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作り置き可能!激ウマソースレシピ&常備菜特集・その1
秋の長雨がしとしとと降っている。……いや、この南方の地じゃあ秋の長雨、なんてねぇか。どっちにしろここ4~5日は雨が続いている。お陰で店は開店休業状態。秋の秋刀魚漁に長雨がぶつかり、余計にスタミナを磨り減らされたウチの連中は飲みに来る元気もなく個人個人の部屋でグロッキーだ。
「darlingも真面目デスねー、お客なんて殆ど来ないって判ってるのに」
……まぁ、中にはこういう例外もいるが。
「あー……金剛?1つ聞いて良いか?」
「Oh、何でも聞いて下サーイ!」
「その服どうした?」
そう、俺が先程から気になっていたのは金剛の服装だ。配色はよく見慣れた白地に赤の金剛型の制服の色だ。しかしその服はいわゆる巫女服っぽいアレではなく、チャイナドレスになっていた。
白く光沢のある生地に、中国らしい龍の刺繍がポイント的に散りばめられている。袖も金剛の制服を意識してかノースリーブではなくセパレートタイプで付属している。そして誰のデザインか知らんが、上半身も下半身も普通のチャイナドレスよりも露出が多い。上半身は身体全体を包むのではなく前の重要な部分だけを隠しており、横乳的なバインバインがモロ見えである。前に巻いていたサラシはどうした、サラシは。
「darlingが揉むからおっきくなって巻くのがキツくなったんデスよ!?だからニップレスで我慢してるデース……」
おい待てコラ、トンデモ発言が飛び出したんですけど今。そりゃあおっぱい好きな俺としてはイタす時にゃあ毎回のように揉みしだいてはいたが。
「ちなみにサイズは?」
「い、EからGになりまシタ……」
Gか。まさにGreatな成長ぶりである。これは今度入念に確かめねば……っと、今はその話じゃない、服装の話だ。上のモロ見えマシュマロも大変な破壊力だが、下も中々えげつない事になっている。チャイナドレスだから当然スリットが入っているのだが、恥骨が見え隠れするくらいの位置までスリットが入っている。利根型改二の制服よりもスリットが深い、と言えば想像が付くだろうか?……というか先程からチラチラとデリケードゾーンギリギリの辺りがスリットの隙間から見えていて目のやり場に困る。いや、別にカミさんだし2人きりだから、ガン見しても良いんだろうが何かそれも違う気がする。
「それスリット深すぎないか?風とか吹いたらエラい事に……」
「あ、No problemネ。ちゃんと中はパンツ履いてますし」
そう言うと金剛はペロンと捲ってみせて、黒の紐パンを見せつけてくる。薄手のストッキングも履いているモンだから、余計に艶かしい。
「捲るな捲るな、やめんかはしたない」
正直興奮してきていて、動悸が苦しい位なので止めて欲しいのだが。普段はぞんざいな扱いをしているが、これでも惚れたオンナである。こんなセクシーな格好で迫られたら、流石の俺も我慢が効かん。
「Boo、darlingもexciteして襲ってくるかと思ったのに……」
この金剛型、拗ねてやがる。こっちは必死で抑制してるってのに、ったく……。
「あ~、今日は客も来ねぇのは解ってたしな。作り置き出来るモンの仕込みでもしとこうと思って店を開けたんだ」
早霜も秋刀魚漁に出ていたので、今日は休みを取らせた。なので今宵の店は金剛が居なければ完全な一人。そんな時だからこそ作り置きしておけるおかずやソース、タレ等を仕込んでおくのだ。
作り置きおかずは注文を受けてから提供するまでの繋ぎである『お通し』になるし、ソースを予め作っておけば提供するまでの時間短縮にもなる。その為、暇を見つけては大量に仕込んで冷凍の効く物は冷凍しつつ、ストックしてあるのだ。
「じゃあ、darlingのcookingしてる姿を観察してるデース!」
「あ?そんなモン見てて楽しいか?」
「オフコース!darlingのキッチンに立ってる姿はとってもセクシーね!」
あっそう。まぁそう言われると悪い気はしない。
「まぁ見てる位なら一向に構わんが。何か飲むか?」
「ん~……じゃあブラックデスのロックを」
「そこはスコッチとかエールじゃねぇのかよ」
「飲兵衛の夫を持つと、妻も強くなったりするみたいですよ?」
どの口が言うか。霧島に負けず劣らずの蟒蛇のクセに。さて、そんな奴は放っておいて作っていくとしよう。まずは時短用のお役立ち食材から。
《手軽にホワイトソース!ブールマニエ》
・バター:200g
・薄力粉:200g
まずはフレンチなんかでよく使われるブールマニエだ。こいつは作り方が手軽な割に色々と使い手がある。作り方は薄力粉と室温に戻したバターを同量、ボウルに入れて練っていくだけ。加熱等は一切要らない。よく混ざるように練っていくと、粉っぽさが無くなってきてクリーム色のペースト状になってくる。そうなったら完成だ。後は適当な大きさに纏めてラップにくるんで、冷凍庫に。冷凍庫で1年は保つから、使うときに必要なだけ取り出してカットし、残りはまた冷凍庫へ。こいつを使うと手軽にホワイトソースが作れる。温めた牛乳か生クリームにブールマニエを適量入れるだけでとろみが付いてホワイトソースに化ける。後は具材を入れて味付けすれば、シチューもグラタンもクリームパスタも思いのままだ。濃さもブールマニエの量の増減で調整できるしな。覚えておくと便利だぞ。お次は手軽にトマトソースのベースになる、『ポモドーロ』を作っていくとしよう。
《トマト系料理のベースに!ポモドーロ》
・玉ねぎ:大1個
・ホールトマト缶詰:2缶
・オリーブオイル:大さじ2
・にんにく:1片
・バジル:2~3枚
・塩、胡椒:少々
まずは玉ねぎとにんにくをみじん切りに。玉ねぎは炒め時間短縮の為にレンジで2分程チンしておく。
鍋にオリーブオイルを引いて熱し、にんにくを炒めて香りを出す。香りが立ってきたら玉ねぎを加え、更に炒める。
玉ねぎが透き通ってきたらトマト缶を加え、更にバジルを入れたら火を弱め、焦がさないようにかき混ぜながら煮詰めていく。大体かさが2/3~半分位になるまで煮詰めるぞ。
塩、胡椒で味を整えれば完成。滑らかな口当たりが良いなら、目の細かいザルで濾してやると良いだろう。
「随分とシンプルなトマトソースですネ?」
「わざとシンプルにしてあんだよ、こりゃ」
ポモドーロさえ作ってあれば、他に必要な材料を足すだけで大概のトマトベースのパスタソースが出来てしまう。その一例をご紹介しよう。
《ポモドーロ+αで出来るパスタソース》
・唐辛子を加えればアラビアータ
・海老などの魚介を加えてペスカトーレ
・セロリと人参のみじん切り、挽き肉を加えてボロネーゼ(ミートソース)
・アサリを加えてボンゴレロッソ※ロッソは『赤い』という意味
・炒めたパンチェッタ(ベーコン)を加えてアマトリチャーナ
・アンチョビ、ケッパー、ブラックオリーブを加えてプッタネスカ
・オレガノを加えればマリナーラ
上のようにパスタの味付けのベース以外にも、コンソメや鶏ガラを加えてコロッケやハンバーグのソースにしたりロールキャベツの味付けにしたり。ハーブを加えてピザソースやカレーに加えて酸味と旨味をプラス……等々、幅広い使い方が出来るのだ。
「とりあえずブールマニエとポモドーロはこれで良いかな。お次は作り置き出来るパスタソース作っとくか」
ここ最近イタリア組の連中が飲みに来る事が多い。その影響かパスタの注文が割かし多くなっている。その為にも作り置き出来るパスタソースは多めに作っておきたい。
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