転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
ガンダムW
1683話
映像モニタに見えてくるのは、トーラス同士の戦い……と思いきや、片方にはリーオーの姿も見える。
「ちっ、トレーズ派の方も戦力が限界に来てるのか?」
ミロンガ改のコックピットの中で少しだけ不満を漏らす。
だが、考えてみればトレーズに心酔している奴は多いが、それ以上に財団派というOZの中でも最大派閥に協力する者が多いのは当然なのだろう。
人間、そこまで狂信的にはなれないってことか。
更に財団派はMDを使えるが、トレーズ派はトレーズがMDを拒否している以上、どうしようもない。
その辺りを考えると、この結果はある意味で当然なのだろう。
だが、この2つの勢力の争いをもっと長引かせる為に……今日も俺は、トレーズ派に協力する。
「こちら、エンデュミオンの鷹、ムウ・ラ・フラガ! そこのトレーズ派、協力するぞ!」
オープンチャンネルでそう宣言すると……
『おお、エンデュミオンの鷹だ! エンデュミオンの鷹が来てくれたぞ! これで、こちらにも勝利の芽は出て来た! 皆、もう一踏ん張りだ!』
通信に映し出されたトレーズ派の兵士が、他の仲間を励ますように叫ぶ。
そして、励ましの声は他のトレーズ派の兵士達の士気を上げるには十分であり……見て分かる程に、トレーズ派の動きは良くなった。
……いや、分かる。トレーズ派にとって俺という存在はMDに対抗出来る数少ない……もしかしたら唯一の手段かもしれないのだから。
だが、仮面を被っていてOZ系列ではないMS――に見える機体――に乗っている俺を、よくそこまで信用出来るな。
正直なところ、傍から見たら怪しいとしか言えないと思うんだが。
まぁ、俺にとっては都合がいいから、寧ろどんどん話を広げてくれとしか言えないんだが。
というか、俺という存在がいるからこそトレーズ派の士気が崩壊していない……なんて事になったら、それはそれで色々とどうよ? とも思わないでもないが。
ともあれ、今は……
「人形共を破壊するのみ! エンデュミオンの鷹の名に懸けて!」
オープンチャンネルになっているので、改めてムウの振りをしてそう叫ぶ。
いや、俺の知ってるムウはこんな事を叫んだりはしないんだけどな。
何だかW世界でエンデュミオンの鷹を名乗っている内に、いつの間にか妙なキャラ付けがされてしまった気がする。
……けど、このキャラがW世界だと妙に受けがいいんだよな。
『エンデュミオンの鷹に続け! 我等トレーズ派、その力を人形共に見せつけてやれ!』
うん、こういう風に。
これでまた、エンデュミオンの鷹の名前が少しだけだが有名になった事だろう。
本当のムウがこれを聞いたら何て言う事やら。
そんな風に考えながら、次々にMDを撃破していく。
そうして数分後……既に周辺に残っているMDの姿はなかった。
MDを指揮していた財団派の有人機も、撃破されてしまっている。
もっとも、今回有人機を撃破したのは俺ではなく、トレーズ派の兵士だったのだが。
ともあれ、ここでの戦場は終わった。
「全員、無事だな」
『ああ。救援感謝する。エンデュミオンの鷹、ムウ・ラ・フラガ殿』
先程俺と通信していた人物が再び映像モニタに映し出されてる。
満足そうな笑みを見れば、今の状況をどう思っているのかが分かった。
「……一応聞くが、やはり現在でもトレーズ派が不利なのは変わらないのか?」
『……そうなる。どうしても財団派に対して有利に戦いを進める事は出来ない。もっとも、戦場以外の場所ではそれなりに対応出来ているので、我々もまだこうして戦えているのだが。戦いは何も戦場だけで起きているのではない。……トレーズ閣下の仰る通りだ』
しみじみと呟く。
確かそれは原作でリーオーをMDにしている場所に乱入した時、トレーズが口にした言葉だったが……どうやらそれは、この世界でも変わらなかったらしい。
同時に、何故これだけ劣勢でいながらも、トレーズ派がこうして持ち堪える事が出来ていたのかを示してもいた。
なるほどな。恐らくだが、原作でもそうだったように、MDを直接倒すのではなく、そのMDを操っている者を暗殺なりなんなりして倒しているのだろう。
それでも結局こうやってMSでの戦闘になっているのを思えば、全てが完璧って訳じゃないんだろうが。
「そうか。そっちもそっちで色々と頑張ってるらしいな。……俺がこれを聞くのもなんだが、トレーズ派の現状はどうなっている? 一応俺が介入出来る戦いには介入して、財団派の戦力は減らしているつもりだが……あくまでも俺は1人の戦力だからな」
これが、もし大規模な戦い……それこそ全戦力を使った大会戦があった場合には、そこに乱入して財団派に大きな被害を与える事が出来るだろう。
だが、今はそんな大きな戦いは一切ない。
それは、バルジの件も大きいんだから、ある意味で俺の自業自得と言えなくもないんだよな。
バルジが消失し、OZとしての戦力の多くが消滅するなり連合軍に鹵獲されるなりした結果、トレーズ派も財団派も大規模な戦いを行うだけの戦力的な余裕はなくなってしまっている。
その結果が、色々な場所で行われている小規模な戦いな訳だ。
俺にとっては、そういう細かい戦いが多い方が色々と手が出しにくい。
幾らミロンガ改が高性能だとしても、結局のところ1機の戦力でしかないというのは変わらないのだから。
……これがニーズヘッグであれば、システムXNを使って自由に移動出来たりするんだが……まさか、この程度の戦いでニーズヘッグをお披露目する訳にもいかないしな。
『それで、ムウ。これからの予定を聞いてもいいか? もしよければ……』
「悪いな。残念ながら、俺は1人で行動する方が性に合ってるんだ。こうして戦闘をしている最中ならお前達に協力するが、な」
『そうか、残念だ。だが、トレーズ派は感謝している。それを覚えておいてくれ』
「ああ、そうさせて貰うよ。……それじゃあな。お前達も頑張れよ」
そう告げ、ミロンガ改のスラスターを全開にしてその場から去っていく。
エナジーウィングがないので、本来の速度を出す事は出来ないが……それでも十分高い機動力と言ってもいい。
そうして十分に離れたところで、空間倉庫からニーズヘッグを取りだし、ピースミリオンから少し離れた場所に転移するのだった。
「アクセル代表、知っていますか? 最近、OZの中にライトニング・カウントとは違うエースパイロットがいるという話を」
ピースミリオンに戻ってきて、数日が経ち……資源衛星の件もD-120コロニーに運び込むのを終了し、現在のシャドウミラーはピースミリオンで待機していた。
そんな中、食堂で昼食を食べていると……姿を現したサリィに、そう言われたのだ。
思い切り心当たりのある感じだが、当然それを表には出さない。
もしかしたら……本当にもしかしたら、エンデュミオンの鷹じゃないかもしれないし。
そもそも、ムウの仮面を被った俺は別にトレーズ派という訳ではない。
財団派と戦闘をしているところに乱入してはトレーズ派を助けているが、やっているのはあくまでも戦場の乱入だけだ。
である以上、もしかしたら俺とは全く違うかも……
そんな思いとは裏腹に、サリィは説明を続ける。
「何でも、エンデュミオンの鷹というらしいですが」
「あ……うん。聞いた事はある」
やっぱりそっちだったか。
にしても、本来のOZのエース……ゼクスはどうしたんだろうな?
以前トールギスⅡに乗って姿を現してから、全く見なくなったが。
まぁ、あの時はまさかトレーズ派と財団派に分かれてOZが内乱を起こすとは思わなかったんだろうし。
そもそも、現在の状況ですらOZが内乱を起こしたという感じなのに……そこで更にOZの内部で内乱って、それはつまり内乱の内乱とでもいうのか?
あまりに馬鹿らしい感じがするが、それを言ったところで意味はないだろうしな。
「やっぱりアクセル代表の情報網にも引っ掛かってましたか。……どう思います? 正直なところ、何故そのような存在がいるのか全く分からないのですが」
「分からない?」
「ええ。向こうはエンデュミオンの鷹という異名を自称しています。……勿論こちらに入っている情報ではMDをものともしないだけの強さを持っており、実際にMDをかなり破壊しているという話なので、異名を名乗ってもおかしくはないのですが……何故、エンデュミオンなんでしょう?」
……まぁ、この世界では月で大規模な戦いは起こってないからな。
いや、過去に……それこそまだOZがスペシャルズだった時には月で何だか大規模な戦いがあったって話はあるけど、その戦いからもう随分と経っている筈だ。
そんな中で、急にエンデュミオンの鷹と名乗るパイロットが現れるのは、色々と疑問なのだろう。
「さて、その辺の事情は俺にも分からないな。ただ、俺が聞いた話だとそのエンデュミオンの鷹という名前の他にも自分の本名を名乗ってたんだろう? なら、連合軍の力を使えば、その本名……ムウ・ラ・フラガの正体を突き止める事も出来るんじゃないか?」
「それが……残念ながら。勿論同姓同名の人物は何人かいましたが」
いたのか。
いやまぁ、別にムウ・ラ・フラガという名前はSEED世界にしかいないって訳じゃないんだし、その辺りを考えればおかしな話でもないのだろう。
「ですが、全員所在は既に把握済みですし、そもそもMSの操縦を出来るとは思えません」
「そう見せ掛けてるだけって可能性は? ムウってのは仮面で顔を隠してるんだろ? つまり、自分の正体を知られたくない訳だ。なら、自分がそういう技術を持っていると知られないようにするのは当然じゃないか? ……まぁ、それを言うのなら、名前を名乗っておきながら顔を隠すというのが不思議だが」
ムウ・ラ・フラガで仮面……ああ、しまった。ならいっそのことネオ・ロアノークとでも名乗っておけばよかったか?
けどな。そうすると異名とかは……エンデュミオンの鷹、ネオ・ロアノーク。
うん、それはそれでありだな。
実際同一人物なんだから、間違ってる訳でもないだろうし。
「そうなんですよ。ですので、ムウ・ラ・フラガというのは恐らく偽名か何かだと連合軍の方でも判断しています。……それで、アクセル代表やシャドウミラーの情報網に何か新しい情報がないのか教えて貰いたいと思ってきたのですが……」
「残念ながら、俺の方にもこれといって詳しい情報は入ってないな。……ただ、名前じゃないが、本人はトレーズ派と名乗っている訳じゃないという話は聞いている」
「は? ですが、こちらに入っている情報によると、トレーズ派と財団派の戦いに参入しては財団派のMDを破壊していると、そう聞いているのですが」
「それは間違っていない。ただ、あくまでも第三者的な立場という事らしい。実際、トレーズ派が自分達に協力しないかと誘っても、それに乗ることは一切ないらしいし」
「……では、ムウという人物は何を考えているのでしょう」
心の底から理解出来ないといった様子で呟くサリィだったが、まさか単純にトレーズ派をより長く活動させて、OZの内乱を出来るだけ長引かせる為……なんて事は言えないしな。
「さて、俺にも分からないな。ただ単純にMDを嫌っているだけなのかもしれないし。そうであるのなら、トレーズ派と協力関係にあってもおかしくはない。トレーズ派は、トレーズがMDを拒否してOZのトップから外されたのが原因で作られた勢力だからな」
「そう、ですか。……とにかく、ムウという人物がOZのトレーズ派ではないと分かっただけで、こちらとしては助かりました。また何か新しい情報があったら、お知らせしますね」
そう言い頭を下げたサリィは食堂から出ていく。
恐らくムウがOZのトレーズ派ではないという情報を、連合軍に知らせにいったのだろう。
この件は、俺の立場から考えても連合軍の方に流しておいて欲しい。
ムウがトレーズ派だと連合軍に認識されてしまえば、後々ミロンガ改で行動する時に不味い事態になりかねないしな。
「宇宙はトレーズ派、財団派、バートン財団。地上はトレーズ派、財団派、中東連合。色々と混沌としてきたな」
「しかもそこに連合軍とシャドウミラーも加わるんだろ? まさに群雄割拠だな」
綾子がハンバーガーを手に、俺の向かいに座る。
「そうだな。勢力が色々と多すぎるのを考えれば、群雄割拠と呼ぶに相応しいかもな。世はまさに戦国時代……って感じか?」
「いや、それはちょっと洒落になってないから」
少しだけ呆れたように、綾子はそう告げるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1135
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1329
ページ上へ戻る