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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1691話

 濃密な1日が終わりを告げ、いつものように気怠い朝に目を覚ます。
 もっとも、朝といってもここはピースミリオンの中だ。
 朝日などというものがある訳ではなく、単純に部屋の時計が朝の訪れを告げる。
 視線を左右に向けると、そこにはいつものように一糸纏わぬ姿で深い眠りについている凛と綾子の姿がある。
 今日も仕事だからという事で、それなりに手加減はしたんだが……それでも凛と綾子にとっては体力的な限界を迎えたらしく、こうしてぐっすりと眠っている。
 正直なところ、この部屋が防音で良かったとつくづく思う。
 今までは連合軍の官舎を使ったりしていたので、夜の生活は色々と自粛しなければならなかったが、ピースミリオンはシャドウミラーの船という事で、その心配はない。
 その辺りはスライムを使ってしっかりと調査済みだ。
 そんな訳で、気兼ねなく2人と夜を楽しむ事が出来るようになったのはいいんだが……体力的な問題がな。
 元々ホワイトスターにいる時の生活を考えると、凛と綾子の2人だけで……ってのは、色々と厳しいのだろう。
 そんな事を考えながら、2人の滑らかな……戦いに身を置いているとは思えない程に滑らかな肌を眺めていたのだが、汗やら何やらを流す為に部屋に付属しているシャワー室に向かう。
 ピースミリオンにも、当然の事ながらシャワールームはついている。
 風呂の類はないのだが。
 この辺、軍艦に風呂を期待するなって事だろう。
 まぁ、軍艦……というか宇宙空間にあるだけに、ピースミリオンの中の温度は一定に保たれている。
 これで気温が1℃とか2℃に設定されていれば風呂が恋しくなるんだろうが、23℃くらいの、一番快適に過ごせる気温に設定されてるんだよな。
 いやまぁ、俺の場合は生身で宇宙空間に出ても全く問題がないので、その辺りの心配はいらないんだが。
 シャワーで汗を含めて様々なものを流し、部屋に戻る。
 するとそのタイミングで通信の着信音が周囲に響く。
 ……ちっ、また厄介な時に通信を送ってきてくれるな。
 以前にも同じような事があったような……そんな思いを抱きつつ、通信のスイッチを入れる。
 凛と綾子の事も考えて、音声のみでの通信だ。

『アクセル代表……はぁ、またですか?』

 映像モニタがついていないのを見て、こちらの事情を察したのだろう。サリィは呆れた声で呟く。

「それで、用件は? まさか、小言を言う為に通信を送ってきた訳じゃないんだろ?」
『それはそれでありかもしれませんが……凛や綾子の友人として、アクセル代表にはしっかりと話す必要があるのではないかと思いますし』

 こちらに向けられる声には、もうこれ以上言っても仕方がないといった感情がある。
 恐らく映像モニタが切れていなければ、呆れた表情をこちらに向けているのだろう。
 視線を背後に……ベッドに向けると、そこではこうして近くで通信をしているにも関わらず、凛と綾子の2人は起きてくる様子がない。
 余程に体力を消耗したのだろう。
 ともあれ、サリィは少し呆れた口調のままに説明を続ける。

『実は今から3時間程前になりますが、財団派が大きな動きを見せました』
「……財団派が?」

 俺の声には、自分でも分かる程に意外といった感情が滲んでいる。
 当然だろう。ただでさえOZはバルジが消失したという理由から宇宙に残っている戦力は多くなかったのに、それに加えてトレーズを幽閉した件の内輪揉めで分裂している。
 更に言えば、トレーズ派と財団派の戦いにはエンデュミオンの鷹が乱入しては、財団派の戦力を削っているのだ。
 その状況で、よく大きな動きと言える程の動きを見せられるものだ、と。
 感心してしまうのは俺だけじゃないだろう。

『ええ。ただし、こちらに内応している相手からの情報によると、財団派はバートン財団と手を組んだとか』
「……何?」

 それは、明らかに俺にとっても予想外と呼ぶべき情報だった。
 OZ……いや、ロームフェラ財団とバートン財団は、とてもではないが関係が良好とは言えない。
 トレーズの娘のマリーメイアの件を考えれば、もしかしたら可能性はあったのかもしれないが……それ以前に、今のロームフェラ財団はトレーズを邪魔者として排除したのだ。
 それを考えれば、やはりバートン財団と財団派が手を組むというのは疑問だ。

「どっちが主体となってるか分かるか?」
『残念ながら、そこまでは……こちらの手の者も、そんなに多いという訳ではありませんから』
「そうか。……けど、考えようによってはこっちにとってもいい事かもしれないぞ? 今まで逃げ回って殆ど姿を現さなかったバートン財団が、表だって動いてくれるんだから」
『そうですね。こちらでもそう予想はしています。……アクセル代表、もしかしたらシャドウミラーは地上に降りるよりも前にこちらの方を先に担当して貰う事になるかもしれませんが……』
「その辺は後で凛と話してくれ」

 ベッドの上で艶めかしい程に白い、魅力的な肌を露わにして眠っている凛を見ながらそう告げる。

『……そうですね。出来ればこの通信で話をしたかったんですが、そういう訳にもいかないようですし』

 そんな俺の言葉に返ってきたのは、どこか不満そうなサリィの言葉だった。
 あー……まぁ、この話に参加する筈の凛は、今はこうして意識を失ってるしな。
 そう考えれば、サリィが不機嫌になるのは決して分からない話ではない。

「とにかく、財団派とバートン財団の同盟についての情報をもう少し詳しく集めて欲しい」
『はい、それは言われるまでもなく既に行動中です。……アクセル代表が持っている、傭兵団の情報網にはこの情報は入ってこなかったんですか?』
「ああ、残念ながら全くな。地上ならまだしも、宇宙に俺の情報網なんて殆どないし」

 そう告げるが、元々俺が持っている情報網というのは存在しない。
 いや、ホワイトスターに行けば話は別だが。
 この世界で俺が情報網から得た情報というのは、原作知識からのものだ。
 当然、原作の流れとは全く違う歴史を辿っている今のこのW世界では、全く役に立たない……とは言わないが、全幅の信頼を置けるという程でもない。
 こうなると、これからは少し注意する必要があるかもしれないな。

『そうですか、分かりました。とにかく凛と綾子が起きたらブリッジの方に顔を出して下さい。これからの事を相談する必要もありますから』

 そう告げ、サリィからの通信が切れる。
 ……さて、本当にこれはどうしたものかな?
 サリィに言ったように、バートン財団と財団派が手を組んだというのは、こちらにとっては悪い話ではない。
 そもそも、宇宙のOZはバルジの件もあって元々戦力は少なかった。
 それがトレーズ派、財団派と2つに別れたのだから。
 ましてや、炎獣やエンデュミオンの鷹の件もあって、ただでさえ少ない戦力が更に減っている。

「待てよ?」

 炎獣にエンデュミオンの鷹。せっかく2つの組織が……それもコソコソと動き回っていたバートン財団が表舞台に出て来てくれたのだから、ここは少し頑張る必要があるか。
 そもそも、現在はかなり勢力の数が多くなっている。
 そろそろ夏も終わりに近いんだし、出来れば原作と同様に今年中にこの騒乱には始末をつけたい。
 だとすれば、この辺りでバートン財団と宇宙の財団派は潰しておきたいというのが、俺の正直なところだ。
 ……財団派の場合は、あくまでも地上にいるのが本隊という扱いなので、そこまで期待は出来ないが、それでも宇宙の戦力をトレーズ派だけにはしたい。
 それと、マリーメイアも出来れば助け出したいとなれば……ここはバルジじゃなくて、エンデュミオンの鷹の出番だな。
 そうなると問題は、いつバートン財団と財団派が動くか、だな。
 2つの組織が手を組んだ最初の軍事行動ともなれば、どちらの組織もお偉いさんが顔を出す可能性は高い。
 出来ればそこでデキムは始末して、マリーメイアは奪取。
 その後トレーズ派に譲渡するというのが正しいだろう。
 ……そう言えば財団派のトップは誰なんだ?
 原作通りだとツバロフなんだが……やっぱりこっちでもツバロフか?
 それならそれで潰しておけるのなら、潰しておきたいところなのは間違いない。
 功名心が強く、自分の研究の為なら暴走しかねない相手なのだから。
 ……研究の為に暴走するかもしれないというのであれば、ガンダムの開発者達も同様だが、功名心を欲しないという点ではツバロフよりも上だな。
 いや、純粋に科学者、技術者としてもツバロフよりは上なのだが。

「ともあれ、方針はこれでいいな。幸い敵はそんなに強いって訳じゃないし。それに狙うのは、間違いなくトレーズ派だ」

 これも半ば確定だろう。
 現在の宇宙の勢力的に見れば、連合軍の一強状態だ。
 それこそトレーズ派、財団派、バートン財団が纏めて戦ってもどうとでも出来るだけの戦力がある。
 MDの数も大分増えてきたしな。
 だとすれば、バートン財団と財団派……一々そういうのも面倒だな。財団連合とでもしておくか。
 その財団連合が狙うべき相手は、やはり自分達よりも勢力の小さいトレーズ派だろう。
 特にトレーズ派は戦力的にMDを運用していないという事もあって、どうしても落ちる。
 個々のパイロットの操縦技能は、財団連合よりも高いのかもしれないが……MDとの戦力差をひっくり返せる程ではない。
 財団連合がどうしても勝ち目のない相手の連合軍と、戦力的に明らかに下のトレーズ派。
 どちらを最初に狙うのかと言われれば、当然それは後者しかないだろう。
 そしてトレーズ派を倒して吸収した後……どうするんだろうな?
 もとから財団連合とトレーズ派が組んで戦いを挑んできても、連合軍には勝てない。
 それは向こうも分かっている以上、トレーズ派を倒して吸収しても、少なからず戦力が減っている筈であり、向こうにはどうしようもないんじゃないだろうか。
 だとすれば……考えられるのは正面から戦いを挑むのではなく、ゲリラ戦か?
 それもまぁ、可能性としてはあるか。

「んん……」

 考え事をしていると、不意にそんな声がベッドの方から聞こえてくる。
 視線を向けると、目を覚ました綾子が気怠そうに周囲を見回しているところだった。
 一流の……いや、超一流の魔術師の凛ではあったが、やはり純粋な体力という面では半サーヴァントの綾子には勝てないんだろう。

「起きたか?」
「あー……うん。アクセルいないと思ったら……」

 手で俺が眠っていた場所を触れていた綾子だったが、俺がいない事に気が付いたのだろう。
 こっちに視線を向けて、半ば寝ぼけた顔で不満そうに呟く。

「悪いな、ちょっと通信が入って」
「通信かぁ……通信……通信!?」

 寝ぼけた様子の綾子だったが、通信という言葉で現在の自分の状況を理解したのだろう。
 慌てたように上半身を起こして、周囲を見回す。
 ……その際、凛よりも立派な双丘が魅惑的な揺れを見せつけたのだが、今の綾子の様子を見る限りではそれは言わない方がいいか。

「安心しろ、映像モニタは切って、音声だけでやり取りしたから」
「……誰と?」
「サリィ」
「うわぁ……それだと、やっぱりあたし達がどんな状況なのか、向こうに知られてるじゃないか」

 顔を薄らと赤く染めている綾子だったが、俺達の関係はオープンになっている現状で今更そこまで恥ずかしがらなくてもいいと思うんだけどな。
 そう思うも、それを口にすれば色々と責められる事になるのは間違いないので、口を閉じるが。

「あー……それで? 何の用件でサリィが? とっとと起きろって目覚ましか?」
「惜しいけど違うな。……何でもバートン財団と財団派が手を結んだらしい」
「……冗談?」
「残念ながら、事実だ。いや、纏めて2つの勢力を消す事が出来るんだと考えれば、残念どころか嬉しいんだけどな」

 俺の言葉に、綾子はどこか呆れた視線を向けてくる。

「それで、アクセルはどうするつもりなの? どうせ黙って見ているつもりはないんでしょ?」
「そうだな。ここは俺じゃなくてエンデュミオンの鷹の出番になると思う」
「ふーん。ま、それならそれでいいんじゃない? ウイングゼロの方もまだ完成してないし、あたしもまだトールギスを乗りこなせるようにはなっていないんだから」

 純粋な身体能力という意味では、綾子はトールギスを操るのに十分なものを持っている。
 それは、原作ではただの人間のゼクスがトールギスを乗りこなしていたのを見れば、全く問題はないだろう。
 だが、操縦の癖とかそういうのは、やはりトーラスとトールギスでは大きく違い……いわゆる、機種転換訓練に手こずっている感じだった。

「そうだな。綾子がトールギスに乗れるようになって、ウイングゼロが完成すれば……宇宙の勢力も一掃した後なら、そろそろ地球に戻ってもいいかもしれないな」

 そう呟き、取りあえずまだ眠っている凛をそのままに、俺と綾子は2人揃ってシャワー室に向かうのだった。
 ……一応、俺はシャワーを浴びたばかりなんだけどな。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1140
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1330 
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