| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三章 X《クロス》
  未熟


辺境世界マウクラン、住居開拓地域


ドンドンドン!!


「下がれ!!」

チュンチュン、ギィイ!!!



ドーベルマンアンデットVSクラウド・ストライフ



「邪魔、だな!!」

ガンガン!ゴッガ!!



ドーベルマンアンデットの放つ銃弾を弾きながら、クラウドが疾走してファースト剣と呼ばれる大剣で斬りかかって行く。
が、銃身をクロスさせ、そこで受け止めたアンデットはそれを流すように降ろしながら一回転、そして銃口を向けて数十発撃ち放った。


それを大剣の面で受けるクラウド。
ドーベルマンアンデットは銃弾を放ちながらハイキックや回し蹴りをも放ち、回転しながらの攻撃を連続してきて止まろうとしない。


銃弾と脚撃の連続攻撃。


しかもそれは勢いに乗ってどんどん速くなっていっている。



「クッ・・・・!?」

「はははははははは!!どうしたのか?人間!オレに勝てないか!!」

「舐め・・・るなよ!!!」



ドォウ!!!



気合一発。
クラウドの気が充満し、バイク「フェンリル」から残りの合体剣がすべて飛んできて手や腰に収まる。


「ここからだ」

「フッ・・・・笑わせないよう・・・がんばってくれ!!!」



ドンドンドンドン!!!



ドーベルマンアンデットが銃を放ちながらクラウドに走り、クラウドもまたそれを弾き飛ばしながら迫って行った。


そして、交錯する瞬間。
クラウドが横一文字に剣を薙ぎ、それをドーベルマンアンデットが縦一回転しながらクラウドを飛び越し回避する。
しかも、回避しながらクラウドの真上で銃弾を放ってきすらした。

クラウドはそれを腰に収めている剣で何とか防ぎ、相手の動きを止めるためにブリザドを放つ。
が、当然ながら何も強化していない魔法では相手の動きを止められるわけもなく、氷の塊はいともたやすく銃弾に打ち砕かれていった。


「ははは!私も甘く見られたものだ。その程度の力?翼人とはこんなものか?」

「・・・・・」

「これで終わりなら・・・」

「封じろ」




ビギィッッ!!!




大口を叩き、こんなものかと嘲るドーベルマンアンデットに対しクラウドが短くそう言った瞬間、そいつの手足を巨大な氷塊が覆い、動きを封じ込めに来た。


いきなりの現象に戸惑いを隠せないドーベルマンアンデット。
銃を持った両腕は肘まで凍りつき、脚は同じように膝まで氷に閉ざされていた。



「目の前で氷が出て・・・おかしいと思わないのがおかしいだろう」

「なに!?」



クラウドは確かに、ブリザドを放った。

しかしよく考えてみよう。
ブリザドとはいったいどんな魔法なのか。


「氷で相手を攻撃する」のか、「冷気を以ってして相手を攻撃する」のか。



そう考えると、前者ならば別に氷でなくてもいい。
むしろ鉄球を投げつけた方が威力は高い。

そう、ブリザドの攻撃とは、冷気を以って相手を凍らせ、それによってダメージを与えるということ。


ブリザドを放ったときに発生する氷とは、軌道上の水分が凍った際にできる副産物に過ぎない。
この魔法はそれで攻撃するものではない。


そして、クラウドほどの人物ならば、空気中の水分を凍らせずとも相手に冷気を飛ばすことなど造作もないこと。
最初の氷などは、ただの囮にすぎないのだ。




「未熟・・・だな」

「なんだと?」

「力や強さだけならばオレと同等程にもかかわらず、その未熟ゆえに弱い」

「・・・・・・・」


「お前、アンデットだな?なぜいる」


「・・・・・なあ」

「?」



動きを封じられたドーベルマンアンデットに、クラウドが問い詰めようとすると、ドーベルマンアンデットはにやりと笑って勝手に、そして聞いたこととは関係のない話をし始めた。



「自分は、実をいうとバトルファイトを知らないのだよ」

「?・・・どういう・・・」


「ドーベルマンという犬種はあなたたち人間によって誕生させられた新たなる種。だけど、そんな種でも次回あるであろうバトルファイトには参加できるかもしれない。そんな感じで、多分私は生まれた。だけど、その統率者|《モノリス》がいないんじゃ、バトルファイト再開の見込みはない」


「だからどうした」

「だから・・・今このチャンスを逃せないんですよねぇ。比較的生まれたばかりで、まだこうやって自分のキャラも定まってないってのにさぁ!!!もう先がないなんてあんまりじゃねぇ!?」


ビキッッ!!


「!!無駄だ!!」


ガキィ!!



「いくら逃げようとしても、それは氷だ。すぐに作り直せる」

「チ・・・・ま、それはいいんだが・・・いいのかな?そんな「俺一人」に気をまわしちゃって」




・・・・・・ガシャァ・・・・・



「!!!!」

「ハハハハハハハハ!!そうさ!俺はまだまだ未熟者!!だからこそ何体もつれてきたんだよ!!!気づかなかったか!!間抜け!!」

「クッッ!!!」




聞こえてきた破壊音と、ドーベルマンアンデットの言葉に歯ぎしりしながらクラウドがルーテシアのもとに走り出した。

場所は、リビング。
そこでは彼女を守ろうと、アギトとガリューが奮闘していた。

もちろん、ルーテシア自身も交戦しているが、彼女は魔道士といっても召喚魔導師だ。
弱くはないが、アンデットを相手にするにまだ不利としか言いようがない。


「ルーテシアッ!!!」

「クラウドさん!!」


と、ルーテシアの声を呼び、彼女もクラウドに気付く。

そこからは念話で会話をしたのだが、彼女の話ではメガーヌとガリューは一緒に遠出をしていたそうだ。
と、そこでガリューがこちらの異変を察知、まずは一人で急いできたらしい。


もちろんメガーヌも一緒に連れて来ようとしたらしいのだが、彼女がガリューだけでも先に行くように指示したそうだ。
確かに、担いていくよりは一人のほうがはるかに速い。


転移魔法も使えないことはないが、彼女たちがここに住んでいる理由を考えればそれは実際不可能だろう。




現在彼女らを取り囲んでいるアンデットは三体。


アギトがセミ(ロゥクスト)、ガリューが(バタフライ)テントウムシ(レディバグ)だろうか、それらのアンデットを相手にしていた。



そこに向かって、クラウドも参戦しバタフライアンデットを一閃のもとに切り伏せ、上に飛ぼうとしたそいつを叩き落とした。
そしてその際に、天井を張りつく――ヒル(リーチ)だろうか――アンデットを見つけ、それに向かって垂直に天井へと剣を構えて突っ込んだ。


残った二体をアギトとガリューに任せ、天井を突き破り二階へと突っ込んだ彼はリーチアンデットをバラバラにし、そこに見つけたほかの三対のアンデットを切り捨てて部屋から蹴り飛ばした。


そして、穴から一階を見下ろし、そこにあいつを見た。
氷を砕き脱出できたのか、ドーベルマンアンデットがルーテシアに向かって疾走しているのを。


「ッッ!!リフレク!!」


だが、クラウドはルーテシアに向かってリフレクを展開し、彼女をドーム状のバリアで守った。
そのドームにドーベルマンアンデットの銃弾が当たるものの全く揺らがず、蹴りを放たれるが少し揺れただけで問題はない。


「終わりだ!!」


そしてそれと同時に、クラウドが剣を構えて一階に飛び降り、ドーベルマンアンデットを狙って突っ込む。



しかし




バゴォッッ!!!!



「なに!?」

「ルールー!!」



リフレクの張った内部の地面から、ミミズの始祖たるアースワームアンデットが出現して彼女の体を掻っ攫っていったのだ。

クラウドは咄嗟にドーベルマンアンデットを蹴り飛ばして押しのけ、リフレクを解いて中を見た。
そこには大穴がぽっかりと残っており、ルーテシアはどこにもいなかった。


「もらったぞ!!召喚の才能を持った少女!!」

「させるか!!!」


クラウドが背後で叫ぶドーベルマンアンデットを無視して剣を床に突き刺し、マテリアを輝かせた。


彼が発動させたのは、「クエイク」と「召喚獣・タイタン」




その効果は絶大だ。
クエイクで地面を隆起させ、タイタンがその地面に両腕を突っ込んでそのままひっくり返すのだから。

それによって、ルーテシアを掴んだアースモールアンデットが宙に放り出され、クラウドがそれに向かって跳躍した。
しかし、それよりも早く鳥系のアンデットがルーテシアの体をキャッチ、飛び去って行こうとする。

しかも、少し行ったところでもう五体ほど現れて、一点に集まったのちに六体がバラバラの方向へと飛び去って行ったのだ。



「クソッッ!!!」

バォオ!!!



それを見てクラウドが悪態をつきながら開翼し、五体すべての召喚獣を出してそれぞれを追っていかせた。
相手は六体、こっちも五体と一人。


「させてたまるか・・・・!!!」




「ガゥウ・・・」

「だ、大丈夫かよガリュー。くっそ・・・頼んだぜ・・・・」




飛んでいく彼らを見ながら、ガリューが意識を失うように倒れ、アギトがそれを介抱する。
ドーベルマンアンデットはもう、その場にいなかった。





------------------------------------------------------------






ザッザッザッザ・・・・・



「翼人やべぇ~。私が相手にするには、いま一つ経験が足りないみたいだな・・・・」



相変わらず安定しない口調で、森の中をドーベルマンアンデットが歩いていく。
その先には一体のアンデットが立っていて、その腕にはぐったりとしたルーテシア・アルピーノが担がれていた。


「これはいい策だったな。囮、成功してよかったですの・・・流石にこの口調はないだろ・・・」


彼の目の前にいるのは、ナナフシ(スティックインセクト)の始祖たるアンデットだ。
あのモールアンデットが弾きだされた瞬間、姿を隠していたこいつがルーテシアをキャッチし、擬態して身体を隠し、こちらに逃げてきていたのだ。




「もらったぜ。召喚に秀でた少女。新人アンデットだからって、なめてもらっては困るからね」





------------------------------------------------------------





「・・・き・・・ん・・・・きさん・・・理樹さん!!!」

「・・・ぅ・・・?観鈴・・・さん?」



一方、クロコダイルアンデットによって襲撃された聖王教会


その避難所としてのテントで、理樹は目を覚ました。
脇には恭介や鈴をはじめ、治療班としてきた観鈴もいる。


「聞いたぜ、理樹。アンデットだって?」

「うん・・・・恭介たちのほうは!?」


「大丈夫だ。ちゃんと鎮火してきた。お前の方もこんな大変だったってのに承認とか、すまなかったな」

「・・・そういえば、ヴィヴィオちゃんが!!」


「ヴィヴィオはなのはが一緒にいて大丈夫だったぞ。だからお前は寝てろ」

「そ、そう・・・よかったぁ~~~~」



鈴の言葉に、理樹がはぁ~、と息を漏らして安堵する。
しかし、そのあとに表情は苦々しいものに変わっていき、寝たまま拳をベッドにボスリと叩きつけた。


「でも・・・僕は負けた。あのままだったら、ヴィヴィオちゃんは確実に奪われていた・・・」

「それは・・・」



「なんでアンデットが来たんだ?いったい何が・・・」

「俺らの方にも来てたぜ」

「ああ、火事現場にいた」


「そっちにも!?」


「理樹!!」



謙吾や真人の話に驚く理樹のもとに、今度入ってきたのは一刀と愛紗、朱里だった。
おそらくはアンデットの話を聞いて、ここまでやってきたのだろう。



「一刀・・・そうだ・・・たしか!!」

「ああ、今こっちはアンデットを追ってる」

「どういうことなんだ・・・?五十二体以外のアンデットが・・・いたの・・・?」

「今から話すからさ。そのために来たんだ」





------------------------------------------------------------





一刀の話は、かなり重大なものだった。
こちらにも連絡を入れるべきだったと一刀が誤るが、正直に言ってこちらの事件と接点などある、と思う方が難しい。

理樹も仕方がないさと言って、とりあえずこの場を収めた。



「じゃあ・・・力を持った少女が?」

「ああ・・・今まで襲われたのは、御坂美琴、インデックス、古手梨花、羽入、アルルゥ、そして今回のヴィヴィオちゃんだ」

「他にもハルヒさんや長門さん宅にも姿を現しましたが、どうやら標的ではないようで・・・・」



「そう・・・・・」




その話を聞いて、理樹はとりあえず襲撃された訳は分かった。
彼らがヴィヴィオを狙う理由も。


「でも・・・こっちに来たのは解る。でも、どうして火災現場に?」

「わからない。もしかしたらリトルバスターズのメンバーや、スバルさんたちを狙ったのかも・・・・」



ちなみに、スバルやティアナは事件現場に残っている。
消火後の片づけや、証拠などを見てデータを取っているのだ。



「火事のほうは・・・?」

「ほとんどの人命は救助できた。だが、一人だけ救助されたとたんに自殺しちまった」

「え・・・?」



そして、理樹が今度はそっちの方の話を聞き始めた。
すると、一刀のほうに連絡が入り、それに出るためにテントから外に出る。





「救助された人が自殺・・・どうして?」

「おそらくは催眠や操作系の魔法で自害させられるようになってたんだろう、って言うのがティアナの考えだ」

「今までの被害者の傷はそういう・・・」





「なんだって!!??」





その瞬間、テントの外から一刀の大声が聞こえてきた。
なんだなんだと外を見ようとする理樹だったが、直後にバサァッ!!と一刀が中に駆け込んできた。



「な、どうしたの?」

「クラウドさんからの連絡で・・・・ルーテシア・アルピーノがアンデットに連れ去られた・・・・!!!」









事件は、ようやくここで重なろうとする。


しかし、完全にX(クロス)するのはまだここでではない。




to be continued
 
 

 
後書き


気~高~い、雄たけびをォ、あげろォ!

蒔風
「おい」

地球~うのォ、い~のチィ、守るためにィ!

蒔風
「ちょっと」

ガオ!もっと!ガオ!強く!百獣戦隊ーー!!

蒔風
「話を」

ガァァァァアアアアアアアアアアアオレンジャーーーーー!!!!

蒔風
「話を聞・・・」

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!吼え

蒔風
「吼えんな!!!(ドゲシッ)」


あうぅ!!
な、何すんのさ。

蒔風
「何でお前は人の話無視してガオレンジャー吼えてんだ」


ん?ああ、そうかそうか、そういうことか。だったら・・・・


シュシュッと参・・・


蒔風
「戦隊の種類いってんじゃねぇよ。何で歌ってんだってンだよ!!!」


そっちぃ?
・・・・・・・・・ノったから。

蒔風
「まず先にあとがきしろよ」


はいはい


と、いうわけでクラウドVSドーベルマンアンデットでしたね。
ルーテシア連れて行かれましたね。あんだけごちゃごちゃやられちゃさすがに無理でしょ。

では



急げ救急戦隊、ゴーッゴーッファイッブゥーーーー!!!!



蒔風
「それやめろ(マイク没収)」

あぁ!!
な、何すんのさ!!もう今回の内容振り返ったじゃないか!!

蒔風
「解説をしろよ解説を!!ただえさえお前解説し忘れ多いんだから!!」


わーったよ・・・
バーローめ

蒔風
「あ゛ぁ゛!?」




うひぃ!!



と、まあ、今回はそんなもんでしたね。

ブリザドの考えに関しては自分の勝手な解釈です。
きっとゲームのあれは演出上のものであって、実際に氷飛ばしてるわけじゃないはず・・・と、思ってます。

だって氷ぶつけるってそれ思いッきり物理じゃないですかwwwww


あとメガーヌさんでてきませんでしたね・・・・
忘れていたわけではありません。

きっと山菜を採りに行ってたんですよ。ガリューと。


ドーベルマンアンデットに関してはああいう風に考察しなおしました。
その代りキャラが安定しなくなっちゃった。てへ


未熟だということを知っている分、あいつは強いと思います。
無知の知、って奴でしょうか?


それと、クラウドの召喚獣ですが、確か明言してなかった気がするのでここで言ってしまいます。
してたかなぁ・・どうだったかなぁ・・・・?


バハムート零式
フェニックス
リヴァイアサン
イフリート
タイタン


の五体です。
FF7にはまだ召喚獣いたんですが、これくらいにしないときりがない・・・・


理樹と一刀はお互いの事件の事を少し知りますが、ここで合流捜査にはなりません。
今回はたまたまかぶった、というだけで終わりそうです。



そして、手掛かりをもとにマリアージュ事件は終わりに向かう・・・・



蒔風
「次回はそこらへんか?」

いいや?まだまだ。
っていうかルネッサさん忘れてる自分に今気付いた。どうしようか

蒔風
「急いで出せ」

はいな


蒔風
「次回、今回の事件後」

あと一刀たちの方へとまた返したいと思います。


ではまた次回






希少能力持ち少女リスト(現状)


古手梨花
古手羽入
御坂美琴
インデックス
アルルゥ
高町ヴィヴィオ
ルーテシア・アルピーノ


残り三名

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧