【ネタ】 戦記風伝説のプリンセスバトル (伝説のオウガバトル)
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25 決戦 その一
「ゼノビアの民よ!
恐怖に怯える日は終わった!!
そして、そんな日を作ってしまったことを国王として詫びねばならない。
シャングリラを奪還し、ハイランドを追い払う!!
私は宣言する!
今、ここに神聖ゼノビア全軍を持って迎え撃つ事を!
我らに栄光あれ!!!」
--新生ゼノビア王国建国史 国王出陣より--
神聖都市アルカション防衛部隊
総大将 エリー
エリー(プリンセス) 1500 総予備・リザードマン族・チルク
カゲイエ(ソードマスター) 1000 ファイター・ナイト・サムライ等直接打撃ユニット主体
ミツイエ(ソードマスター) 1000 ファイター・ナイト・サムライ等直接打撃ユニット主体
オデット(ハガル) 300 ウィッチ及び魔法攻撃系ユニット主体・ゴーレム三体
エリナ (クレリック) 300 僧侶系全部
ヴェルディナ(アーチャー) 1000 アマゾネス・アーチャー中心で間接攻撃ユニット全部
オルシーナ(テンプルナイト) 300 ドュルーダ修道会騎士団
ケートー(ニクシー) 100 マーメイドとオクトパス12匹・クラーゲン五匹
コリ(ニンジャマスター) 200 ニンジャによる偵察・後方撹乱部隊
ぽち(ドラゴン) アイスドラゴン二匹・ディアマッド一匹
城塞都市アジャン防衛部隊
スザンナ(エニグマハンター) 300 ヴァルキリー中心で女性直接攻撃ユニット全部
デュラン(ブラックナイト) 1000 バーサーカー主体
ボイナ(ワイバーン) ワイアーム一匹 グリフォン19羽
合計 7000
かき集めた兵士を再編成する。
リザードマン族は私の手元に置いて、やってきた蛮族は使える連中をクラスチェンジして各将に振り分けた。
その段階で気づいたが、うちの部隊ナイトを中心にした正規騎士部隊が無いでやんの。
ドュルーダ修道会騎士団は言わなくていいだろう。
彼女たちの装備、バルダーソード・ドラゴンシールド・ドラゴンヘルム・ウイングブーツで、つまり鎧がない。
という事はビキニ姿で戦うという……うん。この話はヤメヤメ。
なお、ドラゴンの所にディアマッド一匹居るが、これはアンタリア大地の闇の予言者オミクロンの切り札だったやつ。
虫の息で尻尾を振っていたのに気づいて、回復させたらぽちに懐いたので使うことに。
そろそろぽちもドラゴンからクラスチェンジさせたい所だが便利なんだよなぁ。火炎が。
航空ユニットは最前線からほど近い城塞都市アジャンに置いて、その護衛にスザンナとデュランを置く。
グリフォンは育成が始まった連中を連れてきたが、戦場に出すと多分すり潰されるヒヨッコ達だ。
使い所を考えないといけない。
そんな事を考えていたら、伝令の声で我に返る。
「来ました!
ワイバーン、ワイアーム、デビル、ドラゴン、ヘルハウンド、タイタン、サラマンダー、ディアマッド、ファントム、ゴースト、レイブン……すごい数です!!」
「天使も居るぞ!
軍勢はバーサーカーを中心としてブラックナイト、サムライ、魔法部隊も確認!」
「ゴーレム投石始めっ!!」
「ウィザード隊!
一斉詠唱!!
サンダーフレア!!」
「目一杯引きつけろ!
放てっ!!!」
ディアスポラ上空にやってきた天宮シャングリラから大量の飛行部隊が出てきて、周辺都市を制圧にかかる。
それをこちらの防衛線の対空部隊が迎撃を開始する事で、この決戦は始められた。
帝国軍は放棄したロシュフォル教会を前進拠点とし、貿易都市ソミュールと神聖都市アルカションにその戦力を振り向ける。
確認できた帝国軍はおよそ地上30000とシャングリラ10000の計40000。
こちらの想定より多い。
ディアスポラの収容所跡地に、フィガロ将軍の旗印が見えると報告が入った。
おそらく、シャングリラで黒騎士ガレスが指揮をとっているはずだ。
まずこの対空戦をどうやって凌ぐかがポイントになる。
「貿易都市リモージュにも敵が!」
「貿易都市ラロシェルも襲われているそうです!!」
全拠点への同時攻撃。
一番してほしくなかったことを的確にしてくるあたり、フィガロ将軍は無能ではない。
これをされると、航空部隊を前に出さないことでこちらの狙いがシャングリラ強襲である事がバレてしまう。
だからこそ、敵の視線をそらす必要があった。
「城塞都市アジャンに居る航空部隊に連絡!
貿易都市ソミュールと神聖都市アルカションの防空をお願いするって伝えなさい!!」
私に近い所で派手に航空部隊を戦わせる。
最悪死んでも、私ならばリザレクションで生き返らせるからだ。
どれだけのリザレクションをかけて、どれだけのマジックポーションを飲む羽目になるのか考えただけでも頭が痛くなる。
「わが願い、イシュタルの輝きとなりて汝らを救わん!ヒーリングプラス!!」
全体回復魔法ヒーリングプラス。
ロシュフォル教会が帝国軍から離脱した事で、こちらの回復要員が各都市に豊富に確保しているのは大きい。
だからこそ、そのすきを突かれた。
肩に痛みが走る。
真っ白のドレスが己の血で穢れてゆく。
「ニンジャが居るぞ!
警護の連中何をやっていた!!!」
護衛についていたテンプルナイトのオルシーナが私を襲ったニンジャを切り捨てる。
近寄る連中を手で制して、私は肩に刺さった手裏剣を抜いてキュアペーストをぶっかける。
さすがファンタジー。
傷がみるみる消えてゆく。
コリ率いるニンジャ部隊を偵察と後方撹乱に出したのが裏目に出たか。
「戦況はどうなっている!」
私が大声を出すことで無事である事を周囲に知らせる。
そして、私の問いかけに答えたのはアーチャー隊を指揮していたヴェルディナだった。
「空中戦はなんとかしているわ!
地上の連中橋に向かっている!!
10000ぐらいの兵がこのあたりに居て、この街を囲みながら、北の橋に向かってる連中がいる!!!」
神聖都市アルカションを通る街道は双方に橋があって、西の橋は貿易都市ソミュールと北の橋は貿易都市リモージュに繋がっている。
貿易都市リモージュは帝国軍が攻撃する正面に川が流れており、帝国軍がこの橋の確保に動いたという事は、この街を包囲しつつリモージュを攻めるつもりなのだろう。
「北の橋は大丈夫よ!
デボネア将軍が守ってくれるわ!!」
アルカションとリモージュの間にはロシュフォル教会があって、そこにデボネア将軍と大神官ノルンが率いるテンプルナイト1000が守備している。
まず抜かれる心配はない。
問題は西だ。
貿易都市ソミュール。
ここが落ちたら、貿易都市ラロシェルが孤立する。
川が流れている事もあって、カストラード王国から応援に来たマーメイド達が連絡を繋いでくれる。
「持ちこたえているわ!
ランスロット卿からの伝言!
『ソミュールに来た敵の数は10000。ラロシェルからの後詰は帝国軍の妨害にあって、ソミュールに来ていない』だって!!」
マーメイド隊の指揮官であるニクシーにクラスチェンジしたケートーが濡れた姿で私に向かって叫ぶ。
さっきまで川を泳いでいたのだろう。
こっちに来ているのは10000。
ソミュールに来ているのも10000。
帝国地上軍は30000だから、本陣に5000残してもあと5000予備兵力がある。
多分、リモージュとラロシェルを攻撃しているのは足止めで攻撃主力はこちらの予想通りアルカションとソミュールか。
ここまでは問題が無い。
というか、ここからが問題である。
ソミュールについては意図的に兵を少なく配置しているので、後詰が送れないと簡単に詰む。
そして、後詰が送れるラロシェルとアルカションは敵の主力が居て妨害してくる。
更にやっかいなのが、シャングリラに居る黒騎士ガレス率いる帝国軍10000だ。
現在行われている航空攻撃の手駒ぐらいは出しているだろうが、彼の兵が無傷だとデスティンの奇襲が失敗する。
彼の兵を地上に投入させる必要があり、それは更に最大で10000程度の敵予備が増えることを意味する。
「ケートー!
マーメイドとオクトパスとリザードマンを連れていってソミュールへの後詰お願い!!」
「分かった。
クラーゲンは連れて行っていいの?」
「持っていきなさい」
後のゲームでは消えた水中最強Lユニット。クラーゲン。
この戦いにおける我々の切り札の一つだが、これを五体もケートー達は連れてきていた。
更に練度が低いオクトパスには荷をくくりつけて、物資を運んでもらう。
ケートーが率いるマーメイドとオクトパスとリザードマンの連合部隊千数百は、街の裏手にある川から帝国軍の妨害を受けずにソミュールへの後詰に向かう。
その間にアルカション上空の制空権についてひとまず決着がついた。
「敵ワイバーンとレイブン撤退してゆきます!
アーチャー隊、グリフォン被害甚大!!
こちらのワイバーン負傷!!」
「エリナ!
クレリックを率いて消耗した部隊にヒーリングを。
死者はこっちに回しなさい!
リザレクションで復活させます!!
戦いにおいて、食料と水が大事なのは当たり前だが、それ以上に大事なのがHPとMPを管理するキュアリーフとマジックリーフである。
兵力が少ないこちら側はそれを切らさないように戦う事が前提になっている。
さっきケートー達と共に出したオクトパスはソミュール向けの食料や水だけでなく、キュアリーフとマジックリーフを運んでいた。
「敵地上軍来ます!」
「ドラゴンブレス!
衝撃に備えて!!」
衝撃が来ない替わりに、城壁周辺にガスが広がり、それを吸った兵士達が倒れてゆく。
何をやったか即座に理解して私は叫ぶ。
「アシッドブレス!
回復急いで!!
ぽちはあのディアマッドを潰しなさい!!」
「ぐぁ!」
私の命に応じたのはぽちではなく隣りにいたディアマッドだった。
敵ディアマッドの周囲に魔法陣が浮かび、暗黒系魔法イービルデッドが炸裂して周囲の敵兵もろとも爆発する。
敵のディアマッドが応戦しようとしてアイスドラゴンのブレスに落とされる。
何か声をかけようとしてやっと気づく。
ぽちに擦り寄るディアマッドに。
まさか、このディアマッド、ぽちに惚れたから仲間になったんじゃねーだろうな?
「エリー様!
カゲイエ殿から伝令!
城門周囲の敵兵増えています!
後詰を!!」
「わかりました。
私自ら出ます!
オデット。
あとは任せたわ。
オルシーナは一緒に来なさい」
「わかった。
任せて」
「ドュルーダ修道会騎士団集合!
エリー様が打って出られるぞ!!
先ほどみたいにエリー様に傷がつけられたら、エリー様が許しても私が許さぬと思え!!」
防衛戦はまだ始まったばかり。
一度頬を両手で叩いて気合を入れて、私は戦場に身を投じた。
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