FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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八人の強者
前書き
実は2月頃からダイエットに取り組んだのだが、3ヶ月で目標の10キロ減を達成しました!!
尻流「リバウンドしそう」
冷温「むしろしろって思ってる」
そんなこと言ってるとあなたたちに不幸が舞い降りるかもしれませんよ?いや、結構マジで。
「開け!!天秤宮の扉!!ライブラ!!」
街から離れた森の中。そこでは地面に倒れたジェニーを守るかのような隊列で、ユキノと傷だらけのミネルバが一人の女と敵対していた。
「敵を中心に重力を変化」
ユキノが保有する黄道十二門の鍵により召喚されたライブラが茶髪の女性に技を仕掛ける。
「それ、意味ないんですけど」
重力の中心部が変わったことにより、周辺に散らばっていた岩や落ち葉などが一斉に女性へと向かってくる。しかし、平静を装う彼女はライブラを人差し指で指さす。
「ガッ!!」
その瞬間、呼び出されたばかりのライブラの胸元から鮮血が飛び散る。その結果、星霊であるライブラは星霊界への帰還を余儀なくされ、行っていた攻撃も思い半ばで断念せざるを得なくなる。
「それでしたら」
ライブラを倒されたユキノだったが、それに落ち込むようなことはしない。すぐに新たな鍵を取り出し、応戦する。
「開け!!双魚宮の扉・ピスケス!!」
「「ギョキョッ」」
続いて呼び出されたのは大きな体をした白い魚と黒い魚。二匹は呼び出されたと同時に、女性に目掛けて突撃する。
「体が大きいのに、よく動けますね。ですけど・・・」
親子なだけあり息のあったコンビネーション攻撃を繰り出してくるピスケス。だが、それを彼女はアクロバットな動きですべて交わしていき・・・
「的が大きい分、よく当たるんですよ」
二匹を左右の手で指さした。
ザクッ
「「ギョギョッ!!」」
「ピスケス!!」
何かが突き刺さり体から出血したピスケス。何が起きたのかはわからなかったユキノだったが、傷を負った仲間を治療させるため、双魚宮の扉を強制閉門する。
「私に開かせますか、十三番目の門を」
鋭い視線で地面に着地した女性を睨む。その顔は今まで以上に真剣そのものだった。
「開くなら早く開けば?大したことないだろうけど」
「その余裕、すぐに変えさせます!!」
出血が多くむやみに動けないミネルバと足が折られ立ち上がることすらできないジェニー。二人を守るために、ユキノは黒いその鍵を手に取った。
「開け!!蛇遣い座の扉・オフィウクス!!」
空に雲がかかり周囲が暗くなる。そして現れる人の何倍もの大きさのある蛇。赤い目をしたそれが、地面で自身を見上げる女性を潰そうとする。
「確かにさっきまでのよりかは強そうですけど・・・」
彼女は向かってくる巨大蛇に対し取り乱すことなく、敵の力量を見定めようとする。
「私の相手にはなりませんね!!」
オフィウクスの攻撃が直撃する瞬間に高々とジャンプすると、真下になった星霊に手の平を向ける。
ザシュッ
「な・・・」
女性の手元が一瞬光ったかと思うと、オフィウクスの体を何かが貫いた。
「オフィウクス!!」
巨大な体を支えきれず地面へと崩れ落ちるオフィウクス。ユキノはその姿を、ただ眺めていることしかできなかった。
ドォンッ
「くっ!!」
目の前で炎が爆発し吹き飛ばされる金髪の少年。しかし、彼は持ち前のセンスでうまく着地をすると、すぐさま抗戦する。
「氷神・雹!!」
屋内ではあり得ない雨雲が天井を隠す。そこから巨大な雹が降り出すと、炎使いのオレンジのリーゼントは堪らず後方へと下がって技の範囲から逃れる。
「後ろががら空きだぞ」
「!!」
一時敵を退けたレオンだったが、彼の相手は一人ではない。光の剣を構えた女性、エーメが斬りかかる。
「露出魔の癖に生意気な・・・」
「お前がそうさせたんだろう!?」
以前対峙した時はレオンの高速攻撃の前に瞬く間に服を切り刻まれ、全裸にさせられた彼女は復讐心に燃えていた。なので今回彼と再び会えたことに興奮し、テンションが上がっていた。
「貴様はここで私が倒す!!」
次から次へと剣を振るい攻撃を繰り出すエーメ。しかし、その攻撃はレオンに当たらない。彼の運動神経の前に、ただ空を切っていくだけ。
「!!」
エーメの剣筋を見切り、交わしていたレオンは後ろから気配を感じ、彼女の剣を指先で掴み、後ろを振り返る。
「ハッ!!」
そこには人差し指を立て、突きを放とうとする赤黒い髪の男が迫っていた。
「このっ・・・」
最初に打ち出された威力を思い出した彼は受け止めるのをやめて受け流すように払う。その結果、攻撃を放とうとしていた青年は地面へと突きを放ち、その場が崩れる。
「おわっ!!」
「キャッ!!」
足場が崩れたことでバランスを崩したレオンとエーメ。少年は堪らず摘まんでいた剣を離して距離を取り、女性も慌ててその場から飛び去る。
「今「キャッ」って聞こえたんだが?」
「気のせいだ」
口調が女性らしくない剣士が可愛らしい悲鳴をあげたことをからかう赤黒い髪の男。それを受けた女性は否定しつつも、恥ずかしそうに顔を赤らめている。
(さすがに人数が多くてキツい。しかも・・・)
前後を三人に挟まれているレオンはチラッとリーゼントの男の後ろにいる全身真っ黒の男を見やる。
(まだ向こうには動いていない人間がいるんだよな・・・)
ため息をついた後、すぐに頭を切り替える。なぜ彼が動かないのかを思考してみることにしてみたレオンは、様々な憶測を上げてみた。
(三人を巻き込まないようにしているなら、大技を扱う魔導士。スタミナに難があって動けないのなら、一発勝負するタイプ)
その他にもいくつかの候補を出していくが、すぐに考えるのをやめた。飽きたからではない、考えても意味がないと気が付いたからだ。
「動かないならその方がやりやすい」
そう呟いた後、少年は全員の位置を把握し手に魔力を溜める。
「封印の氷地獄!!」
人数が多いため、全員の動きを封じてしまおうと行動に出たレオン。しかし、このあと予想外のことが起きる。
「無効化」
四人の動きを封じる氷が伸び切る寸前、色黒の男がレオンと同じように手を振るうと、瞬く間に氷が消えてなくなる。
「え?」
所々、僅かに氷が残っている箇所があるが、それはほとんど意味がないものとなっている。誰の動きを封じることも、制限することもできていないのだから。
「俺が相殺仕切れないとは、お前の魔力は相当なもんだな」
どういうことかわからず目が点になっている少年に近づいてくる色黒男。言葉を失っている少年を見た彼は、小さく笑みを浮かべて口を開く。
「俺はスキルキャンセラー、すべての魔法を無効化することができる」
新たな伏兵を前に氷の神の額から水滴が流れ落ちる。今までにないピンチを前に、彼はどうするべきなのか、思考するのが精一杯だった。
「賑やかな街ですね」
「フィオーレの首都だからね!!」
「一番栄えてる街だよ」
こちらは集合場所である喫茶店を目指している青い天馬の面々と、黄緑色の髪をした青年。五人は賑やかな街に乗せられ、テンションが上がっているように見える。
「メェーン、そういえば、名前を聞いていなかったね。私は一夜と言う」
「僕はイヴ」
「俺はレン」
「俺はタクトって言います」
道中、親睦が深まったところで始まった自己紹介。彼らの名前を聞いた青年は、驚いたような表情を見せる。
「あれ?もしかして魔導士の方ですか?」
大魔闘演武で名を馳せた彼らのことはあらゆる人物たちが知っている。彼もそのうちの一人なのだと、四人は考えていた。
「私はホッパーと言います、一応魔導士をやっています」
「ほう?」
青年も魔導士をやっているということに反応した天馬の面々。そのため、話題はそちらの方へと移っていく。
「ギルドには所属しているのかね?」
「いえ、そういうものには属してません」
一夜の問いに手を振り答えるホッパー。それを皮切りに天馬の面々から勧誘が始まる。
「だったらうちに来れば?面白いと思うよ」
「なかなかカッコイイですし」
「俺たちは歓迎するぜ」
美女美男が多い青い天馬の中でもトップの人気を誇るイヴたち。そんな彼らから見ても、目の前にいる人物は整った見た目をしている。仲間を大切にする彼らとしては、そういう存在が増えることは非常に好ましいことなのである。
「いやぁ、ギルドって堅苦しそうで」
「そんなことないよ」
ただ、青年は勧誘を受けようとはお持っていない様子。しかし、勿体ないと考えたイヴたちがなおも勧誘していると、突然どこからか不思議な音が聞こえてくる。
ブルルルル
振動音のような音に、その正体を探ろうと周囲を見渡す。だが、その正体はすぐ目の前にあったのだった。
「すみません、ちょっと呼び出しが・・・」
いまだに振動している通信用魔水晶を取り出したホッパー。どうやらそれは、お別れを知らせるコールだったらしい。
「え!?もう喫茶店の前だよ!?」
「すぐに行かなきゃいけないんですか?」
すでに目的地である喫茶店のすぐ前までやって来ていた彼らだったが、緊急の呼び出しを受けた青年を引き留めることはできない。
「またお会いする機会がありましたらその時に」
「メェーン。再会する日を心待ちにしてるよ」
丁寧におじきをしてその場から立ち去るホッパー。その背中を見送っていると、店の中を見ていたレンがあることに気が付く。
「まだ誰も来てないみたいだな。どうします?先輩」
まだ店内に見知った人物たちの姿を見つけられなかったレンは一夜に判断を仰ぐ。だが、この後の一夜の言葉が、事態を最悪の方向へと発展させてしまった。
「仕方ない。ヒビキに報告したいから、私は先に城に戻っておこう」
ピクッ
一夜の言葉を聞いた途端、彼らに背を向けていた青年の足が止まる。
「城?」
城という単語に反応したホッパーは、踵を返し四人の元へと戻ってくる。一度はお別れしたはずの人物が戻ってきたことに、一夜たちは驚きながらも暖かく迎え入れることにした。
「どうしたんだね?」
「忘れ物ですか?」
これと言って何か用事が思い当たらない彼らはそれとなく話題を振ってみるが、肝心の少年はブツブツと何かを呟いているだけで一向に答えようとしない。
「なんで気付かなかったんだろう、魔導士が来てるならその可能性は真っ先に考えられたじゃないか」
天馬の面々には聞こえないほどの声でブツブツと呟き続けるホッパー。心配したレンが声をかけようと近付いたが、青年の目が明らかに変わっていることに気付き、慌てて離れようとする。
「ふっ!!」
しかし、その行動は一歩遅かった。
「がっ!!」
下がろうとしたレンの腹部に思い切り拳を打ち込んだホッパーに呆気に取られる。その際レンが地面に背中から倒れ込んだため、騒いでいた街の人たちが一斉にそちらを向いた。
シリルside
国王暗殺を企てる組織のアジトへと潜入した俺たちは、そこを壊滅させるために現在行動を起こしている。
「え?こんな小さな子供にやられたの?」
「油断しちゃダメ!!みんな魔力が高いよ」
その行く手を阻むのは、目の前にいる二人の女性。彼女たちもカグラさんやミネルバさんみたいにスタイルがよく、この場にいる唯一の女の子であるサクラが羨ましそうに自身の胸と見比べていた。
「男の子二人と女の子一人・・・か」
「ありがとうございます!!」
敵の一人、緑のショートヘアの女性の言葉に思わず感謝。圧倒的感謝!!久しぶりに男の子ってわかってくれる人がいたよ、マジで嬉しいわ。
「え?どっちが男?」
「水色の方」
薄い黄色の髪をした女性は気付いてくれてなかったけど、ショートヘアの女性はちゃんと間違えずにわかってくれていたようだ。しかし、その直後の彼女の目付きに怖気が立った。
「ふふっ、まぁ紛らわしい子の方が私的にはうれしいんだけど」
まるでライオンが獲物を見つけたような、圧倒的な雰囲気。それだけで鳥肌が立ってくるから不思議だ。
「私は女の子の方が好きだなぁ、からかうのが楽しいもん」
一方サイドテールの女性はサクラを其人魚の変態のような目で見ている。真っ先にあいつの顔が思い付くって相当インパクトあったんだな、ソフィアの性格って。
「じゃあ早速やっちゃおうかな?」
「あんたがいうとちょっとイヤらしく聞こえるわね」
戦闘を開始するためか、サイドテールの女性が一歩前に出る。
「やっぱりあの子よね、ここで狙うなら」
ニヤッと笑みを浮かべたかと思うと、突然彼女の周囲に煙が現れ、姿が見えなくなる。
「何?」
「ヤバイ、嫌なこと思い出した」
煙に包まれるとどうしてもソフィアの、あの変な魔法を思い出してしまう。エルザさんの換装とかは普通に変身するだけなのに、なんで煙を起こす必要があるのだろうか。
「え?」
「はぁ!?」
一人全く関係のないことを考えていると、晴れた煙の中から現れた人物に目を疑う。なぜなら、そこにいたのは俺たちの隣にいるはずのサクラだったからだ。
「私!?」
「変身魔法か!!」
ミラさんたちの接収とは異なり、純粋に変身するだけの魔法といったところか?でもなんでここでサクラを選択したんだ?俺の方が魔力は高いのに。
「ほれ」
突然右手を横に振ったサクラモドキ。すると、いきなりサクラから腕を掴まれる。
「?どうしたの?」
「あれ?体が勝手に・・・」
なんで腕を掴んできたのかわからず目を点にしている俺と、同じようにサクラも不思議そうな顔をしている。
「ここからくるっとすると!!」
「わっ!!」
サクラもどきが腕を合気道のように回してみせると、サクラが同じような動きをする。その結果、彼女に手を取られていた俺がひっくり返される。
「いったぁ!!」
「ご!!ごめんなさい!!」
思い切りお尻をぶつけたため擦っているとサクラに謝罪される。もしかして相手の魔法って・・・
「サクラを操ってるの!?」
「そんなのありかよ」
彼女の魔法は変身した相手を自在に操ることができる能力。これは非常に厄介な魔法を使ってくるな。
後書き
いかがだったでしょうか。
それぞれの地での戦闘の様子を書くことにしました。
予想だともう少し展開が進む予定でしたけど、ちょっと進まなかったですね。
次もこんな感じで進めていきたいと思います。
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