聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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349部分:第四十八話 幻影の罠その一
第四十八話 幻影の罠その一
幻影の罠
トラキアにあるアーレスの宮殿。そこでエリスは今も八大公の面々を前にして話をしていた。
「さて。それではじゃ」
「はい」
「レダは上手くやっているのだな」
「どうやらそのようです」
彼女のこの問いに答えたのはミシェイルだった。
「今のところアクエリアスを順調に北に誘い込んでいるようです」
「左様か。順調にか」
その言葉を聞いて満足そうに笑うエリスだった。
「ではそろそろよのう」
「おそらくは」
今度はリーヴェが答えてきた。
「レダが罠を仕掛ける時かと」
「あの罠は絶品じゃ」
エリスはこう言ってレダを賞賛する。
「まさに狂闘士、いや八大公随一よのう」
「はい、それにつきましては」
「確かに」
他の八大公達も今のエリスの言葉に異論はなかった。
「レダはただ強いだけではありません」
「その奸智もまた恐ろしいものがあります」
「技と頭脳」
エリスは彼の二つの武器をこう称した。
「それを今再び見られるとはのう」
「対するはアクエリアスのカミュです」
「黄金聖闘士の中で最も冷静沈着とされるあの男です」
「ふむ。アクエリアスか」
エリスはこのアクエリアスという単語に反応を見せた。まるで過去から知っているかのように。表情もそうしたものになっていた。
「アクエリアスの者も先の聖戦から変わっておらんようじゃのう」
「その通りです」
「そしてそれはアクエリアスだけではありません」
ここでカナンが言うのだった。
「キャンサーも同じです」
「カプリコーンも」
「ピスケスもまた」
「タウラスも然りです」
続いてジークにミシェイル、ドーマも言うのだった。
「かつて我等と戦った時と同じです」
「おそらく魂は同じかと思われます」
「あの時から」
「ふむ。左様か」
エリスはそれを聞いて考える目になった。
「あの時からか」
「先のハーデス様との戦いですが」
今度言ってきたのはリゲルだった。
「どうやらあの者達はその時も」
「同じ魂だったのじゃな」
「御言葉ですが」
こう恐縮もするリゲルだった。
「そのようです」
「あの時の聖戦ではあの者達は皆戦死しております」
サリアはそのハーデスとの聖戦のことを述べた。
「その魂かと」
「そして我等を忌まわしくも敗北せしめたのも」
エリスは続いてこう述べた。
「あの魂だというのじゃな」
「間違いありません」
「あの小宇宙は」
「面白いことじゃ」
エリスはここまで話を聞いてこう述べたのだった。
「それでは今度はその魂を我等が退けるということじゃな」
「はい」
「その通りです」
八大公達もその考えであった。
「是非。それは我等にお任せを」
「どうか」
「それはもう最初から決めておる」
これが今の彼等の言葉に対するエリスの返答だった。
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