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Three Roses

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第三十話 論戦に向けて七

「軍を常に多く備えてだ」
「やはりそれもですね」
「これまで以上に増やし」
「皇帝領もさらに大きくし」
「予算も増やしていきますか」
「そうしなければならない、皇帝の力を強めないとだ」
 さもないと、というのだ。
「帝国は駄目だ」
「特に選帝侯の方々ですね」
「あの方々が強いです」
 諸侯の中でもというのだ、彼等は皇帝の臣下であることは確かだが彼等の思惑で動くことが多く帝室にとっては厄介な存在なのだ。七人いて大貴族と教皇庁の枢機卿達からなる。
「あの方々をどうにかしなければ」
「ようやく教皇庁の介入を退けられてきています」
「次は諸侯ですね」
「特に選帝候ですね」
「そうなるな、諸侯を抑え皇帝の権限を強め」
 そしてだった。
「異教徒の帝国に向かう」
「あの国は相変わらず強大ですね」
「陸に海にとです」
「とかく数で来ます」
「鉄砲や大砲も多いですし」
「国力はむしろ我が国よりも遥かに上です」
 それ故に強敵なのだ、帝国にとっても。
「彼等と対する為にも」
「何とか諸侯を抑えましょう」
「その為には力をかなり注がないといけません」
「今現在王国と戦う余裕はありません」
「この国を向けなければ」
「その通りだ、我々には為すべきことが多い」
 太子はここでまた言った。
「国内外とな」
「ここで王国も相手になるとなると」
「諸侯も異教徒達もどうにもなりません」
「だからこそです」
「王国の内乱が終わってもです」
「この国を向けて我が本領に向かわない様にしなければなりません」
「帝国の為にな」
 ひいてはロートリンゲン家の為にだ、太子の考えはこうした意味において一環していた。やはりあくまでロートリンゲン家の者なのだ。
 そしてだ、そのロートリンゲン家の後継者として言うのだった。
「この国の内政も重要だが」
「はい、第一は本領ですね」
「大陸の帝国本領ですね」
「あちらの内政を整えなければ」
「諸侯の方々を抑え」
「そして」
 まさにそのうえでだった。
「民達のことも考えていきましょう」
「農業や商業にも力を入れ」
「より新しいものにしましょう」
「軍も改革し」
「より強くしなければ」
「この本領で行うことは多い」
 その内政はというのだ。
「だからこそ何とかしないとならないからだ」
「本領のことが」
「だからこの国の内政は、ですね」
「その次になりますね」
「本領を優先ですね」
「本領をおそろかにしてはだ」
 それこそというのだ。
「かつて南の半島に熱中し本領をおろそかにしていた時と同じだ」
「帝国はかつてそうでした」
「それが南の半島を混乱させ本領の内政も進みませんでした」
「両方によくありませんでした」
「有益なことにはなりませんでした」
「優先順位をつけることだ」
 何といってもというのだ。
「だからだ、まずはだ」
「本領ですね」
「そちらの内政ですね」
「それを優先的に行う」
「そうあるべきですね」
「この国、四国はだ」
 この国々はというと。 
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