転生とらぶる
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ガンダムW
1684話
ヴィー、ヴィーという音が聞こえ、目を覚ます。
ベッドの上を見れば、体力を使い切ってぐったりとしていた凛と綾子の2人も、非常警報を聞いて身体を起こしていた。
一糸纏わぬ様子の2人は、情事が終わってまだ数時間程度しか経っていないこともあり、かなり疲れた様子だ。
だが、その疲れて気怠げな様子が、凛と綾子の艶めかしさを強調している。
「何よ……お願いだから、もう少し眠らせてちょうだい」
「そう言いたい気持ちは分かるけどな。凛は艦長だろ。非常警報が鳴っている以上……」
そこまで告げると、俺の部屋の通信機に着信の音が鳴る。
現在は色々と見せられない状態なので、音声だけで通信を受け取った。
「こちらアクセルだ。どうした?」
『アクセル代表、もしかして艦長はそちらにいますか?』
通信を送ってきたのは、サリィ。
だが、映像が出ず音声だけのやり取りであっても全く動じた様子を見せないのは、現在俺の部屋の中がどんな状況になっているのかを理解しているからこそだろう。
映像モニタの範囲内に凛と綾子がいない事を確認し、映像をオンにする。
「ああ、お前の予想通りだ」
『やっぱり。艦長の部屋に連絡しても出ないと思ったら……アクセル代表も、そういう行為をするなとは言いませんけど、もう少し節度を持ってですね』
「それより、何があったんだ?」
このままだと済し崩し的に説教が始まりそうな様子だったので、取りあえず向こうの言葉を中断させ、そう尋ねる。
『え? ああ、実はその、地上でOZの財団派と中東連合が戦いになってるみたいなんです』
「……は? いや、それは何がどうなってそうなってるんだ?」
勿論、中東連合がOZや連合軍に対して敵意を抱いているのは知っている。
だからこそ、中東の何ヶ国もが集まって中東連合なんて代物を結成したのだから。
だが、それでもここでOZの財団派が中東連合と戦いになるとは、ちょっと予想外だ。
そもそもの話、OZの財団派はトレーズ派、連合軍と既に二つの勢力と敵対している。
そんなOZにとって、中東連合は味方……とは過去の経緯からとてもではないが言えないが、それでも中立的な立場だった事は間違いない。
中東連合も、OZを嫌ってはいるが、自分からOZに攻撃を仕掛けるというのは普通なら考えられない……と、思う。
どちらかと言えば、中東連合はトレーズ派、財団派、連合軍の3つがそれぞれ戦って戦力を消耗させる事を望んでいた筈なのだから。
というか、戦力的にそこまで高くない中東連合が勝ち残る為にはそれしか方法がないと思うんだが、
その辺、どうなってるんだろうな。
何だか手当たり次第に喧嘩を売ってるようにしか思えない。
現在の財団派を仕切ってるのは……ああ、トレーズが更迭された以上、ツバロフか。
そう考えれば、この展開は納得出来ないでもないのか?
そもそもツバロフはMDの開発者だけあって、MDに絶対的な自信を持っている。
そのMDがあれば、トレーズ派だろうが中東連合だろうが相手ではないと思っている……可能性は否定出来ない。
困った事に、ツバロフの考えは実際に間違っている……とも言い切れないんだよな。
MDはガンダムのパイロット級の操縦技術を持っていれば、問題なく倒す事が出来る。
それこそ、木偶人形と言ってもいいくらいに。
だが……逆に言えば、一般のパイロット程度ではどうしようもない死神にもなるのだ。
デュオ辺りが聞けば、一緒にするなとか言いそうだが。
ともあれ、そんな感じで一般兵士を相手にする分にはMDは圧倒的な戦力となる。
だからこそ、トレーズ派は俺がテコ入れをしなければ既に全滅していた可能性すらあるのだから。
それは中東連合にも言えるだろう。
中東連合には、もしかしたらカトルがいる可能性があるかもしれないが、それでも結局はそれだけだ。
というか、単機での戦闘力はガンダムの中で最低の機体だけに、MDを倒すにも時間が掛かり過ぎるだろうし。
射撃武器がミサイルとバルカン程度しかないしな。
「それで、俺達にどうしろと? 地上に向かえとでも?」
『はい。宇宙は現在連合軍が最大勢力で、OZも内乱をしており、様子見をするという結論になっています。厄介なのは出方の分からないバートン財団ですが、勢力的にはそれ程大きくありません。なので、今の状況でシャドウミラーのような精鋭を宇宙に置いておくのは厄介だと、そう判断されたのかと』
「そう思う気持ちは分かるが……こっちはまだ戦力的に完全じゃないぞ? 特に、ウイングゼロはまだ40%程度しか出来ていないし」
少し前まではまだフレームだけだったのを考えれば、その進捗状況はかなり進んだと言える。
だが、それでもまだ40%程度でしかないのだ。
原作でデュオと五飛がデスサイズヘルとアルトロンガンダムに乗った時も、完成度は100%という訳ではなかった。
だが、それでも曲がりなりにも殆ど完成しており、残すのは最終調整だけという状態だった。
しかし、今のウイングゼロは違う。
文字通りの意味で建造途中なのだ。
また、シャドウミラーが地上に向かった場合、ピースミリオンをどうするのかといった問題もある。
基本的にシャドウミラーの戦力は少ないだけに、MS部隊を地上に降ろしてしまえば、どうしてもピースミリオンの防衛力は甘くなってしまう。
一時的に連合軍に貸し出すか?
いや、そうなれば巨大なピースミリオンだけに、盗聴器やらカメラやらを仕掛けられるのは確実だろう。
それを回収出来るのかどうかは別として。
最悪、連合軍に接収されるという可能性も否定は出来ない。
空母的な扱いのピースミリオンだが、その大きさからかなりのMSを搭載可能だ。
つまり、MDの母艦として考えても十分戦力として考える事が出来る。
連合軍が、それを欲しいと思わない筈がなかった。
幸いと言うべきか、現在の連合軍でMDを相手にしても無双出来る俺達シャドウミラーは、戦力として非常に強力だ。
それだけに、連合軍でも馬鹿な真似は考えないだろうが……それはあくまでもピースミリオンに俺達が乗っていれば、の話だ。
ここでピースミリオンを残して地上に向かえば、連合軍が妙な企みを抱いてもおかしくはない。
セプテムがそんな真似をするとは思えないが、それ以外の面子は妙な事を考えてもおかしくはない。
元々シャドウミラーという外様の存在に面白くない感情を持っている者も決して少なくないし。
そんな風に難しい表情を浮かべている俺の様子に、映像モニタの向こう側にいるサリィは難しい顔をする。
サリィも理解しているのだろう。現在のシャドウミラーが地上に赴くような事をした場合、ピースミリオンがどうなってしまうのかを。
勿論シャドウミラーとしての力を考えれば、そう迂闊な真似をする奴がいる筈もない。
だが、世の中には自分達であれば上手くやると、そう考える者が多いのも事実。
『セプテム将軍に対して、その辺りを話しておけば……』
「セプテムの影響力が強くても、それで軍人全員をどうにか出来る訳じゃないだろ」
元々セプテムは、そこまで高いカリスマ性を持っている訳ではない。
それどころか、純粋なカリスマ性という意味では、セプテムはトレーズの足下にも及ばない。
……まぁ、カリスマ性があればあったで、部下が暴走してしまいかねないという難点もあるのだが。
それこそ、トレーズが望んでないにも関わらず、トレーズ派などというものが出来たのがその証拠だろう。
『ですが、それは……シャドウミラーの戦力を宇宙で遊ばせておくのは、連合軍としてもそこまで余裕がある訳ではないので……』
「だろうな。MDの方も地上ではそこまで使われてる訳じゃないだろう?」
『ええ。一応トーラスを地上で使えるようにというのは、綾子の一件である程度のノウハウがありますし、そこまで手間でもないんですが……そもそも、トーラスの生産ライン自体が……』
「だろうな」
そもそも、今でこそトーラスは連合宇宙軍では普通に使われているし、OZやバートン財団でも普通に使われている。
だが、元々トーラスというのは、OZの最新鋭MSなのだ。
技術的にOZより劣っている連合軍では、トーラスの生産プラントがあっても、そっくり同じ物を作る……という訳にはいかないのだろう。
勿論、技術というのは日々進化しているし、連合軍の整備員がシャドウミラーに協力して高い技術力を得てはいるのだが……整備員の技術力と、トーラスの生産プラントを作る技術力は違うという事だろう。
それだけに、どうしても地上では連合軍がトーラスを作るのに苦戦しているといったところか。
『OZの方ではトーラスを地上でも使ってるんですけどね』
「だろうな」
またしても俺の口から出るのはその言葉。
そもそもの話、トーラスはOZが開発したMSである以上、綾子が地上で使っているのを見て、その優位性を真似しない筈がない。
ましてや、OZにはMDという能力がある。
宇宙用MSのパイロットを地上用MSのパイロットにする手間も何も必要ではない。
「それでも、地上ではまだ連合軍が有利なんだろう?」
『はい。戦力の集中運用で』
ビルゴと違ってバリアの類がない以上、逃げ場がない程に攻撃を集中させれば、幾らMDであっても命中せざるを得ない。
……ああ、なるほど。財団派が中東連合にも手を出したのは、やっぱりMDの性能差があるからか。
連合軍が行っている、攻撃を集中させて逃げ場そのものをなくすという方法……これが出来るのは、連合軍のMS保有数が多い為だ。
攻撃をすれば構わないのだから、リーオーやトラゴスであっても数を揃えればどうにでもなる。
だが、中東連合はそこまで数を揃えられない。
普通に考えると、やはりこの場合有利なのは財団派だろう。
トレーズ派もそれは同様であり……なるほど、そうなると……
「地上での戦いは暫く様子見をした方がいいのかもな」
『本気ですか?』
信じられないといった様子で驚きの表情を露わにするサリィに、頷きを返す。
「ああ。幾ら連合軍の数が多くても、戦力その物は有限だ。実際、財団派との戦いになれば、撃破されるMS……つまりパイロットの戦死者は数多く出るんだろう?」
『残念ですが』
「なら、少しでもこっちの戦力の損耗を抑えて、財団派、トレーズ派、中東連合の3つの戦力によって消耗戦をして貰った方がいいだろ?」
『それはそうですが……』
「まぁ、それが嫌だというのなら、別に戦場に堂々と向かっても構わないと思ってるけどな。ただ、さっきも言ったが今のシャドウミラーはそう簡単に動かせる戦力はない。最低でも、ウイングゼロが出来るまではな」
そもそもの話、俺がバルジを出したり、エンデュミオンの鷹として振る舞っているのは、あくまでもウイングゼロが完成するまでは膠着状態になっていて欲しいからだ。
なのに、地上ではまた財団派が動きを見せるとは……
いやまぁ、戦場の全てが俺の思い通りに動かせる訳じゃない以上、それは仕方がないのだが。
だとすれば、中東連合と財団派の戦闘を何とか収めて、こちらも膠着状態に……なるほど。バルジを出すのは難しいが、エンデュミオンの鷹であれば財団派に敵対している以上、問題はないだろう。
「とにかく、こっちの答えは変わらない。今は動く事が出来ない。ウイングゼロが完成すれば、地上に向かって戦力を派遣する事も出来ないではないんだけどな」
『……分かりました。では、上にはそのように報告しておきます』
若干不満そうな声ではあったが、それでもサリィはそれ以上言い募ることもないまま、通信が切れる。
「また、妙な事を思いついたんでしょ?」
通信が切れると同時に、凛がベッドの上からそう言ってくる。
通信が来た時は疲れから眠そうだった凛だが、俺とサリィの話を聞いている内に頭が冴えてきたのだろう。まだ情事の疲れから気怠げな様子ではあるが、そう尋ねてくる。
「まあな。地上で騒動が起きているのなら、地上でも宇宙同様に膠着状態にしてやればいい。……つまり、エンデュミオンの鷹の出番な訳だ」
「頑張るね」
こちらも気怠そうではあるが、綾子がそう告げてくる。
「ウイングゼロが完成するまではな」
「けど、その場合でもピースミリオンがある以上、地上には全員で行けないだろう? 特に凛はピースミリオンの艦長だし」
「その辺は、後でどうにかするしかないだろうな」
「どうにかって……どうにもならないと思うけど」
「一応ウイングゼロは単機で地球に降下出来るだけの能力を持っている以上、最悪連合軍から要請があったら俺がウイングゼロで地球に降下する……って手段もあるだろ」
その言葉に、凛と綾子はうわぁ……といった表情を隠しもせずに俺に視線を向けるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1135
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1329
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