Three Roses
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第十六話 姉妹が会いその四
「抑える為に異端審問も使いますが」
「彼等は狂信者ですし」
「独自の動きを取らせてはなりませんね」
「あくまで制御が出来る範囲で、ですね」
「その範囲でいでもらいますね」
「そうあってもらいます」
是非にという言だった。
「それは私が担いますので」
「彼等の抑えは、ですか」
「司教殿がして頂けますか」
「その様に」
「彼等のことはよく知っているつもりです」
それ故にというのだ。
「この国に入れますが」
「それでもですね」
「手綱は持っていく」
「そして好きにはさせない」
「そうされますか」
「新教徒はこれ以上勢力を大きくさせないですが」
しかしというのだ。
「ですから彼等も使いです」
「新教徒達の力は強くさせない」
「抑えに異端審問を使う」
「しかし、ですか」
「それでも」
「そうです、彼等の好きにはさせずましてや」
司教はさらに言った。
「彼等の行う裁判、そして処刑はです」
「絶対にさせない」
「それは尚更ですね」
「許さない」
「何があろうとも」
「そう考えています」
まさにというのだ。
「それを許しては国が乱れます」
「実際多くの国が乱れていますし」
「帝国も領地でそうなった場所がありますし」
「王国もそうですね」
「我が国もそうだった時期がありましたが」
「ですから彼等の好きにはさせません」
必ず、というのだ。
「手綱は握っておきますので」
「では」
「その様に」
「はい、お任せ下さい」
同志達に約束もした。
「このことは」
「それでは」
「異端審問の件お任せします」
「是非共」
同志達も彼等のことは司教に委ねた、その司教にだ。
旧教の諸侯達の領袖であるオズバルト公も面会してそのと気に彼に言った。
「マイラ様とマリー様がお会いになることはよいことです」
「公爵もそう思われますね」
「はい、私はマイラ様こそがと思っています」
「この国の主に」
「マイラ様のお人柄を見れば」
まさにというのだ。
「あの方ならばです」
「この国の主に相応しいと」
「あの方は君主としての美徳を多く持っておられます」
こう見ているからだというのだ。
「ですから」
「この国の主にはですね」
「マイラ様です」
次の主は、というのだ。
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