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ヨハンだがこんな状況を覆す

作者:刀の道
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敢えて言おう。まだまだだね!!


 ヨハンがハルバートン提督達に、自身の出自を明かした。
それに対してラミアス艦長達は、固まっている。
いや、服装がいきなり変わったり。軍人のトップと言われて混乱しているのだろう。

 だがハルバートンだけは、変わらず鋭い眼差しだった。

 「……成程。こちらでも君の事は調べたよ。君の戸籍等の経歴の類は一切なかった」

 静かにヨハンを見つめ語りだすハルバートン。

 「しかし、君の話が事実なのかを証明は出来ていないのではないのかね?」

 「そうだな。では、アークエンジェルの主だったクルー。そして学生たちを格納庫に集めてくれ。
 俺の話を真実だと証明するとなれば、それは大きな意味合いを持つ」

 やっと復帰した三人は、そんな真剣な顔をしている二人を見て回復したようだ。
そしてラミアス艦長が、まず質問する。

 「『大きな意味』とは?」

 「第四勢力の存在証明に他ならないからだ」

 ハルバートン提督が、ヨハンが答えるより先に答える。
そう。今行われている戦争は、オーブ・連邦・プラントが密接に関わっている。
そこに新たな陣営が出現するという事になるのだ。

 「…わ、わかりました。至急隊員たちに知らせてきます」

三人が退出する。
どうやら残るべきではないと考えた様だ。

 「ヨハン総帥と呼んだ方がよろしいか?」

 「お好きに。私は貴方たちの上官では、ありませんから」

 「では…総帥と。貴方、いいや貴方方と言った方がいいか…
 我々の世界に一体。何を求めてやって来たのですか?」

 「我々は未知を求めて、次元転移を行いこの世界にやってきました。
 それと我々は、その世界の事は基本的には『その世界の人間』が解決すべきという持論を持っています」

 「成程。悪戯に武力介入を行い、意のままに支配する事は本意ではないと?」

 「その通りです。しかし解決が不可であり、要請または依頼があれば。
 我々は例えば、『この戦争』を終わらせる事ができる」


 ヨハンの言葉に、ハルバートン提督は驚愕した後。
一体どうやって終わらせるのか、何故今までしなかったのかを問いただそうとしたが。
直ぐに冷静になった。
理由は明白。彼が先程口頭で言った通りだからだ。
そしてその考えに自分も異論はなかった。

 ハルバートン提督との会話が終わり、メンバーが集まった事がムウより知らされた。

―――――――――――――――――――


 「さて、ではお見せしたいと思う」

 「つっても、ここには何にもないけど…」

 「今から行くのさ。…ELS!」

 ヨハンの体からELSが蜘蛛の巣状に広がり。全員を包む、その光景に一同は驚いている間に本拠リーブラに到着する。


 「「「なんじゃこりゃ~!?」」」

 「これは?!」

 「ようこそ、リーブラへ。そして私達の歴史を知って欲しい」

 そこから語られた話は、CE世界の人間には考えられない世界だった。

記録映像と、ヨハン達の記憶映像を混ぜた動画を見たのだ。
 
 核兵器は禁止され、エネルギーとして太陽光システム。そして軌道エレベーター開発。
様々な紛争を経験した後、世界は三つの大国間に分かれ冷戦構造になる。
AEU、人革連、ユニオン。そして現れるソレスタルビーイングという存在。
武力介入を行うCBと三ヶ国の連合が、戦い。変革が起き始める…

FFの総帥ヨハンの説明もされる。
元々は体の良い捨て駒として、生み出された三人。
だが見返す事を誓い。雌伏を続け遂には、世界を…人々を変えた。

2年が経ち、ヨハンは軍のトップであると同時に特別国家の長になっていた。
世界は平和の意味を考え、緩やかに変わり始めた。
だが、地球外変異性金属異性体が来訪する。
イノベイターによる対話が行われ、ELSの真意を知る事になる。

 
 クルー達とハルバートン提督は、各々差はあれど驚いてはいたが。同時に納得もしていた。
ある者はその操縦スキルの高さに、ある者は見識の広さに。
マードック等は太陽炉に興味深々の様子だったが……。
またムウは、ナチュラルであるコーラサワーやニール。グラハム等のパイロットとしての実力に唖然としていた。
キラは……タチハロをチラッチラチラっと見ていた。見かねたフレイに頭を叩かれたが。


 「「……」」

 「どうだね。我々からすれば、コーディネーターは新たな人類ではなく。強化人間の一種なのだ。
 進化とは、人間が操作出来る物ではない。自然の成長と共になっていくものなのだよ」

 「成程、目の前の未知なる機械とMS。そして戦艦と技術系譜が異なる事。
 確かに君の証明はされたな。では具体的な展望を聞かせてくれ。
 これは大西洋連邦のハルバートンではなく、一人の人間ハルバートンとして聞く。
 どうやって、戦争を終わらせる?」

 ハルバートンの問いは、全員の心情を言葉にした物である。
リーブラに来たもの達は感じたのだ。
決して虚言で言ったのではない。
具体的な道が見えているのだと、そしてそれは彼らには可能だと。

 その目線を受けてヨハンは答える。

  「三ヶ国に宣戦布告する」


 彼らは、またしても茫然となるのだった。 
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