転生とらぶる
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ガンダムW
1585話
……さて、これからどうしたらいいんだ?
ゼクスを捕虜にするという目的は果たしたが、このまま基地の中でリーオーを踏みつけたまま何もしないという訳にもいかないだろう。
だが、かといってリーオーのコックピットから足を離せば、どのような手段かは分からないが、ゼクスが逃げ出す可能性がある。
となると、誰かにゼクスが乗ったままのこのリーオーを預ける必要があるんだが……
いや、考えるまでもないか。
「綾子、聞こえているか?」
『うん? どうしたんだ?』
すぐに通信で返ってくる綾子の声。
「今、暇か?」
『いや、暇って……ルクセンブルク基地の攻略をしてるんだから、暇って訳じゃないわよ?』
「それでも、出来ればこっちに来てくれないか?」
『……何かあったの?』
「ああ。防御施設を破壊しているところで、ゼクスに襲い掛かられてな」
その言葉に、映像モニタの向こう側で綾子は少しだけ驚きの表情を浮かべる。
まぁ、ゼクスはOZの中でもトップエースだ。
そう考えれば、綾子の態度も不思議ではない。
「安心しろ。幾ら何でも、俺がゼクスに負ける筈がないだろ? ゼクスが乗っていたリーオーは下半身も両腕もないから、もう攻撃は出来ない。ただ、コックピットから逃げ出されないようにしたいからな。そうなると、こっちは迂闊な動きが出来ない」
『ふーん。なら逃げようがないか。分かったよ、すぐにそっちに向かうから待ってて』
そう告げ、綾子との通信が切れる。
……さて、綾子が来るまでは暇だが、どうしたものか。
既にこの周辺の基地の外へと攻撃する為の兵器はゼクスのリーオーと戦った時の影響や、その前の行動で大方壊れている。
であれば……結局俺がするべき事は何もない。
ゼクスに通信でも送って話でもするか?
そうも思ったが、この状況でゼクスが何か話に乗ってくるとは思えない。
いや、話に乗ってくる可能性は否定出来ないが、その場合はすぐにどうこうって事にはならないだろう。
ゆっくりと時間を掛けて話をするべきだ。
出来ればその話し合いで、ゼクスを五飛みたいにシャドウミラーへ引っ張り込めればな、とは思うが……難しいだろうな。
元々ゼクスがOZにいるのは、連合軍に対する復讐のためだ。
自らの故郷サンクキングダムを消滅させた連合軍、そして連合軍を率いているノベンタに雇われているシャドウミラーに、そう簡単に入るとは思えない。
それでも全く可能性がない訳でもないのは、連合軍そのものではないという事だろうな。
もしこれで俺達が正式に連合軍の一員なら、まず交渉の機会さえなかった筈だ。
そんな風に考えていると、やがてトーラスが姿を現す。
『待たせた?』
「いや、そうでもない。それよりそっちの方はどんな具合だ?」
『アクセルに呼ばれるまでは特に問題なかったわよ。基地の外に向かって攻撃を仕掛けていた兵器の類をある程度破壊したわ』
「そうか。なら、連合軍の方も随分と楽になっただろうな」
基地に立て籠もっている状況で有利な理由の1つが、基地に設置されている防御兵装だ。
これらの兵装はエネルギーや残弾のある限り、対象へと向かって攻撃を続ける。
その数が減っていくというのは、連合軍にとってもかなり有利な状況だろう。
『でしょうね。……それで、そのリーオーが?』
「ああ。ゼクスが乗っている機体だ。コックピットから逃げ出さないように、しっかり押さえたまま連合軍へと引き渡してくれ」
『連合軍に? ……いいの?』
シャドウミラーでゼクスという存在を利用しなくてもいいのかと、そう暗に尋ねてくる綾子だったが、現在のシャドウミラーの状況を考えればそんな余裕はない。
ルクセンブルク基地の攻略が終わった後でなら、そんな余裕も出来るかもしれないが。
……いや、意外とサリィ辺りならなんとでもしそうな雰囲気が……
それでもやっぱり基本的には止めておいた方がいいか。
余計な仕事を押しつけて、それが理由で何か大きなミスになったりしたら、ちょっと洒落にならないし。
その点、連合軍の方では人員的な余裕はかなりある。
「ある程度人員の余裕があるのは連合軍の方だろうし、そっちに頼むしかない。ただし、捕虜の虐待とかは決してしないように言っておいてくれ」
ジュネーブ条約とかそういう条約でもあればいいんだが……もしくは南極条約か?
ともあれ、連合軍にとってOZの人間……それも屈指のエースパイロットというのは、恨み骨髄とでも呼ぶべき対象だ。
勿論上の方になれば、利用価値を見出す者もいるだろうが……現場の、それも下っ端ともなれば、何か勘違いして捕虜に対する虐待を考えないとも限らない。
折角捕らえたゼクスなだけに、危害を加えるような真似は絶対にしたくなかった。
OZとの戦いが終わったら、可能ならシャドウミラーに……この臨時のシャドウミラーではなく、ホワイトスターにいる方の、本当の意味でのシャドウミラーにスカウトしたい人材なのだから。
……まぁ、本人がそれを引き受けるかどうかというのは別問題であり、トレーズ程ではないにしろ、色々と難しいとは思っているのだが。
『分かった。じゃあ、行くわね』
ここがルクセンブルク基地……OZが占領した基地である以上、当然ながらこうしてゆっくりと話していられるような余裕はない。
実際、レーダーにはこちらに向かって近づいてきているMSが映し出されている。
綾子が素早くこの場を立ち去ると口にしたのも、恐らくそれが原因だろう。
「気をつけてな……ってのは、綾子には向いてない言葉か」
『それでも恋人に心配される言葉ってのはいいんだよ。じゃあね』
短いやり取りだったが、それだけで十分に満足したのか、綾子は綺麗な笑みを浮かべるとそのまま胴体と頭部だけになったリーオーを運んでいく。
コックピットを手で押さえている状態で運んでいかなければならない以上、MAに変形は出来ず、徒歩での移動だ。
普通に考えれば、敵のど真ん中から歩いて自軍まで戻る……というのは、自殺行為以外のなにものでもない。
だが、それはあくまでも普通のパイロットならの話であり、既にこの世界ではガンダムのパイロットに準ずるだけの技量を得た綾子であれば、問題はない筈だった。
そう言えば、本当に今更の話だが……ゼクスの乗っていたリーオーはノーマルのリーオーだったな。
両肩にビーム砲を装備しているリーオーとかもあったと思うんだが。
ああ、でもビームサーベルで挑んできたという事は、元から近接戦闘で勝負を挑む予定だったのか。
であれば、動きが鈍くならないように出来るだけ機体を軽くするという意味では余計な装備がついていないノーマルのリーオーを使うのは決して間違っている訳ではないだろう。
さて、この速度なら近づいてきているのはエアリーズか?
だとすれば、もしかしてノイン辺りがやって来た……という可能性もありそうだ。
そんな俺の予想とは裏腹に、姿を現したエアリーズは5機……いずれもが、ノインのパーソナルカラーの緑ではない、ごく普通のエアリーズだった。
てっきりゼクスの危機を悟ってノインがこっちに来るとばかり思ってたんだが……うん? もしかして、現在別行動中なのか?
原作でもノインはゼクスの命令、もしくは頼みにより別行動を取る事が多かった。
今がそのような状況になっていても、特に不思議でも何でもない。
ただ、原作ではそういう時の多くはリリーナ関連だったが……幸か不幸か、この歴史ではドーリアンは意識不明であっても生きており、レディ・アンがドーリアンを暗殺しようとしたというのは、リリーナも知らない筈だ。
であれば、ノインがリリーナの護衛として動く必要もない。
つまり、それ以外で何か……
「っと」
考え事をして動かないトールギスに、エアリーズはミサイルとチェーンライフルを一斉に発射する。
勿論それを黙って受ける気はないので、スーパーバーニアを使用して後方へと回避。
地面にミサイルが当たって爆発が巻き起こるのを見ながら、ドーバーガンを構える。
向こうも既にトールギスの能力については大分理解しているのか、こっちがドーバーガンを構えた瞬間にそれぞれ別方向に散らばっていく。
今までトールギスに好き勝手やられただけあって、対応が早いな。
それでも別にドーバーガンを無力化された訳ではない。
威力をビームライフル程度にまで絞り、トリガーを引く。
瞬間、放たれたビームにより、空中でエアリーズが順番に爆発していく。
1機、2機、3機、4機。
今までは大抵が最大威力で数機纏めて破壊するだけの使い方をしていたので、どうしてもOZにとっては派手なそっちの方に意識が向いていたのだろう。
だが、俺は元々射撃全般が得意だ。
それだけに、こういった攻撃方法も不可能ではない。……地味だが。
ともあれ、そんな風にして残り1機になったエアリーズは、このままでは自分もやられるだけだと判断したのだろう。慌てて後退しようとするが……
「装備が重いんだよ」
スーパーバーニアを使って一気に距離を縮め、次の瞬間にはビームサーベルでエアリーズの胴体へと向け、一閃する。
そして空中で巻き起こる爆発。
相変わらずエアリーズは運動性が低い。
もしくはスーパーバーニアのように高い加速性を持つバックパックでも付けていれば話は別なのだろうが、特に改造もされていないようなノーマルのエアリーズでは、空を飛べても咄嗟の動きにはついていけない。
「……本当に5機だけか?」
ここに俺が……トールギスがいるというのは、当然基地でも理解しているだろう。
なのに、派遣した戦力がエアリーズ5機だけというのは、余りにも少ない。
向こうにとって、戦力を小出しにする必要がどこにある?
それこそ各個撃破されるだけだろうに。
予備戦力の残りが少ない? いや、OZにとってルクセンブルク基地は本部にしようとしている場所だ。そうである以上、防衛戦力は相当に注ぎ込んでいる筈。
だからこそ、連合軍もOZの士気を下げるべく、ルクセンブルク基地を奪還しようとしているという一面もあるのだから。
「……となると、連合軍が思いの外上手い具合にやってるのか?」
考えられる中で可能性が高いものの1つが、それだ。
他にも五飛が頑張ってそっちに戦力を振り向けている可能性はある。
いや、もしかしてこっちの方が可能性は高いか?
OZにとって、ガンダムというのはそれ程までに脅威の存在なのだから。
「だとすれば、俺がやるべきなのは……」
基地の占拠をするのが一番いいんだろうが、残念ながら俺はこの基地の事はそれ程詳しくない。
勿論大まかにどこに何があるのかというのは知っているのだが、詳細な内容までは知らされていなかった。
だが、それはおかしな話ではないだろう。
そもそも俺達シャドウミラーは、ノベンタの直轄であっても、あくまでも傭兵でしかないのだ。
これが歴とした連合軍の一員であればともかく、幾ら何でも部外者に連合軍の中でも重要度が高いルクセンブルク基地の詳細な情報を教える筈もなかった。
大体どの辺がこの基地の司令部なのかというのは分かっているが……それが囮で、他にもしっかりと各所に命令を送れるような場所がある可能性は十分にある。
だとすれば……連合軍と戦っているOZの背後を突くというのはベストか?
出来れば五飛やゼクスを連合軍に届けた綾子辺りと合流してから攻撃を仕掛ける事が出来ればいいんだが……いや、それは無理か。
活動方針が決まれば、すぐに行動に移す。
小規模な戦力だからこそ可能な行動の素早さだった。
推進剤の残りは……8割といったところか。ただ、ドーバーガンのカートリッジの残りが若干心許ない。
できれば、OZの部隊に一当てした後でシャドウミラーが拠点としているMS輸送機に戻って補給を受けたいところだが。
さて、どうなるだろうな。
そんな風に考えながら、俺はトールギスを浮かび上がらせ、そのまま連合軍とOZが戦っている前線へと向かう。
……その途中でトラゴスを何機か発見したので、ドーバーガンを使って撃破していく。 だが、その行動がOZの目を引いたのだろう。
背後からトールギスが迫っていると知ったOZの部隊が、こちらに向けて戦力を差し向ける。
だが、こちらに戦力を差し向けるという事は、当然ながら前線に掛かる圧力も減るという訳で、一時的に連合軍は前線で優勢になる。
そして挟撃されると……更に背後から迫っているのがトールギスだと知ったOZの部隊は、リーオーやエアリーズが次々に撃破され……やがて白旗を上げ、投降するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1035
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1309
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