聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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388部分:第五十三話 氷の妙技その五
第五十三話 氷の妙技その五
「それでもう一度攻撃を仕掛けるわ」
「わかりました」
「それじゃあ」
三人もそれでいけると思っていた。彼等にしろ自分達の攻撃が思いも寄らぬ方法で無効化され焦りを感じていた。その為すぐにレティーナの言葉に頷いたのである。
それですぐに散った。上下と左右にだ。そのうえで再び自分達の攻撃を放った。
「今度こそ!」
「これなら!」
四人の攻撃が再びサガに襲い掛かる。サガは今度もその攻撃を見ている。そしてそのうえで今こう言うのだった。
「聖闘士に同じ技は通用しない」
「戯言を」
「戯言ではない」
それを否定しようとするレティーナに返した。
「その証拠にだ」
背中のマントを左手に持ってそのうえでその左手を一閃させた。するとだった。
それで四人の攻撃を消し去ってしまった。左手だけでは。
「今度は攻撃を消し去った」
「そんな・・・・・・」
「ましてや最初の攻撃よりも弱かった」
サガはこのことも見抜いていたのだった。
「そしてだ」
「そして!?」
「今度は一体」
「私の番だ」
サガは言った。悠然と構えて。
「この技を受けるがいい」
「な、何っ!?」
「この小宇宙は!」
四人が急激に高まるサガの小宇宙を感じた時にはもう手遅れだった。今サガの交差させた両腕が胸から頭上にあがり。そのうえで銀河が砕けた。
「ギャラクシアンエクスプロージョン!!」
その攻撃が彼等を直撃した。四人をしても耐えられるものではなかった。
勝負はこれで決した。四人は雪の大地に叩き付けられそのうえで事切れたのであった。
「くっ、これが」
「ジェミニのサガ最大の奥義」
「ギャラクシアンエクスプロージョン・・・・・・」
彼等はその雪の上にうずくまりながら呟いた。その傷が致命傷なのは明らかだった。
「何という恐ろしい威力・・・・・・」
「我等をしても・・・・・・」
「安らかに眠るがいい」
そこにサガが降り立ち告げた。
「苦しまずにな」
「無念・・・・・・」
最後にレティーナが言った。
「だが」
「だが。何だ?」
「狂闘士はアーレス様の御力を受ける存在」
今息絶えようとしている中での言葉だった。
「そのことを忘れないことね」
「アーレスのか」
「アーレス様に栄光あれ・・・・・・」
頭から血を流していたレティーナはこれで息絶えた。その時には他の三人も同じく息絶えていた。サガはこの戦いにおいても勝利を収めたのだった。
しかしだった。サガの顔は喜ぶものではなかった。むしろ緊張しているものであった。
「さて。次はだ」
その顔で呟くのだった。
「カミュだが。どうか」
そのカミュは五人の狂闘士達と対峙し続けている。彼に対してもその禍々しい紅蓮の小宇宙が向けられ激しい戦いがはじまろうとしていた。
「さて、アクエリアスよ」
「我等五人が相手ならば」
「その命運は決まったも同じ」
カミュを前にしてそれぞれ言う彼等であった。
「特にだ」
「貴様は確か」
カミュは今一歩前に出た男を見て声をあげた。
「確かネビロスの」
「そうだ。ネビロスのクレーベ」
ここで自ら名乗ってみせたのであった。
「私のことを知っているとは殊勝なことだ」
「名前は一度聞けば覚えることができる」
静かな言葉でこう返したカミュであった。
「それだけでな」
「そうか。では他の者達のことも覚えているというのだな」
「無論」
今度は一言での返答だった。
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