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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1692話

 財団連合についての情報は、すぐに知られる事になった。
 ……何しろ、向こう側がわざわざ通信回線を使って、手を結んだ事を知らせてきたのだから、それは情報が出回るのも当然だろう。
 放送ジャックって奴か。
 しかも通信画面越しにではあるが、デキムとデルマイユが和やかに会談をしている光景すら見せつけたのだ。
 この2人って、水と油的な感じだと思ってたんだけど……意外な展開だったな。
 敵の敵は味方的な感じか?
 ともあれ、その通信によって財団連合については瞬く間に広まったと言ってもいい。
 ……どうせ同盟を組むのなら、実際に攻撃を開始するまで秘密にしておいて、実際に戦闘になってから公表した方が相手を驚愕させる事が出来ると思うんだが……
 いや、それともこの放送自体がトレーズ派に対する降伏勧告なのか?
 もうお前達に勝ち目はないと、そう宣言する感じで。
 だが、トレーズ派は文字通りの意味でトレーズを信奉する連中だ。
 そうである以上、例え自分達が不利でも降伏するような事はないだろう。
 それが出来るのなら、それこそ最初からトレーズが嫌っているMDも戦力として揃えているだろうし。
 だが、連中はトレーズが嫌っているMDを使うような事は絶対にない。
 そんな連中の集まりである以上、財団連合なんてものが出来ても降伏するか? ……否、だろう。
 恐らく最後まで戦うか、散らばって逃げる事になる筈だ。
 もしくは、トレーズ派の名前通りトレーズが出てきたり、トレーズの友人でもあるゼクス辺りが出てくれば、話は別かもしれないが。
 ……ああ、そういう意味では財団連合の方も同じなのか?
 いや、寧ろ信念らしい信念を持っている者が少ないだけに、逃げ出すという意味ではトレーズ派よりも厄介だろう。
 うーん、そうなるともしかして炎獣を従えているという形になっているサラマンダーで出撃した方がいいのか?
 それはそれでありかもしれないが……微妙に難しいところだな。
 サラマンダーと炎獣は、あくまでもバルジとセットで運用した方がいいだろうし。

「アクセル、財団連合ですってよ。どうするの?」

 どこか笑みを含んだ声で尋ねてくる凛に、ピースミリオンのブリッジにいる面々の視線が俺に集まる。

「どうするって言われてもな。……こっちにとっては、寧ろチャンスだと思ってるんだが」
「チャンス? ……ああ、バートン財団を潰せる意味的な?」
「今までなかなかその姿を見せなかったからな」

 腐ってもバートン財団……宇宙で名前を知られているだけあって、その姿はなかなか発見出来なかった。
 小部隊のバートン財団らしき部隊とは、連合軍も何回かぶつかっているらしいが……俺達がX-18999コロニーから逃げ出したバートン財団と遭遇したのは、トーラスの生産施設がある小惑星の一件だけくらい、か?
 そういう意味では、こっちにとって上手い具合に踊ってくれていると表現してもいいだろう。

「じゃあ、このままトレーズ派が潰れるのを見ているのか? まぁ、コロニーの近く以外で戦うのなら、構わないけどよ」

 あくまでもコロニーが優先だとするデュオだったが、他の者も大体同じ感じだ。
 ……まぁ、シャドウミラーの面子はコロニー出身者も多いからな。
 明白に地球出身なのはハワードの部下達くらいか。
 ただ、そのハワードだって元々はプロフェッサーGと共に宇宙出身なのを考えれば、ハワードの部下にもコロニー出身者がいる可能性はある。
 あるいはコロニー出身者じゃなくても、コロニー側に味方している、みたいな奴も多いし。

「それにしても、バートン財団と財団派が手を組むとはな」

 不機嫌そうに五飛が言い捨てる。
 まぁ、五飛の性格から考えても、財団連合という存在とは相容れないのだろう。
 すぐにでも、アルトロンガンダムで戦いたいと、そう雰囲気で物語っている。
 五飛的な正義にとって、財団連合は悪といったところか。

「サリィ、財団連合の動きは?」

 ちなみにこの財団連合という言葉、俺が適当に付けた名前なんだが、連合軍の方でも採用され、正式名称になっている。
 いや、この場合正式名称という風にはならないのか?
 この場合の正式名称は、デルマイユやデキムが名乗った名前の筈だし。
 だが、バートン財団とロームフェラ財団という2つの組織の長は、当然自分の組織に強い拘りを持つ。
 寧ろ、仲違いしないで上手くやれている時点で不思議でしかない。
 それだけに、組織名を変える……といったことは双方にとって許容出来ないのだろう。
 手を組むというだけで、最大限に譲歩しているといったところだ。

「現在戦力を集めているようです。トレーズ派の勢力圏にあるコロニーを順番に制圧していくものかと。それに対抗するように、トレーズ派も戦力を集めています」
「だろうな。財団連合の件は大々的に公表された。その動きも当然のように多くの者が注目している。そうである以上、ここでトレーズ派が戦闘を避けるといった真似をすれば、世界中にトレーズ派のその行動が見咎められてしまう」

 逃げずに真っ向から受けて立つしかなく、正面から戦えばMDを主戦力とする財団連合が有利、か。
 正直なところ、この状況でトレーズ派が生き残る方法というのは、そう多くない。
 いや、矜持とも呼べるものを捨てれば、まだトレーズ派が生き残る芽もあるだろう。
 だが、矜持を持つからこそトレーズ派なのであり、それを捨てればトレーズ派とは呼べなくなる。
 ……MDを採用したり、それこそ連合軍に協力を求めてきたり、といった感じで。
 そんな行動をするトレーズ派を、トレーズ派と周囲の者達が認めるか?
 答えは……否だろう。
 いや、勿論中にはそれでもOKって奴もいるかもしれないが。

「ウイングゼロが完成していれば、そこにちょっかいを出しても面白かったかもしれないな」

 ミロンガ改、もしくはサラマンダーで乱入しようと計画していることを隠しながら、そう呟く。
 実際、MDのトーラスを主力としている財団連合に対しては、ツインバスターライフルという強力な攻撃力を持つウイングゼロがこれ以上ない程に有利に働く。
 何しろ、ビルゴと違ってバリアの類は持っていないのが大きい。

「一応連合軍としては、トレーズ派と財団連合の戦いには介入しない予定なのですが」

 サリィがそう告げるが、ここで介入する方が戦いを有利に運べると思えるのは俺だけか?

「別に最初から三つ巴という形にしなくても、漁夫の利を得る為に途中で戦いに乱入……もしくは、戦いが終わって疲弊しているところに連合軍が攻撃を仕掛けるとか、そういう感じはどうだ?」
「いえ、普通の戦いならそれもいいのですが、今回の戦いは恐らく……いえ、間違いなく財団連合によって戦闘を録画されています。そうである以上、そこで連合軍が漁夫の利を得るような真似をした場合、間違いなく財団連合はそれを利用してきます。世論の反発を考えると……」
「漁夫の利という訳にはいかない訳ね」

 凛の言葉に、サリィが頷く。

「なら、漁夫の利じゃなくて、最初からその2つの勢力に攻撃を仕掛けるというのは? それなら、映像データがあっても問題ないんじゃないか?」

 思いついたように言う綾子の言葉。
 世論が云々という話であれば、そのアイディアはいいんじゃないかと、そう思ったんだが……再びサリィは首を横に振る。

「いえ、残念ながら……その場合、敵の敵は味方という事で、自分達が生き残る為、トレーズ派と財団連合が手を組む可能性もあります」
「なるのか? トレーズ派が財団連合と手を組むとは思えないが」
「五飛、人間追い詰められれば何をやるのか分からないのよ? それこそ、一瞬前まで敵対していた相手であっても手を組むくらいはするかもしれない。そこまでいかなくても、一時的な停戦くらいはする可能性が高いでしょうね」
「トレーズ派がそこまでするか?」

 五飛がそう呟くが、トレーズ派だからといって完全に安堵する事が出来ないのも事実だ。
 そもそもの話、OZというのは連合軍と敵対していたのだから。
 ましてや、原作でもコロニーを占領してトレーズに切り捨てられた者もいる。

「となると、やっぱり様子見か。……もしくは、連合軍が動かないのならシャドウミラーだけで出撃するというのは?」

 連合軍が戦力を減らしたくないと考えているのは、トレーズ派はともかく、財団連合の主戦力はMDだからこそだろう。
 MD同士での戦闘となれば、当然のように消耗が大きくなる。
 ……それを考えた上でも、宇宙の覇権を完全に連合軍のものにするとなれば、ここは出撃した方がいいと思うんだが。
 ともあれ、連合軍が出撃しないのであれば、連合軍の代わりに俺達が出ても構わない。
 MDというのは一定以下の技量のパイロットに対しては圧倒出来るが、一定以上……具体的にはガンダムのパイロット級を相手にした場合、木偶人形でしかない。
 そしてシャドウミラーには、俺、綾子、五飛、デュオといった風にガンダムのパイロット級の能力を持つ者が全部で4人いる。
 MDを相手にしても、全く問題なく戦えるだろう。
 ましてや、有人機を主戦力としているトレーズ派においては戦っても圧勝となる筈だった。
 だが、そんな俺の言葉に、再びサリィは首を横に振る。

「先程も言いましたが、今回の戦闘はほぼ間違いなく映像データとして残されています。そうである以上、連合軍が参加していないのにシャドウミラーだけが参加をしている映像というのは、色々と不味いですから」
「あー……なるほど。連合軍が目立たないうちにこの戦いが終わってしまうか」
『……』

 何故か、部屋の中にいる何人かが、俺の言葉を聞きながら信じられないといった表情をこっちに向けてくる。

「やっぱりアクセルは自分達が戦闘に参加すれば、その時点で自分達の勝ちだと認識してるんだな」
「そうだな、けどそれはデュオだって理解している筈だろ?」

 デュオの言葉に短く言葉を返すと、それを聞いたデュオは納得したように黙り込む。
 自分達の実力を客観的な目で見て確認しているからこそだろう。

「とにかく、この2つの勢力の戦いを、連合軍は見てるだけ……で、本当にいいんだな? このままの流れでいけば、ほぼ間違いなくトレーズ派が消滅して、それだけ財団連合の力が大きくなるけど」
「ええ、構いません。寧ろ財団連合には大きくなって貰う必要があります。そうすれば、その図体の大きさから、どこかに隠れようとしても今まで以上に目立つでしょう」

 ああ、なるほど。そっちの方が寧ろ狙いなのか。
 バートン財団が姿を隠して隠密行動していたおかげで、連合軍はバートン財団を見つける事は出来なかった。
 そうである以上、逃げたくても逃げられない……もしくは隠れてもすぐに見つかるくらいに大きくなって貰う必要があったのだろう。
 ……まぁ、それでも攻撃して財団派と纏めて財団連合を叩けば、最終的には細かく散って逃げていくような気がするけど。
 それでも少しでも財団連合の戦力を削るという意味ではありなのだろう。

「それならそれでいい。俺達も手を出さないって事で」
「そうして貰えると、こちらとしても助かります」

 サリィの言葉に、頷きを返す。
 もっとも、あくまでもシャドウミラーとして動かないだけで、ミロンガ改かサラマンダーで出撃する気は満々なのだが。
 そっちの機体は俺だと知られてない以上、問題はないだろう。

「……で、宇宙はそれでいいとして、地上の方はどうなってるんだ? 地上でもこの前財団派が中東連合と戦闘になったが」

 丁度俺がムウ・ラ・フラガとして地上に介入した時だな。
 財団派の連中にとって、エンデュミオンの鷹というのは非常に厄介な存在だろう。
 それが地球と宇宙に構わずに現れるとなれば……財団連合の面々は、胃を痛める可能性も決して否定出来ない。

「中東連合と財団派は、最初程大規模ではありませんが、小さな戦闘を繰り返しています」
「……だろうな」

 財団派……正確にはそれを指揮しているロームフェラ財団が中心に活動している欧州と、中東連合が活動している中東というのは地続きで繋がっている。
 そうなれば、当然戦いが皆無という事はないだろう。
 ……これがトレーズ派であれば、中東連合と上手くやろうと考える奴がいてもおかしくはないが。

「そっちも連合軍は見てるだけなの? 宇宙と違って地球上では制約らしい制約もないんでしょ?」
「ええ。ですが連合軍にとってはなるべく被害を押さえたいと思うのも当然ですから」

 そう告げるサリィだったが、本人も現在の連合軍の状況を面白く思っていないのは間違いないんだろう。
 そんな風に考えながら、暫くは会議の成り行きを見守るのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1140
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1330 
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