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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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679部分:第九十七話 降臨への儀式その七


第九十七話 降臨への儀式その七

 だがその全身から放たれる紅い小宇宙は既にエリスのそれをも遥かに凌駕してしまっていた。まさにそれは禍々しい瘴気が世を覆うものであった。
「そなた達の働きにだ」
「いえ、それは」
「滅相もありません」
「我等はただ」
 しかしここで彼等は恭しく言うのであった。
「当然のことをしたまでです」
「それだけです」
「当然のことか」
 見ればアーレスは紅い服を着ている。身体全体が隠れる、さながらシオンの法衣の様な服を着ている。その髪は黒く短いが燃え上がる様である。そしてその顔は眉が太く猛々しい整った顔であった。
「私を復活させることが」
「はい、何故ならです」
「我等はアーレス様の僕です」
「ならばそれも当然です」
「違うでしょうか」
「その言葉と行動がだ」
 だがここでアーレスは彼等に言うのであった。
「いいのだ」
「といいますと」
「当然のことなのにですか」
「それを当然と言う」
 アーレスの声が笑っていた。明らかにであった。
「それこそがだ。私への最高の忠誠の証なのだからな」
「何と、そう言って下さるのですか」
「その様に」
「その通りだ」
 また言うアーレスだった。
「そしてだ。よいか」
「はい、アーレス様」
「今度は一体」
「何でしょうか」
「来るな」
 こう四闘神とエリス達に告げたのだった。
「あの者達も」
「トラキアにですか」
「聖域の者達が」
「そうだ、来る」
 その彼等がだというのだ。
「間違いなくだ」
「ではこれより」
「我々はあの者達を迎え撃つ」
「そうなのですね」
「そうだ。私としてはだ」
 アーレスは考える顔になっていた。そのうえでの言葉だった。
「むしろ聖域に攻めたいものだが」
「確かに」
 エリスが兄でもある主神の言葉に応えるのだった。
「それこそが我等に相応しいですから」
「自ら攻める方がです」
「まさに」
「我等としてはです」
 それを四闘神達も応えて頷く。
「今からでも聖域を攻めて跡形もなく破壊する方がです」
「それがいいのですが」
「ここはですか」
「迎え撃つ」
 やはりそうするというのである。
「わかったな。それではだ」
「はい、それでは」
「今から」
 こうしてであった。彼等はトラキアの護りを固めることにした。そして戦いの神はさらに言うのであった。
「そしてだ」
「そして、ですか」
「次は」
「我が愛する僕達はだ」
 彼が今度言うのはこのことだった。
「随分と減ってしまったな」
「はい、それは」
「悲しいことに」
 それはエリス達も言うのだった。嘆く声であった。
 
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