。初めまして、よろしく」
「そんなぁ~つれないなぁ~」
6歳の時の事など事細かに覚えている訳ねぇーだろ!
特に男の事なんか…

「そんな事より、リュー君!責任取って下さい」
せ、責任!
何事!?
俺またやっちゃった!?
子沢山か俺!?

いやいやいや!
ないないない!!
ありえない!
あの時俺6歳よ!
ムリだから!ムリ!

「春風のフルート事件の後…私、雪の女王を解任されちゃった!責任取ってよぉ!」
俺関係無いじゃん!
自業自得じゃん!
やめてよ、悪質な言い掛かり!
『責任取れ』なんて、前科持ちの俺にはNGワードですよ!

「自業自得って言葉、知ってる?スノウ…」
「私、リュー君に付いて行く事に決めた!ここにいても暇だし」
うわぁ~何、この女…
「あのね、スノウ…今「それに聞いたわよ」
ナニヲデショウ?
「今、奥さんが行方不明中なんでしょ。夜…寂しいでしょ…私が紛らわしてア・ゲ・ル!」
「一緒に行きましょう!」
俺の暴れん坊将軍が勝手に指令を発した。

「リュカ!オイラも一緒に行って手伝ってやるよ!助けて貰った借りを返したいからな!」
え~!
お前はいいよぉ~…
「何でそんなにイヤそうな顔なんだよ!」
「ソンナコトナイヨ。イッショニガンバロウ」
まぁ…賑やかな方がいいだろ…
俺の危険度も減るし。

「リュカ…助かるわぁ~その喧しい連中を引き取ってくれて」
ベラがホッとした様に笑顔を見せる。
しくぢりましたか?俺!?
「ベ、ベラも一緒に行こうよ。僕、ベラの事が好きなんだ!」
飼育係が必要かもしれん!
ベラに押し付けねば!
「私、アンタ達の事嫌いだからヤ!」
実も蓋も底も無い事を言われました。



<サンタローズ>
フレアSIDE

リュー君が桜の木へ吸い込まれる様に消えてから、随分と時間が経過した。
リュリュは疲れたらしく、部屋に戻って眠ってしまった。
私はリュー君が心配で部屋に戻れないでいる…

不意に桜の木が光だし、目前にリュー君が現れた!
「リュー君、お帰り!」
「ただいま。待っていてくれたんだ…ありがとう」
リュー君に抱き付こうとした時、
「なぁ~に?この村ぁ…随分と荒れ果てているわねぇ~」
リュー君の後ろから、露出度の無駄に高い女性が現れた。
随分と服装に合ってない、青紫のスカーフを巻いている。

「リュー君?そちらの方は?」
「あぁ…紹介するね。妖精の国からやって来た、スノウとザ…ザ…ザクロ…君?」
「ザイルだ!間違えんなよ!」
「あはははは、メンゴ!」
妖精の国!?
本当に行ってきたんだ…

「それでリュー君!ゴールドオーブは…」
「うん。この通りバッチリ!」
リュー君は懐からゴールドオーブを取り出した。
私には先程の宝玉と違いが分からないが、リュー君がバッチリと言っているのでバッチリなんだろう。

「リュリュは…もう、寝ちゃった?」
「うん…ごめんね…」
「いや…しょうがないよ。こんな時間だしね。寝顔だけでも見てきていいかな?」
「是非…お願い」
部屋に入っていくリュー君とザイル君。(何であの子まで?)
残ったスノウさんは、私の事を睨んでいる。

「アンタ、リュー君の何なの?」
…私っていったいリュー君の何?
「さぁ…近しい知人…ですかね…」
「ハン!私は、リュー君の愛人(予定)よ!アンタと違ってリュー君に付いて行くんだからね!」
先程の私とリュー君の会話から、何かを感じ取った様で私につっかっかってくる。
私程、濃密な時間は過ごして無いクセに!

「あら、愛人(妄想)さんですか。大変ですねぇ…リュー君、もてますからねぇ…」
「な、何よ!余裕カマして!」
「余裕なんて無いですよ…私には娘が居ます。リュー君との間に出来た…その子育てでいっぱいいっぱいです」
私とリュー君の子…ついつい自慢したくなるわ!

「な!こ、子供!い、いい気になるんじゃないわよ!私だって子供の2.3ダース、すぐに産んでやるわよ!」
「あらあら、大変。出産、子育てをしながらリュー君の旅に付いて行くのですか!?足手纏いにしかならないですね」
「うっ…そ、それは…」
「辛くなったら、何時でもサンタローズに来て下さい。出産も子育てもお手伝い致しますから。愛しいリュー君の子供の為なら、私頑張っちゃいますよ」
スノウさんは何も言い返せず、泣きそうになっている。
ちょっと言い過ぎちゃったかしら?

「こらこら…いい大人がケンカしない!リュリュが起きちゃったでしょ!」
「あ…ごめんね…リュリュ」
「ううん、大丈夫よ…お母さん。お父さんに抱っこしてもらっちゃたし」
リュー君に抱っこされている。
いいなぁ~…実の娘に嫉妬してしまう…リュー君は格好良すぎるよ。
「リュ~く~ん!私も子供産む!リュー君の子、産む!」
「お父さんの子供?じゃぁ、ティミー君やポピーちゃん以外に姉弟が増えるのね!?」
「だったら、私が産むわ!リュリュには父も母も同じ姉弟が必要よ!」
「ちょ、みんな…落ち着いて下さい。」

「リュカ~…大変そうだな!オイラも手伝ってやろうか?」
「お前は」アンタは」君は」黙っててよ!!」
「ご、ごめんなさい。そんな…みんなして怒らないでよ!」
こうして夜は、更けていった。
結局リュー君達は一晩泊まっていってくれた。



………リュー君…体力…あるのね…二人がかりだったのに………



 
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