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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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350部分:第四十八話 幻影の罠その二


第四十八話 幻影の罠その二

「それはのう」
「左様ですか。それでは」
「あの者達は我等の手で」
「黄金聖闘士の者達は御前達に任せる」
 エリスはまた告げた。
「思う存分戦うがいい」
「有り難き御言葉」
「それでは」
「相手にとって不足はあるまい」
 エリスは彼等にこうも告げた。
「そうであろう」
「その通りです」
「あの者達ならば」
「ならばよい」
 エリスも彼等のその言葉を受けて満足なようであった。
「それではじゃ」
「はい」
「心ゆくまで戦いを楽しませてもらいます」
 こうエリスに答えるのであった。彼等の言葉を受けたうえでエリスはさらに言うのだった。
「それではじゃ」
「次は何を」
「四騎士達はそろそろ動かすべきであろうな」
 このことを彼等に問うのだった。
「それについてはどのように思うか」
「そうですね」
 最初にこの考えに応えたのはリーヴェだった。
「まだそれは尚早かと存じます」
「早いと申すか」
「はい、まだいいと思います」
 こうエリスに述べるのだった。
「それは」
「左様か」
「まだ封印は全て解かれていません」
 リーヴェはこうもエリスに告げた。
「あの者達を行かせるのは封印が全て解かれてからでもいいと思います」
「そうか。まだよいのか」
「あの方々に来て頂くにもかなりの労力が必要になると思われます」
「そうじゃな」
 ここで思い直したエリスだった。
「アテネの者達も愚かではない」
「そうです」
「私もそう思います」
「私もです」
 このことに対して否定的な者は少なくとも八大公の中にはいなかった。彼等はいずれも真剣な面持ちでエリスに対して述べたのだった。
「既に気付きはじめているでしょう」
「あの方々のことにも」
「それならやはり慎重に行うべきじゃな」 
 エリスは鋭い目になって述べた。
「ここはのう」
「だからです」
 ここでまた言うリーヴェだった。
「今動くのは得策ではありません」
「そなた達が全て動けるようになってからか」
「おそらくその時は黄金聖闘士の者達も総出となるでしょうが」
「黄金聖闘士に対することができるのは八大公のみ」
 このこともよくわかっているエリスだった。
「他の者達ではできぬからのう」
「だからこそです」
「その時のことは考えておこう」
 また言うエリスだった。
「それから。アーレス様をじゃ」
「はい」
「我等の主を」
 まさに彼等にとっては絶対の存在であるそのアーレスのことだ。エリスにしろ八大公達にしろアーレスに対しては絶対の信頼を抱いているのである。
「ここにお招きする為にも」
「まずはあの方々を」
「あの者達の帰還はわらわにとってもよきこと」
 エリスの言葉はここでも真剣なものだった。
 
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