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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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681部分:第九十七話 降臨への儀式その九


第九十七話 降臨への儀式その九

「そのうえで魔神達が護れ。四騎士達もだ」
「はっ、それでは」
「今より」
「聖域の者達を迎え撃ちましょう」
「我等全ての力で」
「そしてだ」
 アーレスがあらためて告げてきた。
「わかるな」
「はい、無論です」
「それは」
「ここからはじまるのだ」
 それがアーレスの言葉だった。
「私の時代がだ」
「はい、その通りです」
「アーレス様の時代は今からはじまります」
「いよいよ」
「破壊と永遠の闘争が支配する世界」
 それこそがアーレスが理想とする世界であった。
「それが今こそだ」
「その通りです。それでは」
「我々はその為に」
「喜んで戦いましょう」
「期待しているぞ」
 またであった。
「戦っていくぞ。いいな」
「それでは」
「聖闘士達をこのトラキアで」
 こうしてであった。アーレスの帰還を受けた彼等は極限までその士気をあげていた。そうしてそのまま彼等を迎え撃つのであった。
 その時だ。聖域でもだ。シオンが意を決していた。
「よし」
「いよいよじゃな」
「そうだ」
 まさにその通りだというシオンだった。
「我々も出る」
「ではわしもじゃな」
「そこにいてもらう」
 童虎への言葉だった。今は彼等はまたそれぞれ思念で話をしていた。
「いいな、それは」
「わかっておる。どのみち向こうから来る」
「その通りだな。では私はだ」 
 まだ立ってはいない。しかし自ら言うのだった。
「あの者達を連れて行く」
「そうか、あの者達をじゃな」
「全員だ」
 そして全ての者をだというのだ。
「連れて行くことにしている」
「それが妥当じゃな」
「いいというのだな」
「むしろそうしなくてはならん」
 それは絶対だという童虎であった。
「この戦いはじゃ」
「最後の、そして最大の戦いになる」
 彼はそれを既に見ていた。
「だからこそだ。私もまただ」
「あの方と同じくじゃな」
「戦う。いいな」
「そうするがいい。ではじゃ」
「うむ」
「勝利を手にするのじゃ」
 童虎が告げるのはこのことであった。
「よいな」
「わかっている。さもなければこの世はない」
 これもわかっていることだった。
「アーレスの支配する世界では人は生きられはしない」
「強い者だけが生き残りそこには法はない」
「戦いこそが法だ」
 それがアーレスの世界だというのである。
「そうした世界にはだ」
「何があろうとも勝たなければならんな」
「だからこそだ」
 意を決した言葉が続けられていく。
「行く」
 こうしてであった。シオンはその玉座から立ち上がった。今こそ最後にして最大の戦いがはじまろうとしていたのだった。アーレスは遂にこの世界に戻った。


第九十七話   完


               2010・2・28
 
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