ヨハンだがこんな状況を覆す
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高らかに宣言
ラクス嬢の無事を確認したアスランは、上司である。ラウ・ル・クルーゼに連絡を入れた。
そしてヨハンに言われた通り、キラと少しばかり会話をする事になる。
「キラ…どうしてお前が……」
「あの後、皆を守るためにヨハンさんの部下にしてもらったんだ」
「ヨハンって言うと…」
アスランの脳裏には、先ほど出会い意味深な事を言った、大人が浮かんだ。
「うん。それと色々考えさせられたよ。
ヨハンさんが歴史を学べって言ってたんだけど、その意味を少しは分かった気がしたよ」
「でもお前は!!」
アスランは、お前はコーディネーターだろう?!と口にしようとしたが。
それを制するように、キラは言葉を続けた。
「アスラン、コーディネーターだからナチュラルだからで、決めつけちゃだめだよ。
大事なのは、なんで戦争が起きたのか。それの解決策は?って考えないと…。
まぁこれもヨハンさんの受け売りなんだけど」
アスランはキラの言葉を聞いたとき、自分が知っていたキラが大きくなっている事を感じた。
昔の頼りない姿から成長した事を感じさせた。
そして、確かに自分がよく考えたり、調べもせず決めつけていた。
その可能性を問われた気がした。
「ふふ…アスラン。貴方が感じた事は、戻った後ゆっくり考えたらいい事ですわ。
私も少しあの方に影響を受けましたし。今は戻りましょう母艦へ」
こうして三人の小さな話し合いは、終わりを告げた。
――――――――――――――――――――――――
「しかし、いいんですかねぇ?メネオラスの横っ面になんかつけて」
「ハルバートン提督が、艦をよく御覧になりたいんでしょう。後ほど、自らも御出になるということだし。閣下こそ、この艦とGの開発計画の一番の推進者でしたらかね」
「民間人はこの後、メネラオスに移って、そこでシャトルに乗り換えだってさ。あ!でも俺達どうなるんだろ…?」
カズイの言葉に答えたのはヨハン。
形式上彼らの上司である。
「民間人の乗り換えは結構だが。すんなり帰れるとは思えないな。
それと俺達は恐らく、この後の面会に呼ばれるだろう。
それに……決めねばならないからな」
ヨハンの神剣な表情に、ミリアリアとトールがひそひそ話し合う。
「……ねぇ、決めるって何を?」
「ん~、給料かな?」
「はぁ、そんな訳ないでしょ!あの顔はもっと大きい決断ってことよ」
しかし学生組がお金を気にするのも事実。
だがまさか、あんな事になるとわ……
「艦長。ストライクの事、どうなさるお積りですか?」
「どうって?」
「彼を下すか否かと言う事です。今はヨハンの部下として乗ってもらっていますが。
この後は…どうなるか」
「問題ない」
「「!!」」
二人の会話をこっそり聞いていたヨハンが、彼女たちに告げた。
「詳しくはこの後ハルバートン提督との会談の時、話をするが所属が変わるだろう」
「それは一体?」
「地球軍は今のままでは、戦争を終わらせる力が無いという事だ。
それに如何に優秀とて、心も強靭だとは限らない。じゃあ後ほど会おう…」
――――――――――――――――――――――――
「ん?おぉーー!いやぁ、ヘリオポリス崩壊の知らせを受けた時は、もう駄目かと思ったぞ。
それがここで、君達と会えるとは…」
「ありがとうございます!お久しぶりです、閣下!」
「先の戦闘中との報告を受けて、気を揉んだ。大丈夫か!?」
「ナタル・バジルールであります! 」
「第7機動艦隊、ムウ・ラ・フラガであります」
「おおー、君が居てくれて幸いだったぁ。
ああー、そして彼らが…?」
「はい、艦を手伝ってくれました、ヘリオポリスの学生達です。
今は形式上、こちらのヨハンさんの部下という形で、働いてもらっています」
「君達の御家族の消息も確認してきたぞ。皆さん、御無事だ!」
提督の声に、安堵の声を上げる学生組。
そしてフレイは父親と合ってきたようだが、強烈に叱責を浴びせたらしい。
それを受けたフレイ父は、意気消沈し自分の娘だけでも逃がせ等の言を言わなかったらしい。
そして紹介されたヨハンは、ハルバートン提督と握手をする。
だが、二人はひそかに目でやり取りをしていた。
一体何者なのか、一切の情報がないヨハンを見定めようとする提督に対し
ヨハンは目で、この後教える事を告げる。
互いに言葉を交わしたわけではないが、少なくとも
虚言を吐く様な目でない事と、鋭い眼差しを見た事で理解したのだ。
とんでもない状況の中、よく頑張ってくれたなぁ。私からも礼を言う」
握り合った手を解き、学生たちに向かう提督。
「閣下、お時間があまり…」
「うむ。ヨハンと言ったかね、君にも同行願いたい」
「了解した」
ナタル、ラミアス、ムウ。そしてヨハン達は一室の元。
ハルバートン提督と向かい合う。
ちなみにホフマンには、退場を願った。
これは、ハルバートン提督が事前に告げたらしい。
「彼の物とは、余人を交えず話し合う。くれぐれも入ってくるな」
と言われたホフマンは訝しんだが、命令にしたがったようだ。
「さて、では改めて聞こうか。君が、何者なのかをヨハン君」
ハルバートン提督に聞かれたヨハンは、装いを変える。
「元地球連邦軍、総帥。現FF総帥、ヨハン・ゾルダーク。別世界の者だ」
ヨハンの服には、元帥位の勲章と、FF組織の紋。紛れもない本物の軍服を着た。
軍人最高位の人間として、彼らの前でその正体を明かした。
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