転生とらぶる
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ガンダムW
1584話
ゼクス・マーキス……言うまでもなくOZのエースパイロットであり、ライトニング・バロンの異名を持つ男だ。
原作だとオペレーション・デイブレイク後にはライトニング・カウントとなっていたんだが、果たしてこの歴史でライトニング・カウントになれるかどうかは微妙なところだろう。
そもそも、オペレーション・デイブレイク自体がかなり苦戦している。
勿論、俺の前にいるのが本当にゼクスだという確証はない。
実は俺も知らないだけで、OZにはゼクス以外にもこれだけの技量を持っているパイロットがいる可能性はない訳でもないのだから。
そもそもの話、OZというのは元々が少数精鋭の部隊だ。
であれば、当然ながら全体的に操縦技術の高い者が揃っている。
原作でも、アレックスやミュラーはMS2機で連合軍の基地を破壊していたし。
まぁ、この歴史だとミュラーは既に死んでるんだが。
ともあれ、そんな理由から小粒のエースという意味ではそれなりに数が揃っている。
そして小粒のエースが大量に揃っていれば、そこから大粒のエースが生み出されたとしても不思議でも何でもないだろう。
そんな風に考えながら、ビームサーベルを構えているリーオーをじっと見据える。
リーオーの方もこちらの動きを待っているのか、特に動くようなことはない。
先程の空中から降ってきた動きを見て、このリーオーがゼクスの機体だと判断したが、何か確信があってのものではない。
だが、今の動きから考えれば、恐らくそれは間違いないだろうと考えられる。
……試してみるか。
もしこれがゼクスであれば、出来れば殺したくはない。
ゼクスは戦闘でも外交でも使える、高い能力を持った人物だ。
であれば、可能ならシャドウミラーに引き入れたい。
シャドウミラーに入る可能性という意味では、ゼクスはトレーズよりも上だ。
MDを徹底的に毛嫌いしているトレーズとは違い、ゼクスは原作でもホワイトファングでMDを使用したのだから。
勿論MDに嫌悪感を覚えていないのかと言えば、答えは否だろう。
だが、それでも使える物は使うという行動が出来る以上、シャドウミラーでもやっていけない事はない……と、思う。
それにゼクスがシャドウミラーに来れば、自然とノインもシャドウミラーに所属する事になる。
副官という立場のノインは、何だかんだと色々使い勝手がいい能力を持っている。
政治班も大助かりの筈だ。
ともあれ、それもこれも全ては今目の前にいるのがゼクスであればという、前提に立っている。
それを確認する為に、オープンチャンネル……いや、この場合は外部スピーカーの方がいいかと判断し、そちらのスイッチを入れる。
「1つ聞こう。お前は、ゼクス・マーキスか?」
さて、どう出る?
ゼクスならこちらの……顔見知りの俺からの通信に反応しない訳はないだろうし、何より何だかんだとゼクスは目立ちたがり屋だしな。
すると、案の定背中の追加ブースターを地上へ落下させて外したリーオーの外部スピーカーから声が聞こえてくる。
『久しぶりだな、アクセル代表。……いや、アクセル』
へぇ、以前はそれなりに丁寧な言葉遣いをしていたと思ったが……いや、既に敵対した以上はそんな言葉遣いをする必要もなくなったということか。
それはまぁ、理解出来ないでもない。
そもそもの話、ゼクスが欲していた単機でガンダムに対抗出来るMS……トールギスを、俺は文字通りの意味で横から掻っ攫っていったんだからな。
それでもOZがトールギスを無理矢理俺から取り上げなかったのは、オペレーション・デイブレイク前で連合軍に対して疑念を抱かれたくなかったというのがあるんだろう。
勿論、実際にOZがそんな真似をしようとしていれば、こっちも相応の態度を取ったんだろうが。
そう考えれば、寧ろOZとしては最善の選択肢を選んだと言ってもいい。
オペレーション・デイブレイク前に、無駄に戦力を消耗する事がなかったのだから。
ただでさえ、5機のガンダムによってOZは大きな被害を受けていたのだから。
だが……正直なところ、今のゼクスがトールギスを入手しても、すぐに乗りこなすのは無理だった筈だ。
元々殺人的な加速だと言われているトールギスが、ハワードによって更にスーパーバーニアが強化されているのだから。
原作では通常のスーパーバーニアでもゼクスが乗りこなすには随分と時間が掛かった。
「まさかライトニング・バロンがこんな戦場にいるとは思わなかったな」
勿論俺は原作知識でトレーズがルクセンブルク基地攻略に参加していたのは知っているが、それでも既に現在の状況は原作とは大きく違う。
そもそもの話、連合軍がオペレーション・デイブレイクに対して……より正確にはOZに対する疑念を抱き、何かあった時の為に準備をしていたというのが大きい。
勿論俺がノベンタに雇われてから1ヶ月もなかったのだから、全てが万全だった……という訳ではないが、それでも原作のように何も知らない状況で一気に奇襲を受けるなどという真似をしなくても済んだのは上出来だろう。
ただ、原作だとルクセンブルク基地を占領した後はすぐにサンクキングダムに向かったんだが……どうやらこの歴史では違ったらしい。
これも連合軍が対策をしているという事をOZが知ったり……そしてやっぱりゼクスにトールギスがない影響か?
まぁ、OZの本部として使おうと考えられていたのがこのルクセンブルク基地だ。
そこが攻められようとしているのに、呑気にサンクキングダムにある連合軍の基地を攻める訳にはいかないか。
サンクキングダムという土地が重要拠点であるのならまだしも、ゼクスの個人的な感情を考えなければ、そこまで重要な立地という訳でもないし。
『こういうのを幸か不幸か……というのだろうな。だが、今の私はOZのゼクス・マーキスだ。OZの害になるものであれば、容赦なく排除させて貰う』
「サンクキングダムを放っておいても、か?」
『っ!?』
俺の口からサンクキングダムという単語が出て来た事に、リーオーの動きは止まる。
……ちなみに、何故ゼクスがリーオーを使っているのかと言うのは、何となく理由が想像出来る。
そもそもの話、現在OZが使用出来るMSはリーオー、トラゴス、エアリーズの3機種のみ。
一応トーラスもあるが、これは基本的に宇宙用MSとして開発された機体であり、少なくても現在のOZではトーラスを地上で使用する考えはないらしい。
ともあれ、トラゴスはガンタンク型のMSという事もあって、とてもではないが激しいMS戦には対応出来ない。
そうなると、残るのはリーオーとエアリーズのみとなるが、エアリーズは空中を自由に飛び回れる代わりに運動性がリーオーと比べても落ちる。
結果として、現状で一番ゼクスに相応しいMSはリーオーという事になる訳だ。
勿論普通のリーオーという訳ではなく、多少なりとも改修されてはいるんだろうが。
ああ、ちなみにパイシーズとキャンサーもあるけど、この2機種は水中用MSなので、ここでの使用用途を考えれば論外だろう。
『何故……サンクキングダムの名前を?』
訝しげなゼクス。
まぁ、ゼクスの正体がサンクキングダムの王族ミリアルド・ピースクラフトだと知っているのは、現状だとトレーズやノインといった限られた者達だ。
ガンダムがコロニーからやってきたMSだというのが公然の秘密だったのと違い、その秘密を知っている者は非常に少ない。
「さて、何でだろうな? ただ、世の中には普通なら知らない事を知っている者もいるんだよ。……俺達はシャドウミラーだぞ?」
『……なるほど、傭兵特有の情報ネットワークか何かか?』
どうやら俺の予想していた通りに勘違いしてくれたらしい。
まぁ、実際には当然のように俺の原作知識からの情報なんだが……今のゼクスにそんな事を言う必要はないか。
「どうかな? まぁ、それはともかくとして……俺にOZの害になるものなら排除させて貰うって言ってたが、こちらもシャドウミラーの邪魔になるようなら排除させて貰うぞ」
もっとも、ゼクスの重要性を考えればここで殺すような真似は出来ない。
寧ろ、捕虜とした方が連合軍にとっては有益だろう。
いずれシャドウミラーに所属する可能性も否定は出来ないし。
当然の事だが、自軍のエースが捕らえられたのを見れば、OZの士気は著しく下がる。
特にゼクスの場合、その辺に幾らでもいるエースという訳ではなく、OZでも屈指の……本当の意味でのエースパイロットなのだから。
それによりOZの受ける心理的動揺というのは、それこそ戦局を左右しかねない程に大きい筈だ。
『アクセル、お前には色々と聞きたい事もある。だが……それは全て、お前を倒してから聞かせて貰おう!』
その言葉を叫ぶと同時に、リーオーはビームサーベルを構えながらトールギスへと向かって突進してくる。
パンチやキックといった攻撃ではなくビームサーベルによる一撃なのは、やはり純粋な機体の性能では勝ち目がないと思っているからだろう。
原作でも、レディ・アンがリーオーで放ったパンチはシェンロンガンダムに正面から当たっても全くの無傷だった。
勿論トールギスはシェンロンガンダムと比べて装甲材がガンダニュウム合金ではない関係上、どうしても防御力は劣る。
だが、それでもリーオーとは色々な意味で雲泥の差なのは事実なのだ。
「けどな」
突っ込んできたリーオーの一撃を、スーパーバーニアを使って回避しつつ、こちらもシールドからビームサーベルを引き抜く。
そのままスーパーバーニアを使い、その場で機体を一回転させながらリーオーへと向かってビームサーベルを振るう。
しかし当然ながらゼクスもその動きは予想していたのだろう。素早くその場を跳躍する事により、こちらの攻撃を回避する。
へぇ、追従性の低いリーオーでこれだけの動きが出来るというのは、さすがゼクスってところか。
だが、追従性の低さというのは、どのような行動をとろうとも……それこそ、連続で動けば動くだけ、パイロットの操縦技術にはついていけなくなる。
勿論その動きの鈍さを誤魔化しながら操縦するのがパイロットとしての腕だが、それが分かっていても、どうしたって反応の遅さに苛立ちを覚えてしまうのは当然だった。
最初は小さいストレスであっても、それが続く事によりストレスは溜まっていく。
トールギスの胴体を横薙ぎにしようとして振るわれたリーオーのビームサーベルを、こちらもまたビームサーベルで鍔迫り合いに持ち込む。
ビームサーベルであれば、トールギスにもダメージを与えられる。
その判断は決して間違っている訳ではないが、同時に完全な正解という訳でもない。
鍔迫り合いの状態になれば、当然のように機体の性能差がそのまま結果としてもたらされる。
事実、最初はトールギスとリーオーの中間程にあったビームサーベルは、次第に押し込まれるようにしてリーオー側へと近づいているのだから。
「大人しく降伏してくれると助かるんだが」
『残念ながら、私の立場としてそのような真似は出来んのだ!』
鍔迫り合いの状況から、一気に力を抜いて後方へと下がる。
力で押していたトールギスは、当然その対象がなくなった事で前のめりになる……筈だったのだろう。本来であれば、だが。
だが、トールギスはその場で立ち止まっており、前につんのめってはいない。
寧ろ、一定の距離を離れてくれたのを確認すると、そのままドーバーガンの砲口をリーオーへと向ける。
ゼクスにとっては千載一遇の好機を見逃したと理解したのだろう。
こちらとの距離が離れ、自分がドーバーガンで狙われたのを確認するや否や、横へと跳ぶ。
一瞬後、リーオーの頭部があった場所をドーバーガンのビームが貫く。
ちっ、これを回避するとは思わなかった。
だが……今の無理な動きは、リーオーにとっても相当の負担だったのだろう。
横っ飛びになった状態のまま、リーオーは地面に横たわっていた。
着地姿勢をとるだけの余裕がなかったのか、それとも単純に今の動きでリーオーの膝や足といった場所の関節が壊れたのか。
理由は定かではないが、こちらとしてはチャンスである以上、見逃すつもりはなかった。
再び腕を動かし、ドーバーガンの照準を合わせ、トリガーを引く。
砲口から放たれたビームは、真っ直ぐにリーオーの下半身を破壊する。
コックピットに被害が出ないようにして狙ったのだが、どうやら狙い通りにいったらしい。
陸専用MSである以上、リーオーは下半身がなくなってしまえば動く事は出来ない。
いや、手で這って移動するような真似は出来るだろうが、それでは何の意味もない。
そして下半身が破壊された衝撃で仰向けになったリーオーのコックピットを、ゼクスが逃げ出せないように上から足で踏み……同時にビームサーベルを振るってリーオーの両腕も切断する。
「チェックメイトって奴だな」
聞こえているかどうかは分からないが、外部スピーカーでそう告げるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:950
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1292
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