聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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374部分:第五十一話 黒い炎その四
第五十一話 黒い炎その四
「待機しているのだ、ここでな」
「えっ、またですか」
「折角今度こそ俺達の出番だって思ったんですけれどね」
「安心するのだ。御前達の出番はいずれある」
カミュは不平を漏らす彼等にこう告げるのだった。
「いずれな」
「じゃあ今はってことですね」
「待機ってことで」
「来ているのはインプ達ではない」
カミュは既にそのことを察しているのだった。
「来ているな」
「っていうとあの狂闘士の連中ですか?」
「やれやれ、またやって来たんですね」
「連中も好きですね」
「そうだな。しかも」
カミュはここでまた言うのだった。
「これはあの男だ」
「あの男といいますと」
「誰なんですか?」
「それは」
今その男の名を言おうとした。しかしそれよりも前に彼等が姿を現わしてきたのだった。
「覚悟しろ聖闘士達よ!」
「今度こそ貴様等の最期だ!」
インプ達が姿を現わしてきた。彼等は正面からその数を頼みに一斉に襲い掛かってきた。
「死ね!」
「これでな!」
「来たか」
カミュは彼等の姿を認めてあらためて一言呟いたのだった。
「それならばだ」
「アクエリアス!とりわけ貴様だ!」
「仲間達の仇!」
彼等の敵意と憎悪はとりわけカミュに向けられていた。
「ここで倒す!」
「いいか!」
「来るのだ」
カミュは既に聖衣を来ている。マントも身に着けそのうえで彼等と正面から向かい合っていた。
「このカミュのもう一つの技を見せよう」
「もう一つの技だと!?」
「それは一体」
「ダイアモンドダスト!」
左手の拳を前に突き出し叫んだ。すると氷の嵐が一気に起き。
「こ、これは!」
「このロシアの大地をも凍らすばかりの!」
「そうだ。嵐だ」
カミュはその氷の嵐を放ったうえで彼等に告げるのだった。
「このアクエリアスのカミュの技の一つだ」
「あの氷の技だけではなかったというのか」
「まだ持っていたのか」
「言っておこう」
ここでカミュはさらに言うのだった。
「黄金聖闘士の殆どは持っている技は一つだけではない」
「何っ!?」
「一つだけではないというのか」
「そうだ。このカミュもまた然り」
自分自身もだというのである。
「フリージングコフィンの他にもこうした技も持っている」
「氷の嵐を放てるというのか」
「貴様は」
「その通りだ。そして」
カミュの声が強くなった。
「この氷の嵐、貴様等に防げるか」
「何っ、言わせておけば!」
「この程度の嵐で我等が!」
「無駄だ」
カミュはなおも突き進もうとする彼等に対して告げた。
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