Three Roses
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第三十話 論戦に向けて六
「やるべきことは決まっている」
「では」
「まずは、ですね」
「論戦に勝ち」
「そしてマイラ様との間にお子をもうけられ」
「周辺の三国も統合する」
「そうしていきますか」
「そうして今は東と南から王国を攻めているが」
帝国の数百年来の宿敵だ、ロートリンゲン家とアントワープ家の対立は大陸における大きな軸となって存在し続けている。
「しかしだ」
「ここで、ですね」
「この四国を一つにし」
「ロートリンゲン家の領土とし」
「北西からもですね」
「王国を攻める」
「完全に取り囲みましょう」
側近達も口々に言う。
「そしてそのうえで」
「あの国を抑えましょう」
「ただでさえ我々には異教徒という敵がいます」
「国内もまだまとまりを欠いています」
「諸侯達も抑えねばならない」
帝国領内のだ、実は帝国はまだ諸侯の力が強く彼等を抑えることも頭の痛い問題となって存在しているのだ。
「王国の相手はだ」
「出来る限りですね」
「軽減していきたいですね」
「その為にも」
「四国を」
「何とかしたい」
即ち再統一したいというのだ。
「そのうえで全ての力をだ」
「王国に向ける」
「牽制として、ですね」
「そして動けなくし」
「我々は異教徒と国内の諸侯に向かう」
「そうしていきますか」
「まずは中か」
太子は腕を組んで言った。
「やはり」
「諸侯ですね」
「国内の」
「まずは彼等ですね」
「内がまとまってこそだ」
まさにというのだ。
「何かが出来るからな」
「これまでも何とか足枷になってきましたし」
「諸侯の存在が」
「だからこそ」
「まずはですね」
「諸侯だ」
その彼等だというのだ。
「これまでも力を削いできたが」
「はい、まだ力は強いです」
「その力をですね」
「これまで以上に削ぎ」
「そうしてですね」
「皇帝の力を強める」
このことも今以上にというのだ。
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