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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  カブト ~人の無限の可能性~

《《Clock up》》


カブト、ガタック、グリラスワームがクロックアップし、超高速移動で戦闘を開始する。


「ちょ、いきなり!?オレついてけねーじゃん」


そしてそれを呆然と眺める蒔風。
彼らがなにをしているかは見えている。
見えてはいるが体が反応しないのだ。


(こいつはどうにかしないとな・・・・)


そうしている間にもカブトとガタックが追い詰められる。
ただえさえ強力なネイティブになった三島に、「奴」が手を加えたのだ。
本来なら互角に戦える布陣が崩れている。


「あっ!・・・・・危ねえ!・・・そこっ!チクショウ!!こうなりゃヤケだ!思いっ切り動く!」

バサァ

蒔風が動き出す。
その背に翼をはためかせて。





「がっ!」
「ぐお!」

カブトとガタックが地面に倒れ、その姿をグリラスワームが嗤う。


「どおしたぁ!カブトォ!ガタックゥ!我々の造ったマスクドライダーシステムの最高峰はそんなにも軟弱だったのかぁ?」


「な、めやがって・・・」
「くっ、だが、強いのは事実だ」


「ははははははははは!!あの男はクロックアップ出来ない!!助けは来ないと考えブフェッ!?」


ゴガッ!!!

そこまで叫んだグリラスワームの言葉が途切れ、身体が壁まで吹っ飛び破壊する。


「なかなか出来るもんだな。あとは慣らしか」


カブトとガタックの目の前。
そこには右手をニギニギと開いている蒔風がいた。
背中には翼、足元のコンクリは窪んでいる。

振り返って蒔風が片手ですまんの形をとる。


「すまない、遅れたわ」

「蒔風、お前のそれはなんだ?」

カブトが蒔風の背中にある銀白の翼を指差して聞いた。


「これ?翼人の証・・・・ってもわからないか。大きな力を使うときにはこれを出すんだが、その時に生まれる反動とか無駄なエネルギーの噴出口なんだよ。で、そのエネルギーを無駄なく使ってみました」

「つまり?」

「まあつまりはオレにもクロックアップのまね事ができるというわけで」


ドコゥ!!


「ゴガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

グリラスワームが瓦礫を吹き飛ばして立ち上がってくる。
全身から怒気と殺気を撒き散らし、狂気と憤怒に満ちた咆哮を上げる。


《《Clock over》》


そこでカブト、ガタックのクロックアップが切れた。
蒔風も開いていた翼を下ろして背中に畳む。



「人類は弱い!だからこそ皆ネイティブとなり、より上の種族となるのだ。これは人類の進化だ!!皆がネイティブになれば種族間のいさかいも無くなる!!なぜそれがわからないか!!」


「わかるさ!わかるから否定できんだよ!確かにそれは素晴らしい。戦争な無くなるかもしれないし、人類は種族として先に進めるかもな!だがそれは軟弱な進化だ!!弱い奴がとる手段だ!!進化とは必死になって生き、その過程で得てきた物が昇華すること。人為的に進化する進化は進化に堪えられない弱い奴がすることだ!!

 お前が勝手にやるのは構わない。
 だがお前の弱さを人類に押し付けるな!
 ナメるなよ?人類は、弱くはない・・・・・!!」


「蒔風・・・・」

「・・・・蒔風」

「こいつはオレがやるよ。オレの力、見たいんだろ?」

「・・・・・ふ、そうだったな」


蒔風が一歩前に出て、グリラスワームを不敵な目で睨む。


「さぁて!ギャラリーもいるし!張り切るか!!」

蒔風の翼が消え、手にはこの世界とは別のライダーのベルトが現れる。


《555 standing by》

「変身!!」

カチッ、ガキッ!!

《Complete》


蒔風がファイズに変身し、さらにアクセルメモリーをベルトにセットする。

《Complete》


ガッ、ガシィ!


ファイズアクセルフォームにまで変身した蒔風の姿にグリラスワームが混乱する。


「なんだそのライダーは・・・・・・俺は知らんぞ!!」

「この世界の誰も知らないさ。こっちは時間制限があるんでな!手っ取り早く終わらせるぞ!付き合ってやるよ!10秒間だけな!あ、これ士の方だわ」

「なにを訳のわからんことを!!」


グリラスワームがクロックアップしファイズアクセルに疾走する。

《start up》


それに合わせて蒔風もスイッチを入れて超加速する。


周りの動きが止まり、二人だけが動くクロックアップの世界へと突入した。


グリラスワームが腕の鈎爪で蒔風を引き裂こうと一切の前触れもなく振るう。
鉤爪が空間を裂き、あまりの速さに通過した後の空気がユラリと揺れる。

蒔風はスライディングしてそれをかわし、その間にエクシードチャージしてポインターにエネルギーを溜める。
そして前回り受身をとりながらグリラスワームの周辺を転がり、六つほどポインターを設置する。


「なっ!?」

「フッ・・・だらあああああああああ!!!!!」

ドンドンドンドンドンドン!!!!!
バァン!!!!!!


蒔風のキックが全弾命中し、爆発が起きる。


「どうだ・・・これが人として生きた、ある世界の男の力だ。そいつも確か人類の進化系だったかなーそういえば」

「ぐ・・・・・あ・・・・・うぐ」


爆発後から三島がヨロヨロと出てきて倒れた。
大の字になって上を向き、完全に気を失っている。

体中にはあざができ、スーツもボロボロ。
整えられた髪型は崩れまくっていた。


「三島さんがやられた」
「どうする」
「やはり人間の方が強いのか?」


周囲のゼクトルーパー達も困惑気味だ。
まさか負けるとは思っていなかったのだろう。


「おいお前ら」

ビクウ!と蒔風の言葉にゼクトルーパー達がどよめく。

「こいつに起きたら伝えておけ。お前は殺さない。その姿で、どのように生きて行くのか。そのお前だけの答えを見つけ出せ、とな」

「わ、我々はどうすれば・・・・」

「知るか。いい大人がオレに頼るな・・・・ってもオレの方が実際年上になんのかな?とにかく、お前らには道がある。このまま俺らを止めるもよし、家に帰って休むもよしだ」

そう言ってカブトとガタックの方へと歩みよる。

「どうよ、俺の強さは」

「たいしたものだな」

「だろー?行こうぜ」


天道と加賀美が変身を解き、蒔風の後についていく。
すると数名の隊員がヘルメットをとってこちらに向かってきた。

「我々は・・・人のままでも、彼らと共存できるのでしょうか?」

その質問に、天道が指を立て、天に向けながら言った。

「それを為すのが天の道。覚えておけ。それを為す偉大な男の名を。天の道を往き、総てを司る男の名をな」

「セリフトルナーー」

「蒔風、諦めろ」

「ふ、行くぞ」

「あ、!!先行くなよ!!!」


バタバタしながら進んでいく三人。
それを眺める数名の男達。

彼らになら、この世界の未来を任せてもいいのかもしれないと、そう思える光景だった。




「(スタスタスタスタ)」

「蒔風歩くの速っ!?」

「・・・・(スタタタタタタ)」

「ちょ、天道も待てよ!」

「「オレが先だぁ!!!」」

「よォしテメェら一旦そこになおれ。その真っ直ぐにひんまがった性格どうにかしてやるわ!!!」

「上等だ、やるか?」

「オレに挑むのか?お前ら」





・・・・・・・・心配になってきた彼らであった









と、そこに現れる一人の男の姿。

「あの翼・・・やはりここに現れたか。相棒を救った男・・・・あの男なら俺らに光を・・・・・」




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廊下をほどなく進み(ケンカしながら)
途中に現れたネイティブを数名昏倒させ(ケンカの邪魔すんなとばかりに殴られた)
ついに最後の部屋に辿り着いた。



「このシステムは・・・・・」


その部屋には巨大なスパコンが一台。
それをコントロールするバーだとかキーボードだとかがついた機械。
さらに何かがそこにいたのか、大きなベッドがあり、その周辺にはその「何か」に繋がっていたであろうコードが散っていた。

それら機械一式はすべて壊れている。
外的なものではなく何かの干渉によるものだ。

おそらくはこれが人間をネイティブに変えるシステムだったのだろう。

そして最後に、一体のネイティブの死体があった。
近くには千切れたジャケットが落ちていた。


「誰だこのネイティブ」

「このジャケットは根岸さんのものだ」

「じゃあこのベッドに寝てたのはそいつか?で、脱出しようと暴れ出したと?」

「いいや。確か加賀美の親父さんの話では根岸はこの計画の立案者だ。それはないだろう」


加賀美の父はZECTのトップだ。
だがその上にネイティブによる評議会があり、そっちの方が事実上のトップになっている。

加賀美の父は天道にこの計画を止めてくれるように言ったそうだ。


「じゃあ一体誰がいたんだ?ネイティブだろ?ここにいたのは」

「それは間違いないが・・・・・」

三人が一通り調べるが、一切の痕跡が見つからない。
これではもうすることはない。

三人はとりあえずこの部屋だけは破壊するかとメタメタのグシャグシャにしてから、アンテナを破壊しようとそのビルの屋上へと上がった。




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「これ?」

「これだ」

「これだな」

屋上に上がり、風に吹かれながら三人が巨大なアンテナを見上げた。
アンテナと言うよりはそれは塔だった。


「すごく・・・・おおきいです」

「壊さないか?」

「うはっ、いい提案」

「お前は何を言ってるんだ」


天道があきれながら二人に言う。
アンテナ塔は三島との戦いで傷ついた二人は休み、蒔風が破壊した。


「斬って~~(ザシュ)、溶かして~~(ボッ、ドロドロドロ)、冷やしてから積み上げて~~(ジュワアアアア・・・・・ガラン)」


そんなことを何回か繰り返し、屋上には巨大な鉄の塊が積み上げられていた。


「これどうするよ」

「確か鉄って高く売れんだよなァ」

「おい蒔風、変なこと考えんなよ?」

「おばあちゃんが言っていた。金は・・・必要だ」

「それ本当におばあちゃんの言葉なのか!?」




そんな光景を見ている男が二人


一人はさっき三島戦の後に現れた男だ。

だがもう一人は違う。









「おおおおおおお!!!!速く早く計算終われ~~~~~!!!せっかく揃ってんだから~~~。今が好機なんだから~~~!!!」



「奴」の世界構築計算終了まで、あと僅か。





to be continued
 
 

 
後書き


アリス
「次回、計算終了!!!」

ではまた次回









今、誰か俺を笑ったかぁ?

 
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