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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  カブト ~オレがいる!?~


SIDE 蒔風

あ・・・ありのまま今起こった事を話すぜ!

オレはオレに出会った。
と、思ったらオレが化け物になって襲ってきた!!

な、何を言っているのかわからねーと思うが、オレも何があったのかわからなかった・・・

「奴」だとか変装や変身だとか、そんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ。



・・・・・・・・すみません嘘です。
なんのことかわかってます。ワームですね。
沢辺の散歩道にいたら絡まれました。





ワーム
渋谷に落ちた隕石から出てきた地球外生命体。

彼らは人間の姿に擬態する。
しかも外見だけではなく、記憶すらも。
そして人間としてこの世界に潜んでいる。

だが最近になって彼らにも種類が違う者がいたことが分かった。

ネイティブと呼ばれる彼らは、ワームから逃げてきた者たちである。

ワームは彼らを追ってきたのだ。
彼らと接触した人間はZECT(ゼクト)という組織を作り、共にワームに対抗した。

今ではほとんどのワームはすでに殲滅され、あとはうまく逃れた者。
そしてネイティブだけだ。




すなわち、今蒔風の目の前にいる蒔風は、彼に擬態したワームということだ。


「早めにケリをつけんぞ。最近はZECTの野郎どもが・・・・う・・・が!?」

ワームには何やら見つからることを避けているのか、手短に済ませようとする様子が見える。
だが、擬態状態からサナギ体に変貌し蒔風に襲い掛かろうとしたそいつが、急にうろたえ始めた。


「げ、げ・・・・なんだ・・・この・・・・記憶・・・っていうか・・・つよ・・・」

そう、擬態したワームは元の人間の記憶、意思を引き継ぐ。
つまり、そちらの意識があまりにも強いものがあると、そっちに飲み込まれる場合がある。

そして、この場合はワームにとって非常に好ましくない影響を及ぼした。


「ああなるほどね。俺なんかコピーするから、飲み込まれるどころか押しつぶされそうになってんのね」

「ぎ・・・ぎいいいいいいいいいひひひひひっひひひっひ!!!!!!ごああああああああ!!!!」

「あぁ・・・」

「ヴシャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

そして、ついに完全に狂ったワームが突っ込んできた。

放っておくとワームは成虫体となってクロックアップという超高速移動能力を得ることになる。
そうなると非常に厄介だ。

そうなる前に、倒す必要がある。


「いいぜ・・・かかって来いよ!!!」

「がああああああああああああ!!!!!」


完全に狂戦士状態だが、今ならまだ特に能力の無い雑兵だ。
倒すことは容易だろう。


蒔風が拳を固め、その鉄拳をもって

「打滅ぼ・・・・」

敵を打ち砕かんとする、が




それよりも早くワームの身体から火花が上がり、ぐらりと揺れた。

「あん?」

「そこの君!!はやく逃げろ!!!加賀美!!ワームだ!!!」

拳を放とうとして止まった蒔風の後方から、渋い顔をした男性が銃を構えながら走ってきた。

けん制程度にしかならないものの、男性は通信機で呼び出している「彼」が来るまで時間を稼げればそれでいい。




だが呼び出している彼は間に合わないのか、男性にワームが迫る。
致し方なしに蒔風が間に割って入り、ワームを押さえるとともに男性を後ろに下がらせた。

「な・・・ワームと生身で・・・?」

「あー、これ?」

目の前の男性は主要人物なのだろうか?
蒔風の頭に疑問符が浮かぶものの、たとえそうだとしても説明している時間はなさそうだ。


と、そこで蒔風が飛来する何かを察知した。

自分に向かってくるものではない。

電子的な、それでいては音のような音をさせながら、青いボディのクワガタムシ型のユニットが飛来してワームに向かって体当たりしたのだ。
幾度も敢行される体当たりに、ワームは火花を散らしながら後退させられ、蒔風から離れていく。



「来い!!ガタックゼクター!!!」

すると、別の方向から走ってこちらに向かって来る青年が一人。
その青年の声に反応して、ガタックゼクターと呼ばれたユニットが青年の方へと向かい、彼がそれを掴む。

「田所さん、大丈夫ですか!!こっちが相手だ!!ワーム!!変身!!!」

《Henshin.cast off―Change Stag Beetle!》

青年がガタックゼクターをすでに巻かれていたベルトにはめ、起動。
変身することで装甲をまとい、さらにゼクターの角を反転させて装甲を吹き飛ばし、仮面ライダーガタックライダーフォームへと変身する。

それと同時にサナギ体のワームも脱皮し、成虫体となる。


「脱皮した?」


先にも述べたが、そうなることでワームはクロックアップという超高速移動に移行することが可能になる。
そして、その超高速移動における戦闘こそが、ワームという種族の真骨頂だ。

「ッ!!クロックアップ!!!《Clock Up!》」

そしてガタックも同じように動き出す。
ライダーフォームになったガタックもまた、クロックアップが可能なのだ。


その瞬間、蒔風にはワームとガタックの動きが途切れように見えた。


動き出す二つの影。
単純な攻撃をするワームの腕を掻い潜り、ガタックが自身の剣「ガタックダブルカリバー」を鋏状に組み合わせて挟み込む。
《1、2、3 》「ライダーカッティング!!!」《Rider Cutting!》という音声と声。
そしてワームを挟み切り、爆散させる。


それらが蒔風の目、耳に残った物だ。
まるでコマ割りの動画のようで、しかも視認できただけで身体がついては行けなかった。

現に蒔風も参戦しようとしたものの、足を出した時にはすでにワームは爆発し戦闘は終了していた。


「速えぇ・・・・・」


そこに変身を解いた青年がやってきた。

「君、大丈夫か?田所さんも」

「ああ、よくやった、加賀美。それと君・・・・」

「あ、助けてもらってどーも。蒔風舜です。田所・・・さん?」

「ああ、私は田所修一というものだ。そしてこっちが」

「加賀美新だ」

自己紹介してくる彼らと握手し、田所が蒔風に訊く。


「ところで君は何者だ?ワームに対抗できるだけの力があるみたいだが。まさか・・・・」

「オレはワームでもネイティブでもないですよ」

「む?そこまで知っているのか?」


田所は眉をあげて驚いた。
確かに最近、この世界においてワーム殲滅のためにZECTの存在もワームのこともある程度は一般市民にも知らされている。

だが「ネイティブ」という単語については、ワーム対策組織のZECTのメンバーにしか知らされていない。
しかし、蒔風の言葉からはおそらくかなりの事を知っているように感じられた。


「どこまで知っているんだ?ZECTのメンバーか?」

「ZECTのメンバーでもないなぁ・・・・でも大体はわかる。貴方がネイティブであることも」

「!!??」

「お前・・・何者だ!?」

加賀美が蒔風と田所の間に入り詰め寄った。

「そうだなぁ・・・よし、話すか。人気のないところに」


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「という話なんですよ~~~」

「信じられるか!!そんな突拍子もない話!!!」

「いや・・・・そうとも言い切れない」

「田所さん?」

「まず、彼は私がネイティブであることを見抜いた。だが私には彼からネイティブであることを感じとれない。と、言うことは彼には何か力があるのだろう。さらには彼は加賀美の戦いを目で追っていた。本来ならばそんなことは不可能だ」

「・・・おい・・・お前、オレが最後ワームをどうやって倒したか言ってみろ」

「たしか・・・剣を鋏状にして切っていたな」

「あ・・・・・」

加賀美があんぐりと口を開けて驚いている。


「そういうわけだ。確かに世界云々は信じづらいが、誰かが狙われているのは見過ごせないな」

「田所さんがそこまで言うなら・・・・オッケ!!オレも信じるぜ」

「サンキューー。で、その最主要なんだが・・・「カブト」って誰さん?」

「・・・・天道か・・・・」

「天道?」

「ああ。天道総司。カブトに変身する男だ。確かにあいつならそれっぽいしなぁ~~~~」

加賀美が頭をガシガシと掻きながら言う。

「だが今彼は・・・・」

「そうなんだよなぁ・・・・」

「なによなによ~~。話題に置いてかれてるよ?オレ」

「ああ、それは・・・・」


ツーツーツー


そこに田所の通信機に連絡が入る。


『カブトがペンダントの配布場所に出現!現在、ゼクトルーパーが交戦中。ただちに急行せよ!!』


「は!?」

「またか・・・いくぞ!!加賀美!!君も来るか?」

「まあ行くけど・・・どういうことだよそれ!!」

「途中で説明するから!!速く行こう!!」


加賀美と田所に連れられてワゴン車に乗り込む蒔風。

どうやら何やらあるようだ。





to be continued

 
 

 
後書き

アリス
「カブトの世界!!」

この世界では思いっきりテレビ本編最後のほうですね。
カブトが襲撃しているとこですね。
これ以上は知ってる人も多いでしょうけど言いません。

だからサソードは出せません(泣)

神代ファンの皆様、申し訳ございません!!!!
多分復活もしないと思う・・・・・





アリス
「次回、カブトの真意」

ではまた次回






オレはすべてにおいて頂点に立つ男だ!!!
 
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