聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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389部分:第五十三話 氷の妙技その六
第五十三話 氷の妙技その六
「それでもう充分だ」
「そうか。それでは最早説明は不要だな」
クレーベはカミュの今の言葉を受けて満足した笑みを浮かべてみせ。そのうえで言葉を変えてきたのであった。
「だが私のことは知っているか」
「ネビロスか」
「そうだ、ネビロスは魔神の中でアガリアレプトと並ぶ軍師なのだ」
それだというのである。そのネビロスとは。
「私に対しては如何なる幻もまやかしも通用しない。全て見抜くことができる」
「全てか」
「まずそれを言っておく」
強い、自信に満ちた言葉であった。
「貴様がどういった術を使おうともだ。私がいる限り一切通用しないということをだ」
「安心しろ。それはない」
しかしカミュは相変わらずの落ち着いた態度でこう返すだけだった。
「私は今はそういった術は使わない」
「賢明だな。ではどうするつもりだ?」
「私の技だけで戦う」
こう言うのだった。
「このアクエリアスのカミュのな」
「それでは」
「それを見せてもらおうか」
それを聞いたカトリとボーイの言葉だった。
「このラウムのカトリに」
「ヴァラクのボーイに」
「勿論この私にも」
「見せてもらうわ」
次に言ったのはブロケルのティータにも」
「ノロベのシルクにも」
「それが私と戦う五人だな」
「如何にも」
クレーベが五人を代表する形で言葉を返してみせたのであった。
「不服か?この顔触れで」
「何も不服とは言ってはいない」
そうではないというのである。
「来るがいい。私の技、ここで見せてやろう」
「いいだろう。それではだ」
ここでクレーベの周りに無数の屍達が姿を現わしてきた。どれも腐り朽ち果てていた。
「戦い、楽しむとしよう」
「死者。冥界の亡者達か」
「その通りだ。ネビロスは死者を操ることもできる」
自信に満ちた笑顔と共の言葉であった。
「本来はハーデス様が治められる亡者であろうとも。この様にしてだ」
「それでなのか。だからこその死霊使いというわけか」
「その通りだ。そして」
「私達もいるのよ」
「それはわかっているな」
他の四人もここで出て来たのだった。カミュの前に。
「この五人の攻撃で」
「アクエリアス、貴様を倒す」
「覚悟!」
そして一斉にであった。その攻撃を放ってきたのであった。
まずはカトリであった。右から左に激しく回転してそのうえで無数の赤い羽根を放ってきたのであった。
「フェザーハリケーーーーン!」
「むっ、この羽根は」
「ただの羽根ではないわ」
技を放ったうえでの言葉であった。
「全てを貫くこの羽根、受けてみなさい!」
「俺の攻撃もだ!」
続いて来たのはクリフだった。一気にカミュに突き進みそのうえで両手の拳の一撃を次々に繰り出してきた。
「ツインドラゴンヘッド!」
その技の名前通りまさに双頭の竜の頭が襲い掛かって来るような攻撃であった。それをカミュに対して繰り出してみせたのである。
二人の攻撃をかわすその時に。今度はティータが来た。
左手に持っているその剣を上から下に一閃させる。すると凄まじい圧力の水圧が地面を走り一直線にカミュに対して襲い掛かるのだった。
「ウォータープレッシャーーーーッ!!」
これがこの技の名前であった。
「さあ、どうかしらアクエリアス」
技を放ったうえでにやりと笑ってみせたティータであった。整ったその顔に凄みのある笑みが宿った、まさにそうした顔であった。
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