世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
カブト ~ZECTの裏?~
車中にて蒔風が説明を受ける。
ZECTは現在ワーム殲滅のためにあるものを配布している。
それはワームに反応し光るネックレスだ。
市民のほとんどがそれを持つことで、市民に紛れ込んでいるワームをあぶりだそうというものだ。
それを仮面ライダーカブト、天道総司はその配布場所を襲撃しており、それの妨害をしているのだそうだ。
加賀美の話を聞いていると、田所が加賀美に言った。
「加賀美、許可が下りた。ガタックに変身して現場に向かえ!」
「はい!変身!!」
《Henshin》
加賀美がガタックに変身して車の屋根に上がってからキャストオフ、クロックアップし先に現場に向かった。
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配布場所は市役所前の駐車場だ。
蒔風たちがそこに着く頃にはもう戦闘は終了していた。
クロックアップの可能なライダー同士の戦いは実際には五秒にも満たない。
それがカブトとガタックのような、この世界で最強に近い二人ならなおさらだ。
だが今回もカブトは逃げおおせ、加賀美は後始末を手伝っていた。
燃え上がるダンボール。
中のネックレスは一つ残らず使い物にならない。
さらには在庫を詰め込んだトラックまで吹き飛ばされている。
「徹底的だな。ここまでやるからにはそれなりの理由があるのか?」
「わからないんだよ。天道の奴、肝心なこといつも言わねぇんだからよ」
「・・・・言わない奴ってのはいくつかパターンがあってな」
「?」
「仲間を信じてないか、人に言えない理由があるか。そして最後に、誰かを巻き込みたくないかだ」
「どういうことだ」
話を聞いていた田所が蒔風に質問する。
「言葉の通りだ。巻き込みたくないってのは相手が巨大な組織って場合だな。あぁ、前者二つの理由は省くぞ。そんなことで大局を見誤るような奴じゃなさそうだしな」
「巨大な組織って・・・・」
「この場合十中八九ZECTだな。なにかあるぞ、このネックレス。ちょっと貸してみてくれ」
「お、おお」
加賀美がワゴン車からネックレスを持ってくる。
職員が持っていたものらしく、これはまだ無事だ。
蒔風がそれを首からかけた。
「だあぁ、なるほどね。田所さん、これ掛けてみてください」
「ん?ああ・・・・む?」
「どうですか?」
「いや・・・・なにか力が沸いて来るというか」
「やっぱりか・・・・・・ふぅ~・・・んッ!」
パキン!
蒔風がなにかに納得し、力を込める。
するとネックレスの宝石部分が砕けた。
加賀美がそれにビックリしていると、背後に集まっている野次馬の中からもパキンパキンという音が連続で聞こえてくる。
「な、なにをしたんだ?」
「ここじゃZECT隊員が多すぎる。大丈夫な場所は?あと腹減ったにゃー」
「それならいい場所がある」
そうこうして加賀美たちはそこから離れた。
どうやら行きつけのレストランがあるようだ。
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洋食レストラン「Bistro la Salle」
加賀美がバイトをしていた行きつけだ。
レストランといってもこじんまりとしたところで、のんびりとした雰囲気が心地好い。
その店内には加賀美、田所、蒔風がいる。
四人で正方形のテーブルを囲んで額をくっつけ合うように固まって話している。
端から見たら怪しい。
いや、普通に見ても怪しい。
「最初に聞いておくけど、田所さんは人間とネイティブの共存派なんだよな?」
「ああ。大勢のネイティブはそのつもりだ。確かに危険な思考を持つやからはいるがな・・・・」
「納得。でこのペンダントな?」
ジャラ、と蒔風がテーブルの上に宝石の割れたネックレスを出す。
「簡単に言うとこれは人間をネイティブに変貌させる物だ」
「な!?」
「この宝石部分からネイティブの波長が微弱だが送り込まれている。まあこの程度なら問題はないが・・・もしも波長の強弱をコントロール出来るなら、これはまずい」
「ばかな・・・・根岸さんは人類との共存を・・・・」
「根岸?ああ、ZECT上層部のネイティブか?多分それ嘘。おそらく全人類をネイティブにして支配下に置くつもりだ」
「だが・・・・だが・・・・」
「まあ真意がどこにあろうと、これはいいものじゃないからシステムごとオレが破壊したYO☆」
「破壊したって・・・どうやってだよ」
「他の世界の宇宙人の力を借りたまでさ」
「うちゅ、え?」
「とにかく、天道とやらの思惑は知れたな。そして彼もペンダントが破壊されたことは知っているはず。さらに彼が親しげにしているZECTと関係があるのは加賀美だけ。となれば・・・・・・」
バタン!!!
Bistro la Salleの扉が勢いよく開かれ、ひとりの青年が入ってきた。
「加賀美はいるか?話がある」
ネックレスを手に握り青年が加賀美を連れ出そうとする。
だが、そこに蒔風が声をかける。
「ここで話していこうぜ、天の道を往く者よ」
その言葉に青年・天道総司が立ち止まり、蒔風の方を向く。
「お前・・・何者だ?」
「世界最強」
「それは違うな。世界で最も強いのはこのオレ、天の道を往き総てを司る男だ」
「まあ、世界最強談義はあとで。今はそのネックレスについて、そしてお前さんの境遇について話そうか」
天道が眉をひそめる。
加賀美と一緒にいたようだが、この男は何者なのか。
ネックレスが破壊されたのはこの男の仕業なのか。
蒔風の言葉を聞いてしまってはいくら天道ですら無視にはできない。
「いいだろう。話してみろ」
「はいはい・・・態度でかいなぁ、もう」
そんな感じで蒔風が天道に説明する。
ネックレス、ネイティブ上層部の思惑、そして最後に蒔風自身の事。
それらを聞いて、天道はうなづいた。
「信じがたい。だが、信じるに値する話を聞かされては、信じるほかないだろう」
「よかった」
「ま、オレがいればすべて救われる。オレはすべてを救って見せる男だからな」
「ところがどっこい。「奴」はそう簡単に勝てる相手じゃねえ」
「そういうお前の実力は一体どれほどなんだ?」
「世界最強」
「・・・・・いいだろう。お前の力を見てやる。ついてこい」
そう言って天道が蒔風を外に連れ出し、その後を加賀美がついていく。
そしてバイクに乗って三人がいきついた先は
「ここは・・・ZECT本部?」
「そうだ。オレはこれからここを叩く。人間をワームに変え、二つの種族の共存をぶち壊す愚か者を叩き潰すためにな」
「いいねぇ・・・わくわくするよ」
そう言って三人が歩いていこうとする。
と、そこに一人のスーツ姿の男がゼクトルーパーをひきつれて現れた。
「天道総司、加賀美新。貴様たちは反逆者だ。そして・・・・貴様は誰だ?」
「まず自分から名乗ってくださいよ」
「そうだな・・・・私は三島。ZECTのお偉いさんだと思ってくれていい」
「じゃあ、どうも初めまして。蒔風舜です。あのネックレスのシステムぶっ壊しました」
「・・・・・・貴様が?」
「そうさ。見たところ、あんたも人間やめたみたいだな」
蒔風の追及に天道と加賀美が驚く。
それを言われた三島が眼鏡をはずしながらクックと笑う。
「なるほどな・・・・どうやらあの男が言っていたことは本当のようだな」
「!?貴様・・・「奴」と?」
「いいアドバイスをもらったぞ・・・そしてオレは・・・それによって最強のネイティブとなった!!!!」
ゴォオッ!!!!
三島からとんでもない殺気とエネルギーが噴き出す。
その顔が冷静そうな落ち着いた顔から、醜悪な、欲望むき出しの男の顔に変貌する。
「お前たち、見ていろ!!この三人を始末した後に、お前たちもこの力を手にすることになるのだ!!!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
その体が変貌する。
コオロギの特性を持つネイティブワーム・グリラスワームの姿に変わったのだ。
そして命令通りに背後のゼクトルーパー達が戦闘に巻き込まれないように下がる。
「どうやらあいつはネイティブに変わったようだな」
「で、さらには部下の人間もネイティブにするつもりらしいな」
「ここで負けたらこの世界の人間は皆ああなるわけか・・・・・負けられないな」
「いくぞ、加賀美。そしてここでお前の力を見せてもらうぞ、蒔風」
「注文多いのなァ・・・まあいいけど」
「天道!!行くぞ!!」
「ああ・・・・おばあちゃんが言っていた。異なる者がわかりあうこと、それは世界で一番素晴らしい、ってな」
「いいこと言うな、おばあちゃん。ネイティブだけの世界じゃ、それは為し得ないからな!!」
「「変身!!」」
《Henshin.cast off―Change Beetle!》
《Henshin.cast off―Change Stag Beetle!》
三人の戦士と一人の異形が相対する。
普通とは違うエンディング。
世界最強が介入する。
to be continued
後書き
蒔風がネックレス壊したから影山は無事ですね。
神代は救えなかったけど、彼は救えたよ・・・・
地獄兄弟ファンの皆様、安心してください。
アリス
「次回、VSグリラスワーム」
ではまた次回
俺は、俺にしかなれない。でも、これが俺なんだ。
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