提督はBarにいる。
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多摩は煮込みで温まる?・その4
前書き
今回の煮込みの飯テロ絨毯爆撃、最後の特大爆弾の登場です。覚悟して読みましょう。
さて、北上からのリクエストであるもつ鍋を作っていこつか。……おっと、確認しないといけない事があった。
「北上よぉ、味付けはどうする?味噌・塩・醤油の3つが選べるが?」
「え、そんなにあるの?どうしよっかなぁ~……全部食べたいんだけど」
「なら名案があるにゃ。少し待ってるにゃ」
そう言って席を立つ多摩。……数分後、多摩が引き連れて来たのは千歳、漣、大潮、白雪、深雪の5人。
「あの~、この騒ぎは一体?」
何の説明もなく連れてこられたらしい千歳が頭上に?マークを大量に浮かべている。
「長くて辛い護衛任務だったから、打ち上げをしようと思ったにゃ。今日は多摩の奢りだにゃ」
「マジすか!あざーっす!」
奢り、と聞いてダッシュで席に着く漣。しかも『はよ、飯テロはよ』とか言っちゃってるし。この行動力とフリーダムさはやはり多摩が猫である事の証明か……いや、酔っ払いならではの行動力か。
「おチビさん達が多いけど、仕方ないかぁ~。提督、もつ鍋3種類、なるだけ早くね~ん」
北上も渋々ではあるが了承したらしい。……はぁ、作るしかないのね。
《3種のスープのもつ鍋!》
(醤油ベースのもつ鍋)※分量4人前
・牛もつ(豚もつでも代用可):400~500g
・キャベツ:1/2玉
・ニラ:1束
・もやし:2袋
・乾燥にんにくチップ:適量
・白ごま(すりごまでもOK):適量
・輪切り唐辛子:適量
※スープ※
・水:800cc
・ほんだし:4g(小さじ1よりちょい少ない位)
・鶏ガラスープの素:大さじ2
・醤油(あれば薄口):大さじ6
・みりん:大さじ2
・砂糖:小さじ1
・おろしにんにく:小さじ1~
・おろししょうが:小さじ1~
(味噌ベースのもつ鍋)
・牛もつ又は豚もつ:お好みでたっぷりと
・ニラ:適量
・輪切り唐辛子:適量
・キャベツ:1/2玉
・もやし:1袋
・豆腐:1丁
※スープ※
・水:1リットル
・醤油:大さじ1.5
・みりん:大さじ2
・酒:大さじ2
・白すりごま:大さじ3
・鶏ガラスープの素:大さじ3
・味噌:大さじ2
・ほんだし:大さじ2
・おろしにんにく:小さじ1
(塩ベースのもつ鍋)
・もつ(実は豚バラとか鶏ももとかでも美味しい):300g
・もやし:1袋
・キャベツ:1/4個
・ニラ:1束
・水:600cc
※スープ※
・ごま油:大さじ1
・胡椒:小さじ1/2
・にんにくチップ:1片分
・輪切り唐辛子:1本分
・鶏ガラスープの素:大さじ2
・塩:小さじ1
・砂糖:小さじ1
・醤油:小さじ1/2
・オイスターソース:大さじ1/2
※その他、お好みの食材を入れて楽しみましょう。オススメは、鶏肉、豚肉、肉団子、水菜、こんにゃく、油揚げ、茄子、白菜、etc……
さて、作って行こうか。まずは博多風の醤油ベースもつ鍋から。使用するもつは色んな部位が入ったミックスがオススメだ、色んな食感や旨味が染み出るからな。しかしもつ鍋初挑戦とかもつが苦手、って人は白もつ(小腸。所謂ホルモン)が扱いやすくていいかな。生もつを使うが、ぬめりが気になる場合には熱湯をかける等して下処理をしておこう。
鍋にスープの材料を全て入れ、一口大に切ったもつを投入、中火で火にかける。煮えて来たらアクを取りつつ、アクが出なくなったら火を止める。煮込みすぎるともつ自体の旨味が染み出しすぎるので注意。
博多風の盛り付けにしていくぞ。5cm幅の大きめなざく切りにしたキャベツを鍋の縁に沿ってドーナツ状に盛り付け、空いた穴の部分にもやしを山盛りに。その上に7cm幅に切り揃えたニラを一列に並べ、にんにくチップを適量全体に振りかける。そして白ごまと唐辛子をニラの上にトッピング。そして再び火にかける。
今度は強火でOK。キャベツの水分が出てスープが増え、キャベツがしんなりしてきたら食べ頃。適宜かき混ぜながら食べよう。〆のオススメは中華麺(あればチャンポン麺が再強)だが、うどんやご飯を入れて卵で綴じて雑炊、なんてのも出汁が効いてるから美味いぞ。続いて味噌ベースのもつ鍋の作り方。
(味噌ベースもつ鍋の作り方)
とは言ってもこちらは簡単、調味料を全て混ぜ合わせて合わせ調味料を作り、鍋に投入。具材を入れずに火にかけて、一度沸騰させる。そうしたら火の通りにくい具材から鍋に入れ、蓋をしてグツグツ煮込む。気になる人は時々蓋を開けて、アク取りをしつつ煮込んで、具材に火が通ったら完成。牛もつのコラーゲン感を味わいたいなら野菜より後に入れて、軽く火を通す程度で。※生煮えはダメだぞ!
〆はうどんが一番合うかな。味噌のこってり味がうどんに絡んで最高だ。では、続いて塩ベースのもつ鍋を。
(塩ベースのもつ鍋の作り方)
ウチの塩ベースもつ鍋はちょいと特殊だ。まず先に香ばしさを出すため、鍋にごま油を引いてもつを炒めるのだ。おっと、胡椒を振るのも忘れずにな。もつがいい色になってきたら水を加え、アクを取りつつ煮込んでいく。
アクが出なくなったら調味料を全て加え、ニラ以外の野菜を入れて蓋をしてグツグツ。野菜に火が通ったらニラを入れ、再び蓋をしてグツグツ。ニラはすぐに火が通るので短時間でいいぞ。仕上げに輪切り唐辛子と白ごまを散らせば完成。……あ、塩と醤油の奴にはゆず胡椒を入れても香りが良くなって美味いぞ。塩ベースのもつ鍋の〆は蕎麦がオススメかな、あっさりしたスープが蕎麦との相性抜群だ。
「うんまあああぁぁぁぁい!」
絶叫しながらかっこんでいるのは深雪だ。相変わらず元気の塊である。
「もう、深雪ちゃんたらおつゆ溢してるよ?」
そう言いながらテーブルを拭いているのは白雪だ。お姉ちゃんというよりオカンにしか見えねぇ。
「でも本当に美味しいです!」
元気印2号、大潮。改二になって少しは落ち着きが出たが、まだまだである。
「うふふ……♪でもこういう騒がしい飲み会って、何ともウチらしいじゃないですか」
そんな駆逐艦達を微笑ましく見守りながら杯を傾けているのは千歳。なんかすげぇ母性の塊を感じるんだけど。すげぇ色っぽいんだけど。
「ま、確かにウチらしいよね~。……あ、提督おかわり。塩もつ鍋にゆず胡椒プラスで」
そしてマイペースな北上。……ってかお前もよく食うなぁ。
「ウチの姉妹はみんなこうだにゃ。球磨ねーちゃんがいつも大量に食わせるせいだにゃ」
球磨よ、妹思いなのは結構だが、鎮守府のエンゲル係数の事を考えるなら勘弁してくれ。
「はぁ……お腹いっぱいだにゃ」
そりゃそうだ。あれだけ食った後のもつ鍋、〆までキッチリ完食したらそりゃ満腹になるだろうさ。
「う~ん、でも最後に何か汁物でも食べたいかなー?」
まだ食うか北上。お前ホントに元軽巡か?
「ほら、雷巡は燃費悪いしさぁ……?」
そういう問題じゃねぇの。
「まぁ、そう来るだろうと準備はしといたが……なっ!」
ドン、と汁物を盛り付けた椀を人数分、カウンターの上に出してやる。
「『鮭の粕汁・雑煮風』だ。今日はそれ食って、とっとと撤収しな」
粕汁は身体が温まるからな、寝る前の一杯にゃ丁度いいだろう。
《心もポカポカ!鮭の粕汁》※分量2人分
・鮭の切り身:2切れ
・大根:1/4本
・人参:1/2本
・昆布出汁:600cc(水600ccに昆布茶大さじ2)
・酒粕:80g
・味噌:大さじ2
・醤油:少々
・餅:2個(お好みで)
さぁ作るぞ。鮭は一口大にカット。皮を剥がすか剥がさないかはお好みで。大根、人参は皮を剥いて銀杏切り。
沸騰した昆布出汁に大根、人参を入れて煮る。ある程度火が通ったら鮭を入れ、色が変わるまで煮る。
鮭に火が通ったら酒粕を加えて溶かす。完全に溶けたら火を止め、味噌を加えて味見。塩気が足りなければ醤油で調整。
仕上げに餅を焼き、お椀に入れて粕汁を上からかければ完成。普通の粕汁として食うなら餅はいらんがな。
「はぁ……お腹の底から温まるにゃ」
「堪らんねぇ、この感じ」
多摩と北上は勿論、他の連中もまったりと味わっている。こんなゆったりとした夜も、たまには悪くない。……毎晩だと困るが。
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